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夏休み。 璃子はできる限り美咲と一緒に過ごした。
図書館で勉強をしたり、
花火を見たり。
美咲の笑顔はどれも眩しかった。
しかし、楽しい時間の裏で不安が広がっていく。
美咲は時折、胸を押さえて立ち止まることがあった。
璃子
と尋ねると、
美咲
と必ず笑って答えてくれる。
けれど璃子は、その笑顔の奥にある影を見逃せなかった。
ある夜。
二人で並んで花火を見上げながら、美咲がぽつりと呟いた。
美咲
璃子
思わず強い声が出た。
美咲は驚いたように目を丸くし、それからふっと笑った。
美咲
璃子は手を伸ばした。
花火の光に照らされながら、そっと美咲の指先に触れる。
でも握る勇気は、最後まで持てなかった。