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ある放課後。 璃子は偶然、駅前の病院で美咲を見かけた。
声をかけようとして、しかし足が止まる。
白衣の医師と一緒に歩く美咲の横顔は、どこか張り詰めていて、普段の明るさがなかった。
その後、彼女の病室の前でばったり出会った。 気まずそうに笑いながら、美咲は言った。
美咲
璃子は何も言えずに頷いた。
美咲はベッドに腰かけ、淡々と告げた。
美咲
その言葉に、胸の奥が冷たくなる。
笑って話す美咲の瞳の奥に、寂しさが隠されていることに気づいてしまったから。
美咲
璃子
言いかけて、璃子は言葉を飲み込んだ。
“好きだから、重くてもいい”
――そう言いたかった。
でもその言葉は、喉の奥で震えるだけで外に出なかった。