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#らんこさ
鬱月
920
こりん
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鶏そぼろ
83,976
3,415
ある家に
幸せそうな家族が住んでいました
頭がいい父親
力が強い母親
動物と話せる長男
未来視の次女
この家族は、 町からも「仲がいいと」よく言われていた
ある日
父親が言いました
「もう食料がない」と
この家は貧しかったのです
全員、優しい心をもっているだけでした
かしこい父親は
未来視である次女を働かせ
動物と話せる長男を、 凶暴なクマがいるというウワサの森に、 食料調達に行かせました。
その晩、長男は帰ってきませんでした
次女は、きっとクマに食べられたのだと 泣き崩れます
だが、おかしい
次女は未来視なのに、 何故それに気づけなかったのか
次女は、嘘をついていたのではないかと
賢い父親は気づいてしまいました
そして、父親は母親がよく使っている斧を
実の娘である次女の頭に
斧を振り下ろしました
未来が読めない次女は
父親が自分を殺そうとしていることに、 まっなく気づかず
あっけなく死んでしまいました
父親は、母親に「兄を探しに行くと言った娘が帰ってこない」と言いました
息子も娘も消えてしまった母親は
毎日、泣いていました
だが、落ち込んでいる暇はない
食料を手に入れなければ
そう思い、斧をもってイノシシがりに 向かおうとしたその時
斧が血で錆びていることに気づきました
母親は気づいてしまったのです
あいつが殺した…と
母親はそのまま父親のところに向かい
後ろから斧を下ろし
腕もばらばらに
今夜のディナーは
久しぶりのステーキでした
数時間後
ようやく船酔いも治まり、 重かった頭もすっきりしてきた
illma
軽く背伸びをして客室を出る
船内は思っていた以上に広く、レストランや売店、ラウンジなど様々な施設が並んでいた。
歩いていると、ひときわ賑やかな一角が目に入る
illma
あにさま!またとりかえっこしよ?
あにさまぁぁっ!
ここからだしてよぉぉ!
くらいよぉぉ!
いやだよぉぉ!
あにさまぁぁぁっ、!!
illma
illma
suti
hima
illma
illma
hima
hima
illma
illma
hima
illma
そう、今
船に乗って、日本に向かっている
信者たちには、適当に誤魔化しといたが…
hima
たったったったっ
illma
船の揺れと、さっき聞かされた 猟奇的な昔話が頭の中で混ざり合い、 胃がひっくり返るような感覚に襲われる
illma
illma
illma
コツコツコツ…
illma
色とりどりの照明がきらめき、スロットやカードゲームを楽しむ人たちの笑い声が響いていた
illma
ガッッッシャーーーン!
illma
派手に何かが壊れる音が船内に響き渡る
illma
「ひ、ひぃぃぃ!こいつ、女みてーな顔しといて力つえー!」
illma
たったったったっ
人だかりをかき分けた先には、案の定
真っ赤な瞳をしたナツの身体で、 一人の男を見下ろすヒマの姿があった
男は床に尻もちをつき、 周囲には壊れた椅子やテーブルが散乱している
hima
hima
hima
illma
hima
hima
illma
hima
hima
illma
hima
ヒマはナツの胸にそっと手を添え、 大切な宝物を守るように撫でる
hima
hima
hima
illma
illma
illma
illma
illma
illma
illma
illma
illma
illma
illma
illma
男は悔しそうに歯を食いしばる
その様子を見ていたヒマが、小さく笑った
hima
hima
hima
ヒマの指先に、小さな炎が灯る
その淡い火は揺らめきながらも、 不気味な熱を帯びていた
ヒマは炎を弄びながら、冷ややかに口角を上げた
hima
hima
男は半泣きになりながら、何度も頭を下げる。
hima
hima
illma
illma
illma
illma
hima
illma
illma
illma
hima
illma
数時間後
長かった船旅を終え、 ゆっくりと船が港へと接岸する。
北海道に到着致しました
船内アナウンスが流れた
ヒマは再び眠りにつき、 身体の主導権はナツへと戻っていた
natsu
ゆっくりと瞼を開けたナツは、小さく伸びをする
illma
natsu
natsu
illma
natsu
illma
natsu
illma
illma
natsu
二人は船を降りる
潮風が頬を撫で、広い港には 大型フェリーや貨物船が並んでいた
natsu
natsu
きらきらと目を輝かせながら、 港の景色を夢中で眺める姿は
さっきまで暴れ回っていたヒマと同じ身体とは 思えないほど穏やかだった
illma
illma
natsu
返事はしたものの、ナツは 名残惜しそうに港を見つめている
illma
illma
illma
natsu
その一言で、ナツの表情がぱっと明るくなった
illma
natsu
長い列車旅を終え、俺たちは函館駅へと降り立った
異国情緒の残る街並みを抜け、坂道を上り続ける
やがて、住宅街の奥に ひときわ大きな屋敷が姿を現した
illma
natsu
ナツは静かに屋敷を見上げた
ここには、俺が十五歳の頃に 世話になった人たちが住んでいる。
堕天使について学ぶため、 この屋敷へ何度も足を運んだ
知識だけじゃない
力の制御も、対処法も、 人として大切なことも、全部ここで教わった
それに
ナツからもらった、大切なお守り
俺が誤って壊してしまったあの日も、 この屋敷の住人たちが元通りに直してくれた
俺にとって、第二の帰る場所のような家だった
コンコン
illma
ガチャ
mikoto
illma
mikoto
illma
mikoto
illma
illma
突然話を振られたナツは、 一瞬だけ戸惑ったように目を瞬かせる
それでも姿勢を正し、丁寧に一礼した
natsu
少し緊張した声だった
その様子を見たミコトは目を丸くし、 次の瞬間には満面の笑みを浮かべる
mikoto
mikoto
mikoto
natsu
illma
俺が辺りを見回しながら尋ねると、 ミコトは「ああ」と思い出したように頷いた
mikoto
mikoto
2人
illma
その一言に反応したのは、俺だけではなかった
隣にいたナツも、小さく息を呑み、表情を強張らせる
ミコトはそんな俺たちを見て、慌てて両手を振った
mikoto
mikoto
mikoto
illma
illma
illma
mikoto
illma
hima
まだ少し緊張した様子で頷き、 俺の後ろを小さな足取りでついてくる
その姿を見ていたミコトが、ふと笑顔を浮かべた
mikoto
hima
mikoto
mikoto
natsu
こつこつ…
スゥ…
視界に広がった光景は、 俺が昔訪れた時と何一つ変わっていなかった。
広々とした畳敷きの部屋
障子から柔らかな夕日が差し込み、 床の間には季節の花が飾られている
木の温もりを感じる柱や梁
フランスでは見ることのない、 日本ならではの空間だった
natsu
隣から、小さな感嘆の声が聞こえる
ナツは目を大きく見開き、 部屋の隅々まで見渡していた
その赤い瞳は、宝石のようにきらきらと輝いている
natsu
言葉にならないほど感動しているらしい
ミコトはその反応を見て、嬉しそうに笑った
mikoto
natsu
natsu
畳へ視線を落とし、 障子、襖、床の間へと順番に目を向ける
natsu
natsu
mikoto
mikoto
natsu
mikoto
mikoto
mikoto
natsu
mikoto
mikoto
illma
mikoto
natsu
すたすた…
ミコトに案内され、廊下をさらに奥へ進む
ひとつの部屋の前で立ち止まると、 襖の向こうから賑やかな声が聞こえてきた
「やだー!和菓子が食べたいの!」
「えー、この野菜も嫌いナノ?」
「コサメちゃんは野菜全般が苦手で、ごめんね?」
「エェ…」
聞き慣れないやり取りに、俺は思わず足を止める
illma
mikoto
mikoto
スゥ…
illma
kosame
広い和室の中央では、一人の少年が 座布団の上でぷくっと頬を膨らませていた
淡い水色の髪
どこか人間離れした雰囲気
目の前には色とりどりの野菜料理が並んでいるが、 少年は露骨に顔をしかめている
kosame
子どものように駄々をこねる姿に対し、 その隣では緑色の髪をした青年が 困ったように笑っていた。
suti
kosame
lan
落ち着いた声で諭すが、 水色の髪の少年は首をぶんぶんと横に振るばかりだ
kosame
illma
mikoto
mikoto
mikoto
mikoto
mikoto
mikoto
mikoto
natsu
lan
部屋の奥にいたランが俺たちに気づき、 穏やかな笑みを浮かべながら手を振った
lan
illma
lan
ランは困ったように肩をすくめた
lan
視線の先では、コサメが野菜を じっと睨みながら頬を膨らませている
kosame
lan
kosame
lan
kosame
lan
illma
lan
natsu
illma
ナツは部屋の中央を見つめたまま固まっていた
瞳を大きく見開き、小刻みに肩を震わせている
その視線の先にいたのは
緑色の髪の青年、すち
natsu
たっ)
illma
俺が止める間もなく、ナツはすちへ飛びつく
ぎゅっ)
suti
突然のことに、すちは目を丸くする
suti
illma
natsu
ナツは顔を埋めたまま、 堰を切ったように涙を零した。
natsu
natsu
natsu
ぽろ、ぽろ、と涙が畳へ落ちていく
幼い子どものように泣きじゃくるナツを見て、 部屋中が静まり返った。
illma
illma
illma
suti
illma
illma
ナツの瞳は少し深く、暗い紅
対して、すちの瞳はわずかに明るい紅色
色味は違えど、その双眸は紛れもなく 同じ血を分けた者の証だった
natsu
涙を拭ったナツは、それでも嬉しそうに笑った
natsu
suti
suti
ほんの一瞬だけ、すちの瞳から光が消えた
その変化を見逃したのは、無邪気なナツだけだった
illma
illma
illma
illma
natsu
natsu
suti
natsu
suti
natsu
suti
natsu
natsu
suti
natsu
suti
natsu
illma
suti
suti
natsu
natsu
natsu
suti
すちは悲しそうに目を細めた
suti
natsu
suti
suti
natsu
suti
suti
natsu
suti
suti
suti
suti
natsu
suti
illma
natsu
suti
illma
natsu
suti
natsu
natsu
natsu
natsu
natsu
natsu
natsu
natsu
natsu
たったったっ
suti
すちが思わず手を伸ばす
しかし、その指先は虚しく空を切った
illma
俺も反射的に後を追おうとする
その時だった
kosame
illma
場違いなほど軽い声が聞こえた
振り返ると、コサメがいつの間にか 串団子を頬張っていた
もぐもぐと咀嚼しながら、まるで他人事のように呟く
kosame
lan
kosame
kosame
団子を口に運びながら、無邪気な笑みを浮かべる
kosame
kosame
natsu
俺は屋敷の中庭に置かれた 赤いベンチへ座り、一人で泣いていた
夕暮れの風が木々を揺らし、 葉擦れの音だけが静かに響く
涙を拭っても、また溢れてくる
natsu
何年も、何年も会いたかった
ずっと探していた
やっと会えたのに
natsu
俺は、兄さまと喧嘩なんて一度もしたことがなかった
いつだって優しく
いつだって笑ってくれて
俺のことを一番大切にしてくれた人
そんな兄さまに、あんな酷いことを言ってしまった
natsu
suti
natsu
natsu
そこには、息を切らした兄さまが立っていた
きっと、ここまで走って来てくれたんだ
natsu
natsu
俺は立ち上がると、そのまま兄さまへ飛びついた
さっき、自分から突き放したばかりなのに
suti
兄さまは驚きながらも、優しく抱き止めてくれる
温かい
懐かしい
忘れたことなんて、一度もなかった温もり
suti
suti
natsu
suti
natsu
natsu
natsu
兄さまは少し目を丸くしたあと、ふっと優しく笑った
suti
suti
suti
natsu
natsu
ぽろぽろと涙を零しながら、 俺はもう一度兄さまへ抱きついた
あの後
ナツは、すちと一緒に部屋へ戻ってきた
泣き腫らしたのだろう
赤くなった目元を隠そうともせず、 俺たち一人ひとりへ頭を下げる
「ご迷惑をおかけして、ごめんなさい」
と
何度も「ごめんなさい」と繰り返す姿に、 誰も責める者はいなかった
そのまま夜になり、皆で大広間へ集まる
畳の上には人数分の座布団が並べられ、 湯気の立つ料理が所狭しと並んでいた
焼き魚、味噌汁や煮物…
そして炊き立ての白米
どれも日本らしい献立だ
全員で手を合わせ、夕食が始まる
illma
床に座るのも、箸を使うのも少しぎこちなかったが、何度か動かすうちに身体が感覚を思い出していく。
illma
そう思いながら、ふと隣を見る
natsu
ナツは背筋を伸ばし、静かに箸を動かしていた
魚の身を綺麗にほぐし、小鉢を片手で支えながら、 一口ずつ丁寧に口へ運ぶ
その所作には無駄がない
まるで長年、 日本で暮らしてきたかのような自然さだった
mikoto
そう言いながら、隣で空になった茶碗へご飯をよそう
mikoto
lan
illma
illma
illma
lan
lan
kosame
kosame
lan
suti
illma
suti
suti
illma
すちは「ありがとう」と小さく微笑み、 俺たちは誰にも気づかれないよう、 そっと大広間を後にした。
illma
illma
俺は廊下の窓際にもたれながら、 すちへ視線を向けた。
障子越しに聞こえる笑い声
大広間では、まだ賑やかな夕食が続いている
それとは対照的に、 この廊下には静かな空気が流れていた
suti
すちは少し俯いたまま、言葉を探すように息を吐く。
やがて、ちいさく口を開いた
suti
suti
suti
illma
illma
suti
suti
illma
suti
すちは自分の赤い瞳をそっと指さした
suti
suti
suti
suti
suti
illma
suti
illma
suti
suti
その光景を思い出したのか、すちは小さく笑った
suti
笑顔がすっと消えた
suti
suti
suti
illma
suti
suti
illma
suti
suti
俺の脳裏に、ナツの柔らかな髪色が浮かぶ
あれは、生まれつきではなかったのか
illma
何も言えない
すると、すちはゆっくり俺を見た
その赤い瞳が、真っ直ぐ俺を射抜く
suti
suti
suti
illma
illma
illma
illma
illma
illma
suti
suti
illma
suti
suti
illma
illma
suti
suti
suti
illma
突然、頭を激しい痛みが貫いた
両手で頭を押さえる
illma
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