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千冬歌

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千冬歌

1 - 私のアール

♥

25

2023年06月10日

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千冬

(私屋上で靴を)

千冬

(脱ぎかけたときに)

千冬

(三つ編みの先客に)

千冬

(声をかけてしまった)

ねぇ、やめなよ

千冬

(口をつい出ただけ)

千冬

(本当は、どうでも良かった)

千冬

(先を越されるのが)

千冬

(なんとなく癪だった)

三つ編みの子は、語る

どったって聞いたようなこと

三つ編みの子

運命の人だった

三つ編みの子

どうしても愛されたかった

千冬

ふざけんな!

千冬

そんなことぐらいで

千冬

私の先を越そうだなんて!

千冬

欲しい物が

千冬

手に入らないなんて

千冬

奪われた事すら

千冬

無いくせに!

三つ編みの子

話したら楽に、なった

って

三つ編みの子は、消えてった

千冬

(さあ、今日こそはと)

千冬

(靴を脱ぎかけたらそこに)

千冬

(背の低い女の子)

千冬

(また、声をかけてしまった)

背の低い子は、語る

背の低い子

クラスでの孤独を

背の低い子

無視されて、奪われて、

背の低い子

居場所が無いんだ

って

千冬

ふざけんな!

千冬

そんなことぐらいで

千冬

私の先を越そうだなんて!

千冬

それでも、

千冬

家では、愛され

千冬

温かいご飯も

千冬

あるんでしょ?

背の低い子

お腹が空いた

と泣いて

背の低い子は、消えてった

千冬

(そうやって何人かに)

千冬

(声をかけて、追い返して)

千冬

(私自身の痛みは、)

千冬

(誰にも言えないまま)

千冬

(はじめて見つけたんだ)

千冬

(似たような悩みの子)

千冬

(何人目かにあったんだ)

黄色いカーディガンの子

黄色いカーディガンの子

家に帰る度に

黄色いカーディガンの子

増え続ける痣を

黄色いカーディガンの子

消し去ってしまうために

黄色いカーディガンの子

ここに来たの

と言った

千冬

(口をつい出ただけ)

千冬

(本当は、どうしても良かった)

千冬

(思ってもいないこと)

千冬

(でも、声をかけてしまった)

ねぇやめてよ

千冬

(ああ、どうしよう)

千冬

(この子は、止められない)

千冬

(私には、止める資格が無い)

千冬

それでも、

千冬

ここからは、消えてよ

千冬

君を見ていると

苦しんだ

黄色いカーディガンの子

じゃあ今日はやめておくよ

って

目を伏せたまま消えてった

千冬

今日こそは、

千冬

誰もいない

千冬

私ひとりだけ

千冬

誰にも邪魔されない

千冬

邪魔しては、くれない

カーディガンは、脱いで

三つ編みは、ほどいて

千冬

背の低い私は、

千冬

今から

飛びます

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25

コメント

1

ユーザー

私これ作れるなんて天才じゃね ↑ 千冬)なわけあるか

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