それは、真夏の暑い暑い日の事だった。 暖かい風になびく赤髪、透き通るように白い肌。 全てに目を奪われた。 僕の人生に、色がついたんだ。
青
僕はその日、授業を受けるのが嫌で、あの教室にいるのが嫌で、授業をサボって屋上に来ていた。 僕は学校でいじめを受けていた。 べつに物を隠されたり、そんなうざったらしい事はされない。 ただ、毎日殴られるだけ。 たったそれだけだけど、その頃の僕には耐えられないほど辛かった。 真夏ということもあって、屋上は日が当たっていて暑かった。 このまま飛び降りて死んでやろうか、なんて考えて手すりに足をかけてみる。
赤
後ろから急に声が聞こえたもんだから、誤って落ちそうになった。
赤
青
すごいどストレートに聞いてくるからちょっと戸惑ったけど、答えてあげた。
赤
青
赤
赤
なんだか両方ありえる気がするな。 特に生きなきゃいけない理由なんてものは僕にはない。
青
赤
赤
なにそれ。意味わかんない。
青
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赤
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…あれ、おかしいなぁ。 なんで、泣いてんだろ、。
赤
…こんなのって、ないよ。 もう、死んでやろうと思ったのに。 こんな温かさを知ってしまったら、死ねない、よ、。
赤
青
我に返ると僕はまだ屋上にいて、もう夕日が沈みかけていた。 いつの間にか寝てしまってたようで、赤髪のあの子はもう居なかった。
青
会いたい、なんて思った自分にびっくりする。 今までこんなこと思ったことなかったから。
青
赤
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青
赤
あれから僕は頻繁に屋上に行くようになった。 莉犬くんに会いたいから。 彼と話すと気持ちが楽になる。 楽しい。 生きていて良かったと、生きたいと思えるのだ。
青
赤
毎日のように授業をサボって、他愛もない話をして。 時にはアイスなんか買っていったこともあった。 君はふざけて言ってると思ってるかもしれないけど。 僕は本気だった。 世界が違って見えるのだ。 だけど。 神様は僕が幸せになる事を許してくれないみたいだった。 いつものように授業をサボって莉犬くんと話していると、屋上の扉が開いた。
先生
青
僕のクラスの担任の先生だった。 きっと毎日授業をサボっているから、叱りに来たんだろう。 あぁ、莉犬くんも怒られちゃうな。 なんて思ったけど、返ってきたのは思っていたのと180度違う言葉だった。
先生
青
先生
先生
まるで嘘なんかないような、真っ直ぐな目で僕を見つめて、先生は言った。
先生
先生
先生
先生
青
先生は目を伏せている。 …おかしい。おかしいんだ。 なんで。 莉犬くんに目を向けないの。 まるで見えてないような態度。 どうしてなの。
先生
先生
やめて。 嫌な予感がする。
先生
それ以上、言ったら、気づきたくないことに、気づいてしまうと、思った。
先生
青
青
先生
そう言って先生は学校に戻っていった。 なんで、なんで。どうして。
青
赤
赤
赤
不安そうに、瞳を揺らしながら彼は聞いてきた。 息が詰まる。 冷や汗が垂れてくる。 嘘だ。そんなの。 絶対に。
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嘘じゃない。 彼の目を見ればそれは分かった。 おかしいと思ってたんだ。 一緒に帰ろうと言っても、 テストが近いのに勉強は必要ないと言ったこと、 彼の方から、僕に触れてくれなかったこと。 全部、変だと思ったんだ。
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青
赤
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その瞬間、唇に触れた柔らかく、甘い感覚。 涙が溢れて止まらない。 心が痛いよ。
赤
青
青
気づくと僕は屋上にいた。 何をしたか、何をしにここに来たのか、全く覚えてない。 ただ、悲しかった。 どうしようもなく涙が溢れて止まらない。 心にぽっかり穴が空いてしまったみたいに、からっぽだった。
青
さっきまで色付いていた世界が真っ黒に、染まってしまったみたいだ。 こんな世界、いたくない。 会いたい。 誰か分からない。 頭に霧がかかっているように、なにも思い出せない。 気づくと、僕の足は手すりに向かって歩いていく。
青
君のところに。 𝕖𝕟𝕕 𓂃 𓈒𓏸 長いねぇええ。ほんとーに。長い。 エピソードタイトル適当につけたら変えれなくなった!!(´;ω;`) たはたら、とかいう奇妙な名前になりました…w
コメント
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初コメ失礼します🙇主様の作品最高です‼️