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ほしいもの

1 - ほしいもの

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2020年03月19日

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盗賊A

よォ姉ちゃん

盗賊A

この道通りてぇのかよ?

盗賊B

盗賊B

困るなァ…ここは俺たちの道なのさ

盗賊B

勝手に通っちゃいけないよ

リオ

え、その、じゃあどうすれば…

盗賊A

通行料としてー

盗賊A

盗賊A

10万リリスだ

リオ

リオ

そ…そんな大金持ってません…!

盗賊B

えぇー?聞こえないなぁ…

盗賊B

早く払ってもらえるかな、ほらぁ!

リオ

っぐぁ!

盗賊A

姉ちゃん、払えないなら身に付けてるもの全部置いていきな

盗賊A

盗賊A

殺さないだけありがてぇと思えよ、田舎育ちの豚が

田舎の村と都会の街との経済格差が大きなこの国で、村から都会へと出稼ぎに出る若者はだんだんと増えていた。

先祖の時代から不自由な暮らしをしてきた田舎の人々は、知恵に富んでいた。

そのため田舎からやって来た人々は瞬く間に富を得ていった。

しかし田舎で暮らす人々を馬鹿にしてきた都会人は、田舎の人々が成功するのを良く思わなかった。

その結果権力の乱用が頻発し、カネと力によって支配された都会では、田舎の人々は奴隷のように扱われていた。

リオ

っひぐ、えぐ

リオ

うっうっ…

リオ

(田舎でも嫌がらせはされたけど…)

リオ

(ここまででは、無かったな…)

リオ

せっかく、出てきたのにな

リオ

もう帰りたいだなんて、情けないなぁ、私…

ハルク

ハルク

こんにちは、お嬢さん

リオ

!!!!!

リオ

(綺麗な顔立ち…装飾された服)

リオ

(上流階級…?)

リオ

(でもこの人も、あの人たちと同じ都会人なんだよね…)

リオ

あ…え…と…あの

ハルク

ふふ、そんなに怖がらないで

ハルク

今日はあなたのものをもらいに来ました

リオ

リオ

え?わ、私何も持ってない…です

ハルク

何も、ですか?…ご冗談を

リオ

……

リオ

いや、あの、わ、私、怖い人に全部盗られて、本当にもう、なんにも…ひぐっ

ハルク

ハルク

笑ってください、リオ

ハルク

僕はあなたの笑顔がほしい

リオ

なんで…?私の、名前…

ハルク

(覚えて、ないか…)

ハルク

僕はハルク

ハルク

かつてあなたと同じ村に住み、苦楽を共にしたもの

ハルク

あの日の婚姻の約束…果たしに来ましたよ、リオ

サアァ…

リオ

ハル、ク

リオ

ぁ…わた…し

リオ

会いた…かった

リオ

会いたかったよぉ…!

ハルク

ハルク

泣き虫だな、リオは

ハルク

あのときと…全く変わらない

その少しくだけた口調は、あの日の情熱が蘇るようで

すっかり大人びてしまったけれど、その顔は私の知っている優しい顔になっていた。

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