あっこだ。
沁
え、ここ?
沁
広いだけで何もねぇじゃんか。
あっこ見てみろ。
小さい船が止まってんだろ。
あっこに家が建ってる。
誠治
沁〜!!
沁
あ、兄ちゃ〜ん!!
誠治
久々だな!(笑
誠治
元気してたか?
沁
元気だよ!
誠治
でも、字も読めねぇお前がどうやってここまで来たんだ?
沁
あ、さっき会った奴が、、、
沁
あれ?
沁
あいつ、いなくなってる。
誠治
まぁ、そんなことより
誠治
こっち来いよ!
誠治
ボロいけど、なかなかいい所だろ!
沁
うん!
誠治
そんじゃ、本題に入るか。
誠治
これが伏狩り令だ。
沁
そういえば、来る時に伏の晒し首があった。
誠治
見たのか。
誠治
なら話は早い。
誠治
あと一匹。
誠治
首を取った者には大量の金貨が渡される。
誠治
沁、やれるよな?
沁
勿論だよ!
沁
兄ちゃんとなら2匹なんて瞬殺だよ!
誠治
そうだな!
誠治
伏の特徴だが。
誠治
まず、鋭い牙がある。
誠治
それと、体のどこかに青い薔薇の痣がある。
沁
青い薔薇、。
沁
なんで青い薔薇なの?
誠治
さぁ。
誠治
でも、青い薔薇ってのは珍しいからな。
沁
そうなんだ。
誠治
早速だが。
誠治
明日っから伏探しだ!
沁
どこに行くんだ?
誠治
吉原だ!
沁
よし、、わら?
誠治
そ!
誠治
男にとっちゃ天国だな!
誠治
女は立ち入れねぇからな
誠治
お前には男の格好してもらう
沁
男、。
誠治
今日は早く寝て明日に備えろよ!
沁
了解!
次の日
誠治
ついたぞ。
誠治
ここが江戸吉原だ。
沁
全部が全部でけぇな。
誠治
いいか、何があっても女ってバレんじゃねぇぞ!
沁
わかってるよ!
沁
にしてもでけぇな、、。
沁
わぁ✨
花魁
ちょっとあんた。
花魁
いい男だねぇ!
花魁
あたしと一緒にどうだい?
花魁
何言ってんだい!
花魁
あたしとだよ!
花魁
あたしが先に見つけたんだよ!
花魁
あんたが横取りしたんだろ!
花魁
なんて失礼な!
花魁
失礼はどっちだい?
はいはい、そこまでだぞ。
花魁
なんだい、あんたか。
花魁
あんたには用はないよ。
花魁
さっさとどっか行きな!
出来ればそうしたいけどね。
そいつ、俺の女だ。
沁
え、。
花魁
女?
花魁
何言ってるんだい?
だーかーらー。
そいつは女だって。
花魁
ま、なんて悪趣味な奴だ!
花魁
そんな格好してあたし達に近寄って!
花魁
さっさと散んな!
沁、行こうか。
沁
え、?
沁
ちょ、お前!
しッ。
口に指を当てる
沁
なんで俺の名前!
手紙に書いてあったろ。
沁
あ、、。
会わせたい奴がいる。
沁
俺に?
そっ。
ついてこい。
珠乃、いるか?
珠乃
何よ、またあんた?
珠乃
悪いけど今日は休みなの。
まぁ、そんなこと言わずにさ。
今日は客を連れてきた。
沁
はじめまして。
珠乃
何?男?
珠乃
うちは女の子しか着付けしないから。
こいつは女だよ。
珠乃
は?
珠乃
どう見ても女じゃないのよ。
男の格好してるんだよ。
珠乃
あっそ。
珠乃
で、どうして欲しいの?
沁
え、?
珠乃
私に着付けを頼むってことは綺麗になりたいって事でしょ?
沁
え、あ、違う!
沁
俺はこいつに!
そいつに合うものはないか?
沁
え、ちょ。
珠乃
そうね。
珠乃
明るい色でいいんじゃない?
珠乃
あ、そういえば!
珠乃
最近いいのが入ったのよ。
珠乃
これよ。
沁
青い薔薇、。
珠乃
じゃ、今から着付けするから。
珠乃
あんた上に居て。
え?
珠乃
え?じゃないわよ。
珠乃
さっさと行って。
はいはい。
沁
あ、あの。
沁
俺、こんなの似合わない。
珠乃
そんなの着てみないと分からないでしょ。
沁
でも。
珠乃
いいから。
珠乃
あいつ、あんな奴だけど。
珠乃
案外優しいところもあるんだよ。
沁
え、。
珠乃
口悪くて、無愛想で、怒らせたら厄介だけど。
珠乃
根は優しいし、仲間思いだし。
沁
俺、あいつな名前知らない。
珠乃
知らないの?!
沁
そんなに驚くなよ。
珠乃
あんたらどんな仲なの?
沁
昨日知り合った。
珠乃
はぁ?
珠乃
そんな奴と一緒にいたの?
沁
まぁ。
珠乃
あんたバカね。
沁
うるせぇ。
珠乃
名前は自分で聞きなさい。
珠乃
まぁ、名乗ってくれるかはわからないけどね。
沁
え?
珠乃
まぁ、頑張ってね。