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主
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〜第2章〜 母との最期
焼けるような苦痛のあと、麗奈の瞳は赤く染まり、闇の中に鮮烈な光を宿していた
心臓は激しく脈を打ち、耳の奥では血の匂いが世界を満たしていく。
無惨
無惨
無惨
麗奈
喉が焼け付くほど渇いて、身体中が飢えに支配されていた
無惨
無惨
無惨
無惨
その声に導かれるように、麗奈の足は自然と村の方へ向かっていったー。
家が見える
あの家。母がいる家。
扉を開けた瞬間、麗奈の鼻を突いたのは濃厚な人間の匂い。
思考より先に身体が動いた
麗奈
母
母
母の声が震える
その声がかえって麗奈の理性を壊していった。
麗奈
母
麗奈
麗奈
麗奈
涙と嗚咽が混ざり合い。次の瞬間ーー。
牙が肉を裂き、温かな血が口いっぱいに広がった
母の声はすぐに途切れ、家には静寂だけが残る
麗奈
麗奈
麗奈
紅い瞳が潤み頬を涙が伝う
それは、悲しみか、喜びか、自分でも分からなかった。
背後から、無惨の低い声が響く
無惨
無惨
麗奈は震える声で呟いた
麗奈
〜第2章〜 母との最期 [完]