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月曜日の朝
町田くんの目が、どこか落ち着かなかった
風林 燐音(かざばやし りんね)
話しかけても、視線を合わせてくれない
町田 琉依(まちだ るい)
短く返してそれっきり
風林 燐音(かざばやし りんね)
そう思ったけど、聞けないまま1日が過ぎていった
放課後、いつものように帰り支度をしていると、
町田くんが、教室のドアの前で私を待っていた
町田 琉依(まちだ るい)
風林 燐音(かざばやし りんね)
風林 燐音(かざばやし りんね)
今日の沈黙は、いつもより重たかった
しばらくして、町田くんがボソッと呟いた
町田 琉依(まちだ るい)
風林 燐音(かざばやし りんね)
町田 琉依(まちだ るい)
風林 燐音(かざばやし りんね)
一瞬で空気が張り詰めた
風林 燐音(かざばやし りんね)
町田 琉依(まちだ るい)
そう言って町田くんは目を逸らした
町田 琉依(まちだ るい)
風林 燐音(かざばやし りんね)
町田 琉依(まちだ るい)
町田 琉依(まちだ るい)
風林 燐音(かざばやし りんね)
町田くんは少し耳を赤くしながら言った
町田 琉依(まちだ るい)
風林 燐音(かざばやし りんね)
目が合った
嘘みたいに真っ直ぐで、逃げ場のない視線だった
町田 琉依(まちだ るい)
風林 燐音(かざばやし りんね)
町田 琉依(まちだ るい)
私の心臓が、また音を立て始める
ずっと自分の中で育ってきた気持ちが、目の前で言葉になって、私の胸に触れてきた
風林 燐音(かざばやし りんね)
私がそう言うと、町田くんは驚いたように目を開いた
町田 琉依(まちだ るい)
風林 燐音(かざばやし りんね)
2人の間に風が吹いた
それでも、空気は昨日よりもずっと暖かくて
少しだけ...何かが始まりそうな気がした
【蓮翔 視点】
駅前の歩道橋の上、待ち合わせより5分早く着いた俺は
反対側からゆっくり歩いてくる、燐音の姿を見つけた
溝口 蓮翔(みぞぐち れんと)
だけど俺が手を上げた時、その笑顔はなんとなく『よそいき』みたいだった
風林 燐音(かざばやし りんね)
溝口 蓮翔(みぞぐち れんと)
俺達はたわいのない話を続けた
小学校の行事、隣に住んでたおばあちゃんの話
懐かしい笑い声が、何度もこぼれた
溝口 蓮翔(みぞぐち れんと)
でもその度に、ふと燐音の視線が遠くなる
今、俺の横にいるのに。心だけは、どこか別の場所にあるみたいだ
溝口 蓮翔(みぞぐち れんと)
俺は勇気を出して、ふと問いかけた
溝口 蓮翔(みぞぐち れんと)
風林 燐音(かざばやし りんね)
燐音はすぐに目を逸らした
風林 燐音(かざばやし りんね)
溝口 蓮翔(みぞぐち れんと)
燐音は答えなかったけど、その沈黙が答えだった
溝口 蓮翔(みぞぐち れんと)
強がるように笑ったけど、心が冷えていくのが分かった
溝口 蓮翔(みぞぐち れんと)
溝口 蓮翔(みぞぐち れんと)
燐音はゆっくり顔を上げて、真っ直ぐに俺を見た
風林 燐音(かざばやし りんね)
風林 燐音(かざばやし りんね)
溝口 蓮翔(みぞぐち れんと)
その声は優しかった。だからこそ、痛かった
蓮翔の言葉は暖かくて、でも優しすぎて
胸が締めつけられるようだった
私は町田くんが好きなんだって、改めて自分の中で確信していた
溝口 蓮翔(みぞぐち れんと)
蓮翔が、小さな箱を取り出した
風林 燐音(かざばやし りんね)
開けると、中にはあの『壊れたオルゴール』が入っていた
溝口 蓮翔(みぞぐち れんと)
溝口 蓮翔(みぞぐち れんと)
風林 燐音(かざばやし りんね)
蓋を開けると、音がちゃんと鳴った
あの時聞かなかった旋律が、少し遅れて胸に届いてくる
でも私はもう、それに恋はしない
風林 燐音(かざばやし りんね)
蓮翔は小さく頷いて、寂しそうに笑った
溝口 蓮翔(みぞぐち れんと)
溝口 蓮翔(みぞぐち れんと)
風林 燐音(かざばやし りんね)
その言葉が、心の中に優しく残った
帰り道、ふとスマホが震えた
風林 燐音(かざばやし りんね)
風林 燐音(かざばやし りんね)
『少しだけ会えない?』
風林 燐音(かざばやし りんね)
少しだけでも、「会いたい」って思ってくれてるのが
今の私には...堪らなく嬉しかった