彼女争奪戦②

事件は会議室で起きるんじゃない

台所で起きるんだ

僕達は調味料

美味しいアンド可愛い食材のお供権をかけて日々バトルを繰り広げている

特に熱いのが目玉焼き🍳

お供権ランキングでは常に１位にいる僕、塩に目玉焼き🍳では絶対に負けない自信があったのに…

そう、ライバルが現れたんだ

不動の１位、万年１位、絶対１位の僕の前に

それは双子のP(ポン酢)とM(めんつゆ)。

彼らは、イケボでイケボで全ての食材に絡み付くイケボで、そしてイケボで…… とにかく、目玉焼きとなる卵達にすごく人気がある

そしてイケボな嫌味だから、ただの嫌味K(ケチャップ)は完全になりを潜めている

喚き続けるS君はとりあえず無視して話を続ける

S君の声が台所に木霊(こだま)した時、この家の住人達がやって来た

「今日目玉焼きでいいー？」「いいよー」 「何かける？ソース？」「えー、飽きた…」

「やっぱりめんつゆかポン酢かなー」

「じゃあめんつゆとポン酢でいいか」「うん」 …………… 「あ」

ガチャン

「ああああああっ」

「全ての調味料に聞いた、こんな最期は嫌だ」堂々の１位 ～床に落とされ、ゴミとして処分される～

「あああ、何してるの？」「ごめえん」「めんつゆとポン酢はダメだね」「そだね、じゃあ…」

「たまにはシンプルに塩にしようかな」