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流星side
次の日
実習では昨日の手順通り クリームと砂糖の量、器具の当て方、 クリームの硬さ、見極め方...。 教えてもらったことを思い出しながら 自分1人で泡立ててみた。
すると...
先生
そう言って、みんなの前で手本として見せてくれた。 よかった...。全部、全部。 あのクリームの妖精さんのおかげ。
あの人は、プロ並みの知識と手つき、教え方で 本当にすごい人なんだと改めて思った。 そんな人がこの学校の生徒だなんて...。 僕もまだまだ勉強しないと。 そう思った。
その夜。昨日と同じ時間に。 僕は実習室で彼を待つ。
流星
そう思って泡立てた生クリームを 味見していると
大吾
また物音ひとつ立てずに僕の前に現れた。 本当に不思議な人。
流星
大吾
そう言ってまた僕の手を取り、 添えながら優しく教えてくれる。 妖精さんの手つきは本当にプロみたい。 絞りの金具口から綺麗な模様がスラスラッと 絞り出されていく。
簡単そうに見えて僕には全然できない。 そんな技を簡単にやってしまう。 僕もこんなふうに...なってみたい。
一通り絞り終わると、妖精さんが 冷蔵庫から何かを取り出してくれた。
大吾
そう言って出してくれたのは ショートケーキ。 さっきの絞りも綺麗に飾り付けられた、売り物同然... いや、それ以上のもの。
流星
大吾
1口食べてみると... 食べたことないほど滑らかでフワッとして。 ずっと食べていたいのに、口の中で溶けて... 本当に美味しい。
そして...僕のお家の味にも似ている。
ポロッ...ポロッ...
嬉しくて...涙が止まらない。
大吾
流星
大吾
流星
そう言って、転入するまでの話をした。 両親のことや家のこと。僕が全然お菓子を作れないこと。 妖精さんは静かに、全部を受け止めてくれるかのように 聞いてくれた。
大吾
大吾
流星
僕は耳を疑った。 本当に、そんなことがあるなんて。
大吾
大吾
大吾
だから、急に現れたり、生クリームのことに詳しかったり。 そんなことがあったんだ。
流星
大吾
流星
大吾
流星
クリームの妖精大ちゃん。
信じられないけど...
僕の学校生活も、 少しずつ楽しくなってきたようだった。