はぁ………
お風呂から上がって、部屋に入るなりそのままベッドにダイブする。
今日は、本当にいろいろありすぎた。
昨日までなんの関わりもなかった桃先輩と、こんなことになるなんて……。
『今は、まだ我慢する。でも、どんな手を使っても、俺のこと好きにさせてみせる。』
先輩に言われた言葉をふと思い出して、途端に顔が熱くなった。
あんなこと言われて、ドキドキしないほうがおかしい。
真剣に考えるって言ったんだから、俺も向き合わなきゃ。
でも、向き合うってどういうことだろう。
桃先輩の気持ちも、受け入れるってこと?
そ、それはまだ分からないけど…先輩を好きになりたいって、思った。
ピコンッーーー。
赤
わっ、びっくりした。
赤
………って、桃先輩から?
画面に映し出された【桃】という文字。
なんてタイミング………。あはは
桃
今日はありがと。
桃
赤って昼飯どこで食べてる?
お昼ご飯?
どうしてだろう。
不思議に思いながらも、返信を送る。
赤
教室で友達と食べてます
お昼休みはいつも、黄くんと2人で食べてる。
桃
嫌じゃなかったらなんだけどさ、明日から一緒に食べない?
……え?
桃
屋上で。友達も一緒で構わないから。
ど、どうしよう…
赤
ちょっと友達に聞いてみてもいいですか?
予想外のお誘いに、とりあえずそう返した。
黄くんは嫌だとは言わないだろうけど、聞かずに勝手に決めるのはダメだ。
不思議と、断るという選択肢はなかった。
急いで、黄くんにメッセージを送る。
赤
黄くん、明日から桃先輩も一緒にご飯食べていい?
一瞬で既読になったかと思うと、瞬く間に返信がきた。
黄
何それ!!全然オッケー!!
『ありがとう!』のスタンプを返し、また桃先輩のトーク画面に戻る。
『オッケー貰えました』と伝えると、『よかった』という返事がきた
桃
それじゃあ昼休みに屋上集合でいい?
桃
俺も一人友達連れてく
桃先輩の友達…どんな人だろ
赤
分かりました!
桃
楽しみにしてる
その一言に、胸がどきりと高鳴った。
桃先輩って、直球だなぁ。
ストレートに自分の感情を伝えてくる桃先輩に、この時からすでに振り回されていたと気づくのは、もう少し先のお話。
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