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泣きたいなんて言えない。

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泣きたいなんて言えない。

7 - 泣きたいなんて言えない。7

♥

60

2021年05月08日

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れい

皆さんまたお会いできて
嬉しいです!

れい

泣きたいなんて言えない。
7話目です!

??

俺をさっさと出せ!

れい

⁉︎なんで出てきて
るんですか⁉︎

れい

あっちょっと!

れい

どこいくんですか!

れい

では本編スタートです〜‼︎

トントン

………

総統室を出たトントンは綺麗に掃除 された廊下を足早に歩く。

時折部下とすれ違い、 「お疲れ様です!」と敬礼されるが、 それも目に入っていない。

トントン

(親を殺され
 殺した者を殺した
 少女) 

トントン

(やっぱりただ者や
 なかったんか)

トントン

(けど………)

トントンは足を止める。

トントン

(けど………例え本人
が望んだとしても)

トントン

(そんな大事なこと
 言えないほど……)

トントン

俺は………頼り
ないんか…………

トントンは手を固く握った。

シャオロン

『あ、あー。これ
 聞こえてるか?』

自室で軍服のシワ直しをしていた レイは耳に付けたインカムから 流れてきた声に手を止める。

シャオロン

『えっとー
 幹部塔内におる
 幹部は全員
 直ちに総統室に
 集まるように〜
 ……って総統様が
 言ってはるから
 皆、急ぎや〜』

コネシマ

『コネシマ了解‼︎』

ショッピ

『はぁ………
インカム
 ぶっ壊れるっすよ
 コネシマさん。
 あ、ショッピ了解
 っす』

『鬱了解!今行くで
 シャオちゃん!』

シャオロン

『大先生はちょっと
 キモいからくんな!』

『えぇ⁉︎』

シャオロンの声を号令に幹部達が わあわあと返事をし始める。

トントン

『………』

レイ

………?
レイ了解

いつも何かしらツッコミを入れる トントンが何も言わなかったことに 少し不審感を抱いたレイだったが、 それほど気にも止めず静かに返事を 返した。

レイ

さて………

??

………

レイが立ち上がった時、暗い廊下の 片隅で密かに笑った人物がいたことは レイおろか、この幹部塔内の誰一人 気付くことはなかった。

我々国防衛基地はその名の通り 国を防衛すると同時に、次代の兵を 育成する場所でもある。

そのため、国最高峰のカリキュラムが 組まれ、多種多様の施設がある。

その中でも最大規模を誇る 我々国防衛基地本部の最上階に 総統室はある。

そこに行くためにはエレベーターを 設置するのがめんどくさかった故…… いや上り下りすることで兵達の足腰を 鍛えるという兵士向上の精神故に設置された階段を通るか、本部に隣接する 幹部塔より繋がっている渡り廊下を 行くかの2つしか方法はない。

レイはそのひとつ、渡り廊下に向かう ために幹部塔の中央階段を 登っていた。

先程の連絡で幹部達は皆出払っている ようで、不気味とも感じ取れる 静けさがあった。

三階に繋がる階段に差し掛かった時、 レイは自然に体を止めた。

レイ

………⁉︎

レイ

何者ですか

レイは、足を止める原因となった "何者か"に声をかけた。

??

………

向こうは何も答えない。

レイ

(これは………
 総統とはまた
 違う………)

レイの手は既に腰元のナイフに 向かっている。

レイ

(圧倒的………
 強者の気配……!)

シャオロン

あれ………?

総統室で呼び出した幹部達の点呼を とっていたシャオロンは首を ひねった。

シャオロン

レイが居らへん

え?珍しいなぁ

ロボロ

時間厳守タイプ……って
いうか約束事厳守タイプ
なんやけどな

コネシマ

ん⁉︎なに⁉︎レイ
まだ来てへんの⁉︎
俺迎えにいこか⁉︎

ショッピ

いいです
コネシマさん。
ミイラ取りが
ミイラになるのが
見えてきます。

鬱とロボロが少し心配そうな顔を し、部屋から全力疾走して来たせいで 肩で息をしているにも関わらず もう一走りしようとするコネシマに ショッピがストップをかける。

エーミール

というか普通に
インカム使えば
いいんじゃ……

エーミールがこの場の収拾を つけようとしていると、

バタン‼︎

レイが勢いよく扉を開けた。

チーノ

あっレイ……ん⁉︎⁇

レイを見た幹部達は全員 フリーズした。

あっレイちゃ………
………んん⁉︎

ソファに深く腰掛け背を向けていた 鬱も振り向き、ワンテンポ遅れて フリーズする。

グルッペン

お、おいレイ……
………………

グルッペンもフリーズこそして いなかったが、声が震えている。

グルッペンが指差した先には、 まるでマンガのように体をロープで ぐるぐる巻きに縛られた緑パーカーの 男がいた。

男はフードを深く被り、目元は隠れて 見えない。

しかし、レイに引きずられても 何も言わない、というか動かない所を 見るとどうやら気絶しているようだ。

動揺する幹部達を尻目にレイは淡白に 答える。

レイ

幹部塔に不法侵入
していた者です。

レイ

とりあえず対処は
しましたが………

レイ

どうしますか、総統
この不敬な輩、
殺しますか。

幹部一同

………‼︎

幹部達はあっけに取られた。

さらっと死刑宣告をしたレイに……… ではなく!

気絶していたはずの男が縄を解き 立ち上がり、ナイフを構えていた からだ。

レイ

‼︎

気配を察知し右に身を流したレイの 耳に男のナイフがかすり、インカムが 床に落ちる。

レイ

こんなことだろうと
思ってましたよ。

レイは身をひるがえし、素早く 臨戦態勢を整えると得意の近距離戦に 持っていこうと一気に男との 距離を詰める。

急にギアを上げたレイに男は 意表をつかれ、それを見逃すまいと 振ったレイのナイフが右頬を切る。

ゾム

……!

男は自分の血が頬を伝っていることに 驚いたような顔をしたが、それは すぐに満面の笑みに変わった。

??

フハッ!

レイ

ッ‼︎

両者、互角といったところか。

激しいナイフの殴り合いが 続いていると、だんだんとその勝負のリングとなっている総統室に 被害が出始めた。

斬撃が降りかかってくる状態で攻撃を 防いでいたレイはグルッペンの 机の上に置いてある小さな白い箱に 目を止めた。

レイ

(あれは……!)

レイ

(あれは総統がわざわざ
 c国から取り寄せた
 最近話題の期間限定
 ロールケーキ‼︎
 このまま続けると
 総統のお楽しみを
 潰してしまう………!
 どうする………………
 そうだ‼︎)

レイがグルッペン大好き脳(少々 方向性の間違った)で 叩き出した答えは、

そうだ、窓突き破って外の 訓練場で続きやろう。

レイ

(近距離戦が臨める
 ここを捨てるのは
 惜しいけど総統の
 お楽しみには
 変えられない!)

レイ

(総統室も最上階って
 言っても8階だし!
 大丈夫!)

??

ぐえっ

全然大丈夫じゃない答えを導き出した レイはそれを実行するため、 男の襟首を掴み窓に勢いよく近づいて いく。

すると、

グルッペン

やめろ!

今までずっと黙っていた グルッペンが制止に入った。

グルッペン

やめるんだ!
手を離せ‼︎
………お前も
何してるんだ‼︎
ゾム‼︎

レイはその名前に聞き覚えがあった。

レイ

"ゾム"……⁉︎

ゾム

………

れい

はい!今回はここまでです!

れい

みなさん100タップお疲れ様
です!

れい

投稿めっちゃ空いて
申し訳ありませんでした‼︎

れい

では、また!

泣きたいなんて言えない。

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