王
ま、まさか…
王
そんな…
王は、自分の目が信じられなかった。
城門から黄国と紫国の兵士たちが、続々押し寄せてきたのだ。
この兵士たちは、橋と落とし穴の生き残りの兵士たちだった。
赤王
これでお前たちの勝ち目はなくなった。
赤王
どうみても、兵力は俺の方が上だ!
赤王
諦めて、降参したらどうだ?
王
くっ…
白夜
王様、もうしばらくお待ち下さい。
白夜
必ずや戦況は逆転しますので!
王
お前を信じている
王
しかし、ここからの逆転は難しいのではないのか?
白夜
大丈夫でございます。
色国VS赤国、黄国、紫国
戦いは、一昼夜続けられた。
傷つく兵士が増え、さすがの雷仁、風迅も疲れが見え始めた。
誰もが絶望しかけた。その時…
王の使者
王様、大変です!!
王
何事だ?
王の使者
青国の兵士がやって参りました。
王
な、何だと?
王
降参するしかないのか…
王
皆のために…
白夜
…
赤王
ようやく来たか、青国の兵士よ。
赤王
お前たちの王を殺した奴らが、目の前にいるぞ!
赤王
存分に戦え!
青国では、王が亡くなった為、王の信頼が厚かった青年が兵士を引き連れ、色国へとやってきたのだ。
青国の青年
遅くなり、申し訳ございません。
青国の青年
我が王のため、存分に戦わせていただきます!
赤王
頼むぞ!
青国の青年
よし!みな、戦えー!!!
この言葉を受け、青国の兵士たちは、一斉に赤国、黄国、紫国の兵士たちに襲いかかった!!
赤王
何をしている?
赤王
気でも狂ったか!
王
な、なぜ青国の兵士たちが、赤国たちの兵士たちと戦っているのだ?
白夜
これには、ある策略があるのです。
白夜
まず、事の詳細をしたためた文を青王の最も信頼している者へ送ったのです。
白夜
そして、赤王に味方する振りをして城に入り、戦況をみてこちらの味方になって欲しいとお願いしたのです。
王
そうであったか
王
やはり、青国は私を裏切ってなかったのだな
赤王
おのれー!!
そこへ青国の青年が刀を振りかざした
青国の青年
王のかたき!!
そう叫び、赤王に向け一刀を投じた。
戦争は終わった。
みな、それぞれの国へ帰って行った。
その後、各国の代表者が色国に集まって話し合いをした結果、色国の王が彩国全体の王として、統治することとなった。
王
皆の者、戦いご苦労であった
王
これからも、彩国のために、よろしく頼むぞ
真の王とは、欲にかられる事なく、部下を信頼し、民を思い慕われる、そんな王が、真の王である、と私は思う。