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翌日。四時間目の終わりを告げるチャイムが、校内に響き渡った。

黄くん、屋上行こっか

お弁当を持って黄くんに声をかける。

朝から気合いの入った様子の黄くんは、ゆっくりと立ち上がって言った。

ついに来た、いざ決戦の時!

決戦って、あはは…

すぅー、はぁ………と深呼吸を繰り返している黄くんと一緒に、屋上へと向かう。

そういえば、屋上に行くの初めてだなぁ。

うちの高校は珍しく立ち入り禁止ではないけれど、屋上は先輩たちのものというイメージがあり、下級生はあまり使わない。

だから、ちょっとドキドキする。

あー、緊張してきたぁ!

隣の黄くんは、俺とは違う意味でドキドキしてるみたい。

もう来てるかな?桃先輩たち…

授業終わるの遅れちゃったし、俺達のほうが先ってことはないかな?

ゆつくりと屋上の扉を開ける。

ふわりと風が吹いた。

………あっ

扉を開けた先に、奥のベンチに座る桃先輩と、1人の男子生徒の姿を見つけた。

桃先輩も俺達に気づいて、こちらを向く。

赤、こっち 

そう言って手招きしてくる桃先輩に、こくりと頷いた。

……う、うそ

ん?

隣から聞こえた、黄くんの声。

困惑しているような声色に、首をかしげる。

黄くん?

固まっちゃって、どうしたんだろう。

あ、あお………あああ、青せんぱ…

……え?青先輩?

黄くんの視線をたどると、そこには桃先輩…ではなく、どうやら桃先輩の隣に座っている男の人にむけられているようだった。

そういえば……。

『ま、僕はクール系はタイプじゃないけどね?』

『青先輩のほうが断然好みだし!』

って言ってたような……

もしかして、桃先輩の隣にいる人が青先輩なの?

あれ?僕のこと知ってるの?

うれしーな

スッと立ち上がって、笑顔で近づいてくるその人は、どうやら本当に青先輩らしい。

ほ、ほほほ、ほんもの!

ふふっ、なんか僕、芸能人みたい。

本物だよー

気さくな人なのか、青先輩は「よろしくね」と微笑んで、黄くんの手を握った。

黄くんの目がハートになってる!

あ、君が赤くんだよね。

初めまして、僕は白川青。

いつも桃がお世話になってます

俺の方に視線を向け、にっこりと微笑んでくれた青先輩。

黄くんが力説してたけど、たしかに優しそうな人だなぁ。

なんていうか、桃先輩とはまた違った爽やかなオーラを纏っている人だ。

今時の髪型に制服の着こなし。

女の子から好かれる要素をぎゅっと詰め込んだような外見。

計算しつくされたような笑顔は、まわりにキラキラが飛んでいるように見える。

黄くんが絶賛していたものも納得だった。

初めまして、小森赤です。

ぺこりと頭を下げ、俺も自己紹介する。

ちらりと隣の黄くんを見ると、青先輩を見つめながらうっとりした様子で固まっている。

え、えっと、彼は俺の親友で…

と、ととと、富里、る、黄です…

ふふっ、りょーかい。

これからよろしくね、赤くん黄くん

か、かっこいい…

黄くん、完全に恋する乙女だ

赤、座ってて

黙って俺達のやりとりを聞いていた桃先輩が、しびれを切らした様子で口を開いた。

自分の隣をポンッと叩いて、俺に目で訴えてくる。

は、はい!

こくりと頷いて、慌てて桃先輩のほうへと駆け寄った。

隣に座ると、桃先輩は満足げに微笑む。

食べよ

そうですね

あ、桃先輩はパンなんだ。

メロンパンをもぐもぐ食べる桃先輩が、なんだか可愛い。

一方で、未だに青先輩に見とれて固まっている黄くん。

よっぽどうれしかったんだろうなぁ。

青先輩が、黄くんを見て苦笑いを浮かべている。

黄くん、戻ってきて!

……ハッ!

あはは、戻ってきてくれてよかった。

僕らも昼飯食べようか。

は、ははははい!

こちらの世界に戻ってきた黄くんと青先輩も、隣のベンチに座ってようやく4人でお昼ご飯を食べ始めた。

それにしても、桃が自分から人を誘うなんてびっくり

サンドイッチを頬張りながら、「今世紀最大の事件よ」と独り言のように言った青先輩。

……うるせー、

キッと睨む桃先輩にも動じず、青先輩はニヤニヤと口角を緩めながら俺の方を見てきた。

いやでもほんと、まじでビビったよ僕。

今日もさ、普段僕に頼み事なんてしてこないのに、「頼むから一緒に来てくれ」って切羽詰まった顔で言ってくんだもん。

赤くん愛されてんね?

………、そ、そうだったの?

桃先輩が、頼んでまで…

素直にうれしい。

お前…まじで黙って

ふふっ、はーい

きっと今、俺、顔が赤くなってる。

桃先輩のほうを見ることが出来ない。

でも、黙っていたら不自然だよね…

その後も屋上には、賑やかな時間が流れた。

桃先輩と青先輩のやりとりを、黄くんといっしょに笑いながら見ていた。

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