テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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恋の終わりかた

第25話 - 第25話ゆれてどこまでつづくやら

2025年02月08日

#第4回テノコン

#恋愛シリーズ

#純愛

#恋愛

#創作

O乙(おづ)

ハルナ

い、いらっしゃいませ……

アキラ

はっ、ハルナ？！

アキラ

な、なんでここに……？

カヤ

(やっぱこの子……見たことあると思ったら……)

ハルナ

夏休みの間……毎年ここでバイトしてるんだ私……。

アキラ

そういえばそんなこと……。

アキラ

けど知らなかった……。

どうしよう。カヤもいる事だし店は他にもある。何よりもこの重たい空気に僕自身が耐えられなくなっていると、小声でカヤが話しかけてきた。

カヤ

(…別にいいよ、他探すの面倒だし気にしないで)

アキラ

(う、うん……。ありがとう。)

ハルナ

……？

アキラ

と、とりあえず3人で…。
ロッカーと、更衣室も貸してもらえるとありがたいんだけど…。

ハルナ

じゃあ、案内するね。

ハルナ

鍵は連番、3つ渡しておくから番号見て使ってね。

ハルナはそう言うと僕にロッカーの鍵を3つ渡してくれた。そのままハルナにロッカールームに案内された。カヤはバツが悪そうに僕の後ろに隠れるように着いてきた。

ハルナ

ここ、更衣室。空いてたら自由に使っていいよ。

ハルナ

シャワー室はそのすぐ横のとこ。ホントは１回ごとにお金貰ってるんだけど、知り合いだし最初の1回分の料金だけでいいから。

アキラ

え？そんな、悪いよ…。

ハルナ

いいよいいよ、気にしないで。

ハルナ

あ、浮き輪も預かるよ。
空気入れとくから、また声かけてね。

アキラ

あ、ありがとう…。

ハルナ

それじゃ、私はこれで。

ハルナ

また何かあったら受付まで声かけてくれたらいいから。

アキラ

うん…たすかるよ。

カヤ

あ、ありがとうございます…。

ハルナはカヤにぺこりとお辞儀をして受付に戻っていった。あんなことがあった後なのに意外とあっさりとしていたハルナの対応に僕の方が呆気に取られていた。

その後僕らはカケルと合流し、昼食を取りながらことのあらましをカケルに話した。

カケル

はっはっは！！！
なんだその偶然！！！

アキラ

しーっ！受付まで聞こえるってば！

カヤ

ほんっと、あたしもビックリしたよ…。

カケル

そういやカヤはアキラの元カノ会ったことあるんだっけか？

カヤ

会うっていうか…前に1度見かけて。
ね、アキラくん？？？

アキラ

……っ！
ごめんってば……。

カヤ

あはは！
いいのいいの！
もう気にしてないから。

カヤ

それよりも、ハルナちゃんが心配だよ…。

カヤ

あたし、なんか申し訳なくなっちゃった……。

カケル

それこそ、どっしり構えてろよ。

カケル

アキラはあたしのものよ〜なんつって笑

カヤ

もう！こっちは真剣なんだってば！

アキラ

あはは笑

カケル

ま、アキラもあんま気にすんなよ。

カケル

つっても無理だろうけど。

カケル

ま、それはそれとして楽しめばいいんじゃねぇか？

アキラ

……そうだね。

カケル

どれどれ、後で着替えついでに元カノの姿とやら拝みに行ってくるかな〜

カヤ

カケルほんとサイテー

カケル

……っ！
冗談だよ……。

アキラ

とりあえず、これ食べたら僕は着替えて浮き輪貰ってくるよ。

カヤ

あ、ありがと！
じゃあ、着替え終わったらビーチの方で集合しよっか！

カケル

あぁ、そうだな。

海、デート、ハルナ……。色んなことが重なり食欲どころじゃない僕は、頼んでいた素麺を無理やり口に流し込み、更衣室へ向かった。

一番に着替え終わった僕はコインロッカーに荷物を預け、受付へと向かった。

アキラ

ハルナ、浮き輪用意できてる？

ハルナ

うん、はいこれ。

ハルナ

あと、ロッカーの鍵良かったら預かるよ。

アキラ

あ、ありがとう

ハルナ

……。

アキラ

……。

さっきとは打って変わってハルナの表情はやはり明るいものでは無かった。重たい空気からさっさと逃げ出したいが、この後もこの受付に来る予定はあるんだ。更に重たい地獄は避けたかった。

ハルナ

……私

アキラ

…？

ハルナ

私、アキラ達が今日来るの知ってたんだよね。

アキラ

……どうして？

ハルナ

食堂であの女の子と話してるの、たまたま聞いちゃってさ……。

アキラ

あ、あぁ……。

ハルナ

あの子、なんでしょ？
前言ってた子……。

アキラ

う、うん……。

ハルナ

……。

ハルナ

勝てないかぁ笑

アキラ

……へ？

ハルナ

私だって、負けないくらい可愛いと思うんだけど……？

アキラ

なっ、何を……

ハルナ

ふふっ！
冗談だよ。
楽しんでね。

アキラ

……。

ハルナ

……。嘘だよ。

アキラ

……え？

ハルナ

楽しんで、なんて嘘。
私が今日アキラに会えたことだけでも嬉しいんだから、私だって楽しんでやるんだよ笑

そう言うとハルナは俺に耳打ちした

ハルナ

(私、今日18時で終わりなんだ。)

アキラ

……っ！

ハルナ

(だからその後……)

カヤ

アキラくーん！
浮き輪まだ〜？

遠くからのカヤが呼ぶ声にふっと我に返る。ハルナも慌てて浮き輪を僕に渡した。

ハルナ

じゃ、じゃあ！今度こそ、楽しんでね！

アキラ

あ、あぁ……。
ありがとう……。

ハルナから浮き輪を受け取り駆け足で僕はビーチへと向かった。

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