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蝶屋敷

蝉の鳴き声が、何処か遠くから聞こえる

夕焼けに染まる蝶屋敷の縁側で、 芙梛は一人、蹲るように座っていた

芙 梛

( ...三日

無惨に与えられた猶予

...芙梛

背後から声がかかる

振り返ると、そこには無一郎がいた

記憶が戻ってから変化した、無一郎の表情

瞳の奥にも何処か優しさが滲んでいる

時 透

外、涼しいよ

時 透

ずっと部屋に籠ってたでしょ

芙 梛

ぁ、うん...

芙梛は頷き、立ち上がる

隣に立つ無一郎に並んで、暫く何も言わずに歩く

その沈黙の中で、無一郎がふと口を開いた

時 透

...芙梛、また何か隠してるでしょ

芙梛の足が止まる

時 透

でも、問い詰めたりしないよ

芙 梛

...なんで?

無一郎は少し目を伏せ、静かに言う

時 透

僕は決めたからね

時 透

芙梛を信じるって

その言葉に、芙梛は俯いて苦笑した

芙 梛

...うん

芙梛は屋敷の縁側に立ち、外を見渡す

禰豆子の姿が見えた

花に集まる蝶々たちと一緒に夜風に当たっている

芙 梛

( 禰豆子ちゃんを無惨様の元に...

胸の奥が強く痛んだ

芙 梛

( ...出来る訳、ないな

縁側から離れようとしたその時──

あ!

ふなだ!
なにしてるの?

振り向くと、そこには禰豆子がいた

人懐っこく微笑んで、芙梛の手を握ってきた

芙 梛

禰豆子ちゃん...

禰 豆 子

いっしょに空、見にいこ?

芙梛は少し笑ってから、頷いた

 

並んで腰をかける芙梛と禰豆子

月明かりの下、虫の声が響く

芙 梛

...禰豆子ちゃんはさ

芙梛が小さく呟く

芙 梛

私のこと、怖くない...?

禰豆子は芙梛をじっと見つめると、 静かに首を横に振った

禰 豆 子

こわくない、よ

芙梛の目が大きく見開かれ、唇が僅かに震える

芙 梛

...なんで

禰豆子はニコっと笑って、 小さな手で芙梛の頭を撫でた

蓮華の中の何かが、そっと音をたてて崩れていく

そのやりとりを、炭治郎が黙って見ていた

表情は読めない

ただ、深く何かを感じとったように、 眉が少し動く

竈 門

...禰豆子

竈 門

芙梛さんのこと、気づいてるんだよな...

竈 門

貴女は何者なんだろう )

 □ ■ □ 

フォロワー100人達成しました~🥳 ありがとうございます~🥹🙇‍♀️

2つ目の目標設定させて頂いたので、 これからも頑張らせて頂きます✋

ですが最近、更新の頻度が少なめになっているので、 更新日を決めました 詳しい事はプロフィールに書いたので、見てみてください🤲

鬼 と 人 間 は 結 ば れ な い 。

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