テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
1,272
紫倉 紫
81
ラムネ
25
沙奈
沙奈
放課後_ 親友の美結のクラスに駆け入ってそう言った
でも。。。返事は分かってる
美結
美結
沙奈
美結とは、小学3年生の頃に仲良くなって それからずっと一緒だった。
大きな喧嘩もしたことないし、 皆んなからも、美結と私は一緒にいて当たり前 みたいなイメージを持たれてたくらいだった。
そして、私もそう思ってた。 これから中学生になってもきっと美結と私は ずっと一緒だ、って。 その未来に不安なんてなくて 決められたものだと、当たり前だと思い込んで しまっていた。
そして やっと
今、散々思い知っている所なのだ。
当たり前などないのだと、 永遠なんてないのだと。
美結
沙奈
美結
沙奈
気付いたら、無我夢中で走っていた。
美結
沙奈
"どこ行くの" なんて私が聞きたいよ…
今までずっと一緒だったじゃん
ついさっきまでずっと一緒だったじゃん!
私が知ってる美結は どこに行っちゃったの?
なんて… 思ってる自分が嫌になる。 本当に変わっちゃったのは私なのかもね
前までは美結が他の子と仲良くしたって 何も思わなかった。 なのに今では、少し遊びを断られるくらいで 美結に酷い態度を取ってしまっている。
美結は私と居ないほうがいい。 そして私も美結といないほうがいい。
これ以上私がどこかにいく前に__
沙奈
さっきから涙が止まらない
勝手に怒ったのも、勝手に逃げ出したのも 全部私なのに
美結が追いかけてきてることを分かってて 振り返らず走ったのも 私なのに…
虚しくなっちゃってるんだ。
美結がいなくなったら 私1人だ、って。
本当に、自分はどこまで自分勝手なのだろうか。
その時 薄暗い階段の先に扉があることに 気づいた。 少し開いたままで、その間から向こうを 覗いてみると、青空が見えた。
屋上だ。 ていうか、普通に考えたら屋上しかないか。 ここ4階だし。
沙奈
そうだ!!
私なんて居ないほうがいいんだ!
どうせ誰からも必要とされてないんだし
美結とのことも分かんなくなってきちゃったし
死んじゃお
死んであげよう!
駆け足で屋上に向かった。
放課後、美結のクラスに入った時よりもずっと 軽い足取りで屋上に駆け入った。
…
沙奈
そういえば、入学してから一度も屋上に 来たことがなかった。
まあ、まだ入学して1ヶ月も経ってないし 当たり前だけど。
沙奈
美結といるあの時間がまだ続いてたなら きっと今この時も当たり前に美結と話していた だろうし、死のうとなんてしていなかった と思う
沙奈
やっぱり私? それとも美結?
沙奈
沙奈
今、この瞬間から見える景色は どこも綺麗に思えた。
少し錆びたフェンスも、どれも綺麗に見えた。
特に何の特徴もない、この中途半端な田舎の景色も
全部全部どこの何にも負けないくらい。
フェンスの網の間に、足のつま先をかけた。
そして、フェンスの手すりを握って 少し前のめりになってみた。
ヘソの上から全部フェンスよりも外に出た状態。
けど、何も怖くなかった。 なんならそのまま手を離してしまおうかと思った。
今からここにある道は真っ赤に染まっちゃうんだ。
もしかしたら、少し飛び散って運動場の 砂にかかっちゃうかも。
先生たち、片付けは頼んだよ。
沙奈
中々、「またね」 が出ない
早く言ってしまいたい。 早く逝ってしまいたい、と思うのに。
そして、 喉につっかえた言葉をなんとか口に出した。
沙奈
バサッ__
想真
ガッ……
鈍い音が響いた___
コメント
1件
うわ…読了しました。重い…でもすごく伝わってくるものがありました。 沙奈の「当たり前」って言葉が何度も出てくるのが切なかったな。ずっと一緒だった親友との関係が変わっていくもどかしさと、自分勝手だって自覚しながら止められない感情。あの屋上での「死んじゃお」って軽さが逆に怖かったです。最後の「またね」と「バサッ」で一気に現実に引き戻される感じ…続きが気になります。