テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
わたしは いっさ かのん
どこにでもいる、かわいいものがすきなおんなのこ
でも、いちばんだいすきなのは あまみやなおくん
ほいくえんのせんせいとか、まわりのおかあさんとかに、ずっとなおくんと くっつけようとされてた
でもそんなことしなくても、わたしはなおくんだいすきだから、いつでもいっしょにいたいの
でもきょうは、もう そつえんしきなんだ
ほいくえんはひとつだけど、しょうがっこうは ふたつあるから みんなばらばらになる
なおくんは おうちからちかい しょうがっこうにいこうってやくそくしてくれた
だからさびしくないの
ずっといっしょなんだもん
一咲家の母
一咲 花音(いっさ かのん)
一咲家の父
一咲家の父
一咲家の父
一咲家の母
一咲 花音(いっさ かのん)
一咲 花音(いっさ かのん)
一咲家の母
一咲 花音(いっさ かのん)
一咲家の母
一咲家の父
一咲 花音(いっさ かのん)
一咲家の母
一咲家の父
おとうさんのばか、おかあさんのばか
どっちでもいいっていってたくせに。
もしもかえたくなったらってことでべんきょうさせられてたけど
もうやだ、きらい!
みんながいるところにわたしもかけこむ。
朝比奈先生
一咲 花音(いっさ かのん)
朝比奈先生
朝比奈先生
一咲 花音(いっさ かのん)
天宮 尚(5歳)
一咲 花音(いっさ かのん)
天宮 尚(5歳)
すこしまってると、えんちょうせんせいのこえがきこえた。
園長先生
園長先生
そつえんしょうしょのじかんになって、いちばんはじめになおくんがもらった
一咲 花音(いっさ かのん)
天宮 尚(5歳)
しばらくして、じゅよは じょしのばんになった
一咲 花音(いっさ かのん)
尚の母・幸子(さちこ)
尚の父・一也(かずなり)
一咲 花音(いっさ かのん)
一咲 花音(いっさ かのん)
園長先生
一咲 花音(いっさ かのん)
すわっていたいすからたちあがる。
一咲 花音(いっさ かのん)
ウウウウウウウウーーーー
〝緊急放送です。津波警報が発表されました。海岸や河川から直ちに離れ、高い場所へ避難してください
津波は繰り返し襲ってきます。避難中はテレビやラジオで最新情報を確認してください〟
一咲 花音(いっさ かのん)
こんなにおおきくゆれたのははじめてだった。
園長先生
朝比奈先生
一咲家の母
一咲家の父
おかあさん、おとうさん…… いやだ、いまはかおもみたくない
天宮 尚(5歳)
一咲 花音(いっさ かのん)
おとうさんとおかあさんにてをにぎられた
一咲 花音(いっさ かのん)
ないと、そつえんできない いっしょのしょうがっこういけない
一咲家の母
一咲家の父
いやだ、いやだ、てをはなして
一咲 花音(いっさ かのん)
ないていると、なおくんがよこからみていた
天宮 尚(5歳)
そうして、てをだしてくれたんだ。
一咲 花音(いっさ かのん)
おやからのてをはなして、なおくんのおててをつかんだ あったかかった やさしいあったかさ
そして、てをつないでいっしょににげたんだ
せんせいもいっしょうけんめいはしりながら、にゅーすをきいてた
園長先生
一咲 花音(いっさ かのん)
いつもはしるのだいすきで、つかれないはずなのに はしってるときすごくからだがつかれてた
あしが、おかしい からだがいたい
一咲 花音(いっさ かのん)
そういえば……しゃしん
わすれてきちゃった
おとまりかいのひ。
てんぼうだい、ふたりでみにいったときに うしろからとられたにまいのしゃしん
なおくんとわたしはいちまいずつもらった
朝比奈先生
朝比奈先生
一咲 花音(いっさ かのん)
朝比奈先生
一咲 花音(いっさ かのん)
いやだ、
わすれものとりにいかないと
なおくんとずっといっしょにいれなくなる
天宮 尚(5歳)
天宮 尚(5歳)
一咲 花音(いっさ かのん)
天宮 尚(5歳)
一咲 花音(いっさ かのん)
天宮 尚(5歳)
一咲 花音(いっさ かのん)
天宮 尚(5歳)
ほら、そういうとおもった
いつでもとれる、かわりなんてつくれる
かわりはかわりなだけで、ほんものにはなれないの
だから、だから……!!!
一咲 花音(いっさ かのん)
そのこえといっしょになおくんのてをつかむちからがゆるんで、てからはなれることができた
そしてほいくえんのほうへはしる
まっすぐなみちだったから、みはらしがよかったけど はしるとみちのまんなかになにかいた
一咲 花音(いっさ かのん)
だんだんちかづいてくる。
⋃
一咲 花音(いっさ かのん)
一咲 花音(いっさ かのん)
⋃
一咲 花音(いっさ かのん)
一咲 花音(いっさ かのん)
⋃
一咲 花音(いっさ かのん)
一咲 花音(いっさ かのん)
⋃
一咲 花音(いっさ かのん)
一咲 花音(いっさ かのん)
⋃
⋃
⋃
⋃
⋃
このひとがなにをいってるかわからなかった。まっくろいふくをきて、かおがみえないようになっている。
でもそんなことをきにしているばあいではないと思った
一咲 花音(いっさ かのん)
一咲 花音(いっさ かのん)
ふっ、とわらったこえがきこえた
⋃
⋃
一咲 花音(いっさ かのん)
⋃
⋃
そのしゅんかん、おとがもとにもどった
一咲 花音(いっさ かのん)
いっぽんみちのはずなのに。でもそんなこときにしているひまはない
一咲 花音(いっさ かのん)
ひたすらはしりつづけると、ほいくえんのかんばんがみえてきた。