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ましゅの短編シリーズ

第16話 - 図書館にいる君に、恋をしました。

2,534

2019年09月29日

#短編

#恋愛

#ホラー

ましゅ

1人でいることは何よりも好きだった。

そうしたら、害も受けない。

ねえ、それが正解でしょ？

ー図書館ー

新橋亜美

あ、このシリーズの本最新作だ！

私は新橋亜美。14歳。

本が大好きな特に目立たない地味っ子キャラ。

毎日、飽きない図書館に足を運んでいる。

新橋亜美

…んしょ…んん…届かない…。

ｽｯ

新橋亜美

あ、ありがとうございます。

椎葉涼

あ、大丈夫。

新橋亜美

……あ、椎葉さん？

彼は椎葉涼さん。

彼も私と同じであんまり目立っているタイプではなく

一人で本を読んでいる謎キャラ。。。

椎葉涼

……ねえ、新橋さんもこの本のシリーズ好きなの？

新橋亜美

……え。

新橋亜美

はい。このシリーズに出てくる主人公の活躍ぶりがすごくて。

椎葉涼

それ！すっごいわかる！かっこいよね！

新橋亜美

……え。

椎葉涼

もっと話そうよ。本のこと。

椎葉涼

僕、本好きのこと話してみたかったんだ。

新橋亜美

(……意見を共有してくるなんて…)

これって初めて…。

新橋亜美

……っ。

新橋亜美

私も、もっと話したい。本好きの人と。

椎葉涼

……うん！

椎葉涼

僕、この本も好きなんだよね…これ。

新橋亜美

あ！それ、すっごくわかる！

嬉しい。

本を読むことは日常茶飯事だったのに。

こんなに楽しい昼休みは、初めてです。

ー次の日ー教室

ｶﾞﾗ

椎葉涼

あ、新橋さん。おはよ。

新橋亜美

…椎葉くん、おはよう。

新橋亜美

それ、面白いよね！私もその本好きなんだ！

椎葉涼

え、ほんと？嬉しい！

椎葉涼

あ、今度この本貸してあげるね。

新橋亜美

あ、うん！ありがとう…！

人と話すことが、こんなに楽しいだなんて。

人生でこんな経験ありません…！

クラスメイトの女子

……。

あれから私たちは

図書館や教室を通して

好きな本の会話をするようになった。

連絡先を聞いてLINEでもしたり

どんどん意見を共有していくこと、話すことがすごく嬉しくて

やがて、「好き」になった。

こんな思いをするだなんて、人生初めてだ。

自分が椎葉くんをすぎていていいのかなと思うときもある。

でも、好きでいてもいいのかな。

そう思いながら、私は今日も図書館を目指す。

新橋亜美

椎葉くん、いるかな…？

今日は椎葉くんが借りたいと言っていた本を持ってきた。

椎葉くん、喜んでくれるかな。

クラスメイトの女子

新橋さん。

新橋亜美

……はい？

あの人…私のクラスの人……

クラスメイトの女子

私さぁ…椎葉くんのことが好きなんだよねぇ。

新橋亜美

え？

クラスメイトの女子

それでさぁ、新橋さん、よく椎葉くんとお話しするじゃん。

新橋亜美

は、はい。

クラスメイトの女子

うち、恋を実現したいから

クラスメイトの女子

もう、図書館に来ないでくれる？

新橋亜美

……え。

新橋亜美

なん…

クラスメイトの女子

だってぇ…あんたが邪魔なのよ。

クラスメイトの女子

これじゃ椎葉くん、あんたにつきまとうじゃない。

クラスメイトの女子

そーゆーのうざいんだよね。

クラスメイトの女子

……もし、また図書館に来たら…わかるよね？

新橋亜美

っっ…！

クラスメイトの女子

ね、傷つきたくなかったらもう来ないでよね！

クラスメイトの女子

椎葉くんが話しかけられても無視しろよ！

クラスメイトの女子

そうしないと…手加減しねぇからな。

クラスメイトの女子

キャハハ！それじゃあね！

ｱﾊﾊﾊﾊﾊﾊ!!

パタパタ

新橋亜美

……っ。

新橋亜美

どうして……。

これ以上、傷つくのは嫌だ。

ー中学生の時ー

クラスメイトの女子

あんたさー本読んでばっかで気持ち悪いんだよ！

新橋亜美

え…。

クラスメイトの女子2

わかる〜真面目っぽさ出してるつもり？

クラスメイトの女子2

つまんないから！www。

新橋亜美

え、そういうつもりじゃ…。

クラスメイトの女子

えーなになに〜？

新橋亜美

やめて！本返して！

クラスメイトの女子2

うるせぇよ！

ｶﾞｼ

新橋亜美

いたっ…。

クラスメイトの女子

なぁにこれぇ…つまんな！！！

ﾋﾞﾘﾋﾞﾘﾋﾞﾘ

新橋亜美

やめて！

新橋亜美

本を破らないで！

クラスメイトの女子2

うるせぇよ！少しは黙れ！

新橋亜美

きゃあっ…！

ﾋﾞﾘﾋﾞﾘﾋﾞﾘﾋﾞﾘ

ﾄﾞｻ

新橋亜美

あっ…。

クラスメイトの女子

つまんないから捨てておいた！

クラスメイトの女子2

あははは！

クラスメイトの女子

感謝してよね〜！

新橋亜美

………ひどいよ。

新橋亜美

これはおばあちゃんから貰った大切な本なのに…。

あの日、私は深い傷を負った。

もうこれ以上、人と関わることもいじめられることも嫌だ。

そうして、私はクラスで孤立する人生を決めたのだ。

図書館に行ったら…また痛い目に遭わされる？

……嫌だ。もう傷つきたくない。

ごめん、ごめんなさい、椎葉くん。

椎葉涼

新橋さん。

新橋亜美

っ……。

椎葉涼

どうしたの？なんで図書館に来なかったの？

新橋亜美

………あ。

クラスメイトの女子

………。

ﾄﾞｸﾝ

新橋亜美

な、何でもないから！

ﾊﾟﾀﾊﾟﾀﾊﾟﾀﾊﾟﾀ

椎葉涼

え…。

クラスメイトの女子

んふふ…

ー放課後ー

クラスメイトの女子

ね〜！カラオケいこ！

クラスメイトの女子2

あーいーね！いこいこ！

新橋亜美

……。

今なら…図書館に行ける？

そうだ。

ｷｭｷｭ

新橋亜美

……よし。

これでもう、伝えるんだ。

椎葉くんのことが、好きだったってこと。

この恋は、もう諦めるしかないだ。

新橋亜美

…行こう。

新橋亜美

し、失礼します……。

新橋亜美

……椎葉くん？椎葉くん…。

ｶﾞﾗ

新橋亜美

あ、椎葉くん…

クラスメイトの女子

なーにしてるの？

新橋亜美

っ！？

新橋亜美

どうして…カラオケに行ったはずじゃ…？

クラスメイトの女子

バーカ。あんなの気を紛らわすだけだよ。

クラスメイトの女子

そんな独り言言ったら、あんたは図書館に行くかどうか検証してたの。

新橋亜美

っ…！？

どうしよう、もう逃げられない…。

クラスメイトの女子

ルール反則ね…。

クラスメイトの女子

罰として……。あんたを殴ってあげる！

新橋亜美

き

新橋亜美

きゃあああああああ！

ｶﾞｯｺﾞｯｶﾞｯ

クラスメイトの女子

あははは！

…私は、椎葉くんに恋する権利はないの？

こんなの酷すぎる…

椎葉涼

…なにしてるの？

新橋亜美

え……。

クラスメイトの女子

な！椎葉くん！？

椎葉涼

お前…なにしてるんだよ…

クラスメイトの女子

あ、や、これは……あの……。

椎葉涼

……これ以上、新橋さんをいじめるな。

椎葉涼

二度と図書館にくるな！

クラスメイトの女子

っ……！

クラスメイトの女子

な、なによ！？もう知らないわ！

ﾊﾟﾀﾊﾟﾀ

新橋亜美

……。

椎葉涼

新橋さん…大丈夫？

新橋亜美

っ…うん。

椎葉涼

新橋さん、何かあった？大丈夫？

椎葉涼

ずっと僕のことを無視してたから……。

新橋亜美

っ、ごめんなさい！ごめんなさい！

新橋亜美

……これ。

新橋亜美

椎葉くんが読みたいって言ってた本…。

椎葉涼

……ありがとう。

ﾋﾟﾗ

椎葉涼

…あ、何か落ちた。

好きです。

椎葉涼

……え？

新橋亜美

これが、今の、私の、気持ち。

新橋亜美

……ごめん、迷惑だよね。

椎葉涼

……。

椎葉涼

これ、あげる。

新橋亜美

……え。

新橋亜美

なにこれ…あ、私が読みたいって言ってた本……。

僕も、好き。

新橋亜美

っ…！？

椎葉涼

俺も、同じ気持ちだから。

新橋亜美

っ…！

新橋亜美

ありがとう！嬉しい！

椎葉涼

……新橋さん。

椎葉涼

いや、亜美。

椎葉涼

これからも、一緒に本のこと話そ？

新橋亜美

…うん！もちろんだよ！

新橋亜美

ありがとう！涼…。

私たちの始まりは

恋が閉じている一冊の本から。

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((꜆꜄•௰•)꜆꜄꜆»♡ ﾎﾟﾁﾎﾟﾁ…

すごく良かったです！とても良い作品ですね^_^

この素敵なお話、参考にしてもいいですか？

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