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奇跡を

5 - 《3》センパイ

♥

1,009

2023年01月31日

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ブレイブ

今日も……か…

俺はスマホのチャット画面を見て少しだけため息をつく。やる事に関しては嫌ということは無い。しかし…

ブレイブ

……疲れません?毎日こうしてるの…

センパイ

ん?そんな事ないよー?
あ、嫌だったらごめんね…?

ブレイブ

…嫌だったら来てませんよ、突然大人に声かけられて普通の人なら怪しむでしょ。

センパイ

ウッ…めちゃくちゃド正論……

実は、俺はこの人…センパイさんに仮バディ的存在を任されている。前に出会った組織のせいで中々仲間ができず、俺に聞いた所、もちろん俺は初心者なため喜ばれた。

…ゲームでも初心者で喜ばれたことないよ。うん。 そして、少し怪しいが相当喜ばれたものだから、仕方なく仮バディ的存在を受けいれた。

そんな俺たちの日々は

センパイ

うぉりゃぁぁぁぁああ!!

ブレイブ

あ、それ……ボソッ

センパイ

うぇぇええ?!

You died

ゲームです。

センパイ

難しい…ッッ!!も、もう1回!!もう1回お願い!!

ブレイブ

いいですよ……

初めてやるタイプのゲームだったが、今では何故かセンパイさんより上手いプレイをしてる。何故だろう。

ゲームは好きだ。だからなんの嫌味もない。

…でも、これってバディ的な意味に適しているのだろうか……

ブレイブ

あ、そこ死にますよ

センパイ

え"

…まぁ、楽しめばいいか。

センパイ

よしブレイブくん!アタシ達はパトロールに向かいます!!

ブレイブ

………へ?

センパイ

パトロール!アタシたちじゃなきゃ解決できない事もあるでしょ?

センパイ

それにちょっとかっこいい…でしょ?

ブレイブ

……

センパイ

その顔しない!!はい笑って笑って〜!!

ブレイブ

んむ…ちょっ……センパイさん〜…

俺のほっぺたを潰したり伸ばしたりしてくる。本当に明るい人だ。 …少し、こっちも元気になるな。

ブレイブ

…かっこいいかどうかは知らない…ですけど……

ブレイブ

まぁ、分かりました。

センパイ

やったぁ〜!!

元々、バディ的な感じってこんな感じだろうと思ってたし… にしても自由人だな、センパイさんって。

センパイ

!見えた!!
行くよブレイブくん!

ブレイブ

え、み、見えた?!

センパイ

ほらあの角!!

ブレイブ

はぁッ?!

見えるわけが無いような場所を指す。一応ゲームやるにあたって危険である視力低下を防いできたから、まぁ若干見える。だがあんなの普通分かるわけがない。

俺はセンパイさんに思うがまま引きずられ、化け物に立ち向かうことになった。

ブレイブ

で……ッッ?!

センパイ

でかぁぁぁぁぁあああ?!?!

横の団地の2階と同じくらいの大きさの化け物。俺達はそんな化け物相手に怯える。流石に大きすぎる。本能が怖いと叫んでいる。

センパイ

け、けけけ結界に連れてかれたら相手の方が有利かもしれないから絶対にそれだけはヒィッ!!!

ブレイブ

そ、そうですウワッッ!!

喋ろうとしても声が震えるし、手で殴る攻撃は手が大きすぎて怖いし。もうハチャメチャ。

誰か。誰かもし俺達を助けてくれるのなら助けてくれお願いします。

センパイ

あ、そうだッッ!!眠らせれば…!!

センパイ

えーいッッ!!

ドーン!!!

ブレイブ

へ……ッッ?!

まさかのセンパイさんが強すぎました。

ブレイブ

ね、眠らせた……っ?!

なら今のうちに逃げよう。そう考えた。

でも、ここは住宅街だ。センパイさんが言うには化け物は本当に極小数にしか見えていないらしい。

でも、化け物が壊す物体は別の話。見えていないだけで、壊した物体は現実になる。つまりは俺達がこれほど叫んでいるのも傍から見れば変人だが。

センパイ

ここは人が多く住んでる…

ブレイブ

はい。絶対僕達が逃げちゃダメですね…!

センパイ

うん。そうだね!

センパイ

……それに、ここはアタシが守りたい場所だ。

ブレイブ

……?

センパイ

なんでもないよ!ブレイブ君は確か…

ブレイブ

サブマシンガンの事ですか?

センパイ

そう!それ!
争い事は嫌だけど…それで倒してくれる?

ブレイブ

はい。勿論です!

俺はサブマシンガンを取り出す。前みたいなヘマは起こしたくない。 しかし、何回か戦ってわかった。

この武器は俺自身の思いで成り立ってる。感情がこもれば、その分銃の性能…いや、攻撃力が上がる。

ブレイブ

その為には……ッ…

ビビるな怖がるな怯えるな逃げるな守れ守れ守れ……ッッ!夢に食いつけ!!

ブレイブ

よッッしOK…!!

ブレイブ

大丈夫俺は強い俺は強い俺は強い俺は強い俺は強い俺は強い俺は強い俺は強い……!!

センパイ

え…どうした……?()

ブレイブ

お、俺!!強いですよねッッ?!

センパイ

え、うぇええ?!み、見た事ない、けど…

センパイ

…心構えがあれば……行ける、と思う、よ?

ブレイブ

ありがとうございますッッ…!!

今なら行ける。お父さんも、必ず俺を見てくれてる。

ブレイブ

……ッ…!起きた……ッ!!

絶対、絶対この戦いに勝つ。それでセンパイを守る。それが、1つ夢に食らいついたって事じゃないだろうか。 俺はサブマシンガンを構えた。

センパイ

ッッ!!後ろ!!

ブレイブ

えッ_

思わず、撃つ最中に後ろを向く。後ろにはぬいぐるみのような大きな手が、俺に向けて進んでいた。

何とかしゃがんで交したが、目の前の敵が背を向けた所を逃すことは無い。先程戦っていた化け物が俺に攻撃した。

_案の定、俺は何度か馴染んだような、意識を失う感覚を味わった。

ブレイブ

ぇ……ッ?

ここはどこだ、と、俺は起き上がる。

周りは謎の物が浮いている。ただそれだけ、だと思った。

ブレイブ

……あ…?

謎のコップが傾き、何かが落ちてくる。無重力のように、ゆっくりと。

どんどんとコップから顔を出す。

分かりたくない

でも、分かってしまった

ブレイブ

し、たい……?

ひとつ、またひとつ、出てくる。 腕を人形のようになっていたり、頭だけ兎の人形だったり。

でも、その布は赤く染まっている。

あぁ、元、人間だ。 分かりたくない。知りたくない。

でも、分かってしまった物は仕方ないんだ。

体が震えていく。 足に力が入らず、その場でしゃがみこむ。

センパイ

ブレイブくん!!

ブレイブ

……ぁ…セ、ンパイ……さん…ッ

ブレイブ

ひ……ッ

センパイさんは、あのぬいぐるみと大きな化け物、2体を相手にしていた。

センパイさんはただ眠らせるだけの武器だ。俺が、バディである俺が助けなきゃいけない。

……でも、俺の足は動かない。どうしても。動けないんだ。 死んじゃうのが怖い。怖いんだ。

ブレイブ

ご、めんなさ……ぃッ……

もう嫌だ。こんな訳の分からない所に連れ込まれて。

普通に生きてたはずなのに。どうして俺は、こんなにも毎回毎回、死にかけているんだろう。

何故俺は普通の生活を送れないの?

お願い。もう普通に戻してよ。

もう目の前で殺さないでよ。

もう死にそうな目に合わせないでよ。

初めてこの結界に入った時も、誰かが1人、死んでしまった。 しかも子供だった。

今落ちてきてる人だって、中学生らしい人もいるし、大人もいる。おじいさんだって。

年齢なんてお構い無しだ。なんて残酷なんだ。

_まるで、災害のようだ

ブレイブ

さいがい…

災害

災害、か

お父さん

消防士だったお父さん

お父さん

[……!わかりました]

海陽

お父さん、どうしたの?

お父さん

少しお仕事に行ってくるね。海陽は大人しく待っているんだよ?

海陽

うん!早く帰ってきてね!

モブ

む、無茶ですよ…!何処にいるかもまだ分かってないんですよ?!

お父さん

それでも、俺は絶対見つけ出す。今助けなくていつ助けるんだ。

モブ

ッ……!俺は止めません…

海陽

…お父さん……

海陽

どうしてお父さんは、怪我をするかもしれないところに入っていくの?

お父さん

お父さん

それはな、

ブレイブ

「俺が行かないと、中にいる人が死んじゃうかもしれないから、どんなに怖くても、その人を助けるためならお父さんは怖くても行くんだよ」

あぁ、懐かしい。この言葉に、俺は憧れた。こんなお父さんが誇らしくて、お父さんの元に生まれてよかったと、今でも思える。

俺は足が動いていた。

もちろん、センパイの方へ。

あんなにも無重力のような空間だったのに、今落ちる時は思った以上に早かった。現実とほぼ一緒じゃないか。

それでも、俺は何も怖くなかった。

トランプから鍵へ、鍵から時計へ。 落ちるかもしれないのに、死ぬかもしれないのに、俺は止まらなかった。止まれなかった。

目の前に、助けを求めている人がいるから。

俺が死ぬより、もうこれ以上、誰かを失う事の方が辛いだろ。

そうだ。進め。前へ、前へ!

ブレイブ

センパイさん……ッッ!!

センパイ

ッ…!ブレイブ、くん…!!

ブレイブ

今は下がっててください!!

センパイ

ッ!!そんなに突っ込んだら危ないよ!

ブレイブ

大丈夫です…ッ!俺、こう見えて一応体鍛えてるので……!!

俺はセンパイさんを庇うように前に出て、サブマシンガンを撃つ。特に危なそうなのはぬいぐるみの方だ。

俺は必死に撃つ。ぬいぐるみの所々に穴が空く。よかった。前より威力は強いし、前より撃つスピードも速い。

それでも、やっぱり強いみたいで、何度撃っても中々倒れない。

センパイ

ッ…!!こっちのはアタシが止める!!ブレイブくんは、そっちのぬいぐるみ相手して!

ブレイブ

はい…ッ!

大丈夫。センパイさんを信じろ。今俺は、ぬいぐるみを相手にするだけでいいんだ。

もしお父さんなら、どうする? そんな事を、避けながら考える。

今のままの戦いじゃ、難しい。 俺のサブマシンガンは短距離だ。近付いてしか攻撃は出来ない。

攻撃を避けながらだと、撃てる時間も短い。 何とか出来ないだろうか。

お父さんなら……

周りを見渡す。

必死に考えろ

考えて、考えて それで、次行く道を、先を見据えろ。

ブレイブ

……あそこだ…ッ!!

俺はまた、浮いた物を利用して、移動する。俺が死んでも、此奴だけは、此奴だけは潰す。そんな覚悟が、お父さんにもあったんだろ。

1番上の、浮いているトランプまで移動した。少し息切れしている。俺はゆっくり、息を整える。 大丈夫。上手くいく。

センパイも苦戦してる。早く助けに行かなきゃ、な。 俺はトランプの端に立つ。 覚悟は出来てる。

_俺は、トランプからぬいぐるみの化け物に向けて、落ちた。

ブレイブ

ッらぁぁぁああああ!!!

必死に撃つ。真上の場合、相手は攻撃をしにくいし、対策を考えるより落ちる速さの方がもっと速い。 それでも、攻撃を避けながら、なんて行動より余程相手に攻撃が食らう。

本当、ゲーム気分だ。

ぬいぐるみの頭にぶつかりそうだった時、遂に、体の所々から黒い液体が吹き出す。

やがて、ぬいぐるみは灰のように消えた。都合良く、地面にぶつかりそうになったくらいの所で、俺の体は無重力の空間に入った。

しかし、足には力が入らない。そのまま、俺はうつ伏せの状態になった。

ブレイブ

せ、ンパ……

疲れきった体は、上手く動いてくれない。センパイが戦っている。早く、俺も、立ち上がらなきゃ。

頼む。動け。動け。 そう考えている内に、どんどん、意識が朦朧とする。

ガンッ

ブレイブ

ッあッッ…

首の方に、何か衝撃が走る。 何かが当たった、とかじゃない。何か、物をわざと当てたような

何が当たったのか、誰がそんな事をしたのか。確認をさせるまい、と言うように、俺の意識は途絶えた。

センパイ

長くない……?

ブレイブ

この時点で187タップ…エグいよ……()

これでも一応抑えた方だぞ()

ブレイブ

嘘だろ()

ここの戦闘シーンはどう書こうか悩んだわ……ブレイブくんが結界の中でトラウマを思い出すのは確定してたんだけど…

ブレイブ

ねぇ主人公補正僕には欠片もないの?()

ないですね() あるとしたらとりあえずまだ死んでないことよ()

ブレイブ

(T-T)

センパイ

ブレイブくんいつか死んじゃうよ……()

仕方ねぇよ私のストーリーだぞコラ(

ブレイブ

お父さん…辛いよ……
こんな奴のせいで俺の人生が潰れそうです……()

センパイ

ほらーブレイブくんだって言ってるんだよ?!

人生なんでも上手くいくってわけじゃねーんだよ()

?????

ちょっといいこと言うな

ブレイブ

え、

センパイ

誰?!

?????

…またねー

ブレイブ

ぇぇええ……

ちなみに、今回は結構ブレイブくん自身は変わった戦闘だったんですよね。

少し危ない戦い方…でもそれこそが、夢に近づく一歩であり、誰かを守れる事だと、ブレイブくんが決意する所ですね。

ブレイブ

上から落ちる時はちょっと…怖かった……

センパイ

そうだよね…ごめんね……
でも、本当にありがとう!助かったよ!

ブレイブ

あ、ありがとうございます……

私さ、案外ブレイブくんとセンパイちゃんが主人公ポジかな〜みたいなの考えてたんよ

だからこれ書きながら、ブレイブくんとセンパイちゃんの関わりとか、設定とか考えてたんだけど……

…………

カップルだよね()

ブレイブ

え……

ブレイブ

ブレイブ

は?!

センパイ

違う違う!!ウチ達は仮バディっていう関係なの!!

ブレイブ

そ、そうなんですよ!!

センパイちゃん、焦ったり感情を上手くコントロール出来ない時に出る「ウチ」出てるよ()

センパイ

え、うそぉ……

まぁまぁそういう妄想をしてるだけだからね(

ブレイブ

しないで

サテソロソロオワルカー

ここまでタップお疲れ様です(((( (221タップ)

それでは、ばいちゃ☆

ブレイブ

ば、ばいちゃ……

センパイ

ばいちゃ〜!

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1,009

コメント

40

ユーザー

通知反抗期なんだが、キレそう。戦闘シーン良きだねぇ、勉強になる()かっぷる、、!!!!!!!!!!!

ユーザー

ドチャクソ熱い戦闘シーン、脳裏に映像となって焼き付きました。最高………………父の事を考えながら、必死に喰らいついて、立ち向かって、タヒぬ気で撃ち尽くして……よくやったよ。偉い。誰かを守れる人に海陽がなっていて、安心だ。主人公はお前だ!しっかりやれよ!!!女の子守れるようにたくましくなれ!!! そして最後の衝撃は……一体……不穏でしかない………………次回も楽しみに待ってます!!!

ユーザー

言われてみれば確かにカップルだw!照れてる2人可愛い〜w今回も面白かった!ありがとう!

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