桃乃
桃乃
桃乃
桃乃
桃乃
毎日が辛かった。他の生徒からは劣等生と呼ばれ、出来損ないと呼ばれ、唯一の家族である兄様も僕に冷たい態度を取るようになった。
勿論、自分が悪いのは分かってる。何度も落第しかけている僕とは違って兄様はこの世界の頂点に立つ神覚者。僕とは天と地の差がある。
僕は自分なりに頑張っているつもりだけど、どうしても出来なかった。それが辛くて、悲しくて、一人になると人目のつかないところで泣くようになった。
それは高等部に進学した今も変わらない。
現在の時刻は深夜十一時。生徒全員が寝静まっている中、僕は校内にある森に来ていた。そこで星を見るのが、僕にとっての心の癒しだからだ。
フィン
小さい頃に、兄様から家族四人で天体観測をしたことがある、という話を聞いたことがあった。当時、僕は二歳だったので全く覚えていないが、あの時見た星もきっとこんなふうに綺麗だったのだろう。
時々思ってしまうことがある。もしお父さんとお母さんが生きていたら、兄様は神覚者になんかならずに、今も家族四人で仲良く過ごせていたんじゃないかと・・・。
フィン
フィン
???
フィン
突然、後ろから声が聞こえた。
フィン
フィン
そう言って後ろを振り返ると、そこには一人の女性が立っていた。
エルター
そう言いながら、女性はフードを取った。顔には兄様と同じように両頬に一本線のアザがあり、何よりとても綺麗な瞳をしていた。右目はサファイアのような澄んだ青色で、左目は金色に輝いており、まるで夜空に浮かぶ星のようだった。
フィン
エルター
そう言われて、話そうか少し迷ったけど、この人なら話してもいいのではないかと思い、話すことにした。
エルター
フィン
エルター
フィン
エルター
フィン
エルター
フィン
エルター
フィン
エルター
フィン
エルター
フィン
エルター
フィン
エルター
フィン
エルター
フィン
エルター
フィン
エルター
フィン
そのペンダントには、大きな星のチャームに、小さなサファイアとトパーズがついていた。
エルター
そう言って、エルターさんは箒に乗って飛んでいった。
フィン
僕はペンダントを強く握り締めた。興奮が止まらなかった。だって、叶うはずがないと思っていた願いを、叶えてくれる人がいたのだから。
フィン
翌日、フィン・エイムズが失踪したという知らせが、学校中に知れ渡った。
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