第4話
玄関のドアが勢いよく閉まる
安心した私は、体の力が抜けて玄関に座り込んでしまう
何も考えることの出来ない放心状態のようで
助けてもらった相手を見ることも出来なかった
でも、声は出さなきゃ
助けてもらったのに失礼だ
宮野志帆
宮野志帆
まさか、推しに助けてもらうなんて
思ってもいなかったから、
こんなところを見られたという恥ずかしさもあるが、
何よりも安心して涙が溢れていた
渡辺翔太
渡辺翔太
渡辺翔太
宮野志帆
泣くつもりなんてなかった
でも、溢れた涙は止まらなかった
渡辺翔太
宮野志帆
Shota様の肩を借りて
力の入らない体を動かしてリビングに入っていく
渡辺翔太
宮野志帆
Shota様の肩から離れようとしたけど、彼は離してくれない
宮野志帆
渡辺翔太
渡辺翔太
宮野志帆
たしかに名前を呼んだ記憶も、 返事程度でしかタメ口にはならなかった
だけど、どうしてそんなに怒っているの?
渡辺翔太
渡辺翔太
渡辺翔太
渡辺翔太
渡辺翔太
宮野志帆
よく分からない、
だけど、Shota様はきっと、蓮に対して怒ってるのではなくて、
名前を呼んだりしない私に怒っているのだけはよくわかる
渡辺翔太
渡辺翔太
宮野志帆
渡辺翔太
渡辺翔太
そう言って私の部屋を出ていった
宮野志帆
直接聞ける訳もなく、
呟いた言葉は
家具の少なく、よく響く部屋に 静かに広がっただけだった
☆
力づくじゃ、
やっぱりだめだった
わかっていても
そうじゃないと取り返せない、
そう思ったから
目黒蓮
目黒蓮
あんな強引なことをして帰ってくると期待した自分は馬鹿すぎたな、
失笑する俺には誰も助けてはくれないだろう、
だって、好きな人1人も大切に扱えないんだから、
なんで手放したんだろう、
いや、離れられるようなことしたからなんだけどな、
自ら手放したって言っても過言では無いよな、
あの男と新しい恋愛してたのかな、
誰なんだよ、
目が覚ませそうで覚ませない俺は
さらに深い眠りに溺れさせられた気がした、
俺の浮気癖が着いたのは志帆と別れることになる半年前、
正直同居しているはずの彼女が忙しそうだったから我慢してた俺、
そう、レスだった
だけど、それを口に出せる訳もなく、
隠れてホテル街に行くようになった
誰でもいいから抱きたい、
我慢の限界だって、
後先考えずに、
その中で出来た1人のセフレ
それが、後に浮気相手になる人だった
毎週水曜日は志帆が完全に残業になって遅くなる日
だから俺は、毎週水曜日だけ 彼女を家に呼んで抱いた
だけど永遠に隠し通せる訳もなく
セフレができた半年後に 抱いている最中に志帆が帰ってきた
ありえないと言わんばかりの表情をした志帆は我に返ったあとすぐに部屋を出ていった
その数日後
仕事から帰ってきた俺は 部屋を見て驚いた
志帆の服、小物や布団、 好きだと言っていたぬいぐるみは 跡形もなく全て消えていた
机に残されたのは、志帆の字で書かれた置き手紙と合鍵
見るに見れなかった
ー蓮ー 考え直したけどやっぱり蓮とはいれない。 合鍵も返すね。新しい彼女と幸せになってね。ばいばい。
宛名はあるのに差出人の名前は無い
でもわかるのは志帆の字だということ
書いてあることは正しいことなのに 日本語として読めなかった
その後、もう既に遅いのに、
セフレとの関係は一方的に切って 志帆を探していた。
☆
あー、やっちまった
さすがに言葉に任せすぎたよな、
頭を冷やすと言って部屋を出てきたけど
なんでグラドル誌の目の前で苦しい顔してんだろ、
なんか、違う意味で心配されそうだし出るか、
あーでもなー、
まぁいいや、
甘すぎないプリンを片手にレジへと向かった。
なんでこんなモヤモヤしているのか
俺にはよく分からなかった
だけど、彼女の顔を見ると、苦しくなるような開放されるかのような
なんとも言えない気持ちになっていてどうしようもできていないのは
この上ない事実だった
渡辺翔太
そんな俺にひとつの着信が入ってきた
渡辺翔太
緑の電話マークにスライドすれば 聞きなれたうざい声が聞こえてきた
深澤辰哉
深澤辰哉
渡辺翔太
深澤辰哉
渡辺翔太
深澤辰哉
渡辺翔太
渡辺翔太
深澤辰哉
深澤辰哉
深澤辰哉
深澤辰哉
深澤辰哉
渡辺翔太
この時、ふっかがこんなに焦ってる理由がわからなかった
“この時は”
後々俺は、
なんで突き放して彼女を閉じ込めるようにして鍵を閉めたのか、
何も聞かずに怒鳴ったのか、
後悔してしまっていた。
第5話まで ♡400以上
お久しぶりの連載で前話絶対覚えてない説あるよね🤣
とりあえず読んでハートくれれば嬉しいです🫶🏼💗
そういえばなんか企画しようと思うんだけど何して欲しいとかある???
コメント
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