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目が覚めると知らない場所にいた
福
福
福
カツ、カツ、と誰かの足音がした
福
紬
福
福
紬
福
紬
紬
福
紬
福
そのとき、 またビュオオオと嵐のような風が家中を覆った
紬
鬼神
鬼神は無言で荒々しく家に入ってきた
鬼神
鬼神は採ってきた鳥やウサギを無造作に渡した
紬
鬼神
鬼神はフイッと背を向けて自室に籠もってしまった
福
紬
福
鬼神
隣の部屋から声がした
福
紬
お福は応接間で待たされていた
福
紬
福
紬
福
??
福
??
紬
福
福
??
紬
福
紬
鬼神
鬼神はすでに席に着いていた
紬
鬼神
紬
鬼神
紬
福
お福はそっと鬼神から離れたところへ座った
鬼神
福
グイッと手を引っ張られ 鬼神の隣にされた
福
そしてまた鬼神はお福に手を伸ばした
福
お福は目を閉じた
福
頬に固くて冷たい何かが触れていた
福
鬼神の手だった
福
鬼神
福
福
鬼神の部屋
紬
鬼神
紬
鬼神
紬
紬
鬼神
紬
鬼神
鬼神
紬
??
鬼神
鬼神はギロリと物の怪を睨んだ
??
物の怪はどこかへ消えてしまった
紬
紬
鬼神
鬼神
鬼神
福
福
?
遠くから誰かの声がした
?
福
福
福
お福の存在に気づく様子はなかった
福
幼い頃のお福は そこら中を探し回っている
福
福
福
福
福
福
そのとき、ガサッと物音がした
鬼神
福
福
鬼神
福
幼い福はケラケラと笑った
鬼神
福
鬼神
鬼神はギラギラとした目で福を見た
福
福は真っ直ぐ鬼神を見つめ返した
鬼神
福
福はそっと鬼神の頬に手をやった
鬼神
福
鬼神
鬼神は福の手を振り払わなかった
福
鬼神
翌日
福
紬
紬
福
お福は疲れがとれたのか 柔らかく微笑んだ
紬
紬
福
福
紬
紬
福
紬
お福は不安に満ちた表情で 紬に打ち明けた
福
福
紬
紬
福
紬
福
紬
紬
福
お福はふわっと笑った
紬は満足気に頷き、言った
紬
福
鬼神
福
鬼神
福
鬼神
福
鬼神
福
福はうつむいた
鬼神
鬼神
鬼神
福
紬
紬
鬼神
鬼神は辺りをみまわした
紬
鬼神
紬
福
焦げた焼き魚が並んでいる
鬼神
福
福
福
紬
鬼神は黙って席に着いて 黙々と飯を食べた
鬼神
福
福
福
鬼神
鬼神
福
鬼神
結局鬼神は全て平らげてしまった
福
鬼神
紬
福
鬼神
福
鬼神
福
鬼神
紬
鬼神
紬
鬼神
福
トン、トン、とお福の足音が家に響く
福
ゆらっと障子に影が映った
鬼神
障子が空いてろうそくがお福の顔を照らす
鬼神
鬼神はどっかりと座っていた
福
福
鬼神
福
鬼神
福
鬼神
鬼神
鬼神
鬼神
鬼神
鬼神
鬼神
鬼神
鬼神は優しくお福を見つめた
しかしそれはどこか寂しげな目だった
福
福
福
鬼神
お福はハッとした
福
福
鬼神
鬼神
鬼神は目を細めた
鬼神
福
福
鬼神の瞳の色からつけた名前だった
福
福
鬼神
鬼神
福
お福は微笑んだ
鬼神
福
鬼神は顔をそらした
福
福
福
福
グイッ
福
鬼神
福
鬼神
鬼神はなおも 鋭い目つきでお福を見た
「離れるな」と語り掛けるように
福
鬼神は福の肩に頭を乗せた
鬼神
福
鬼神は満足げに笑った
その夜は一晩中 二人で昔のことを語った
昨日まであれほど恐ろしかった鬼神はお福の中で愛しい存在に変わっていった
それからというもの
お福はよく笑うようになった
福
紬
紬
福
紬
紬
福
紬
福
福
福
福
鬼神
鬼神の寝室から声がした
紬
お福は顔を赤らめた
福
紬
福
紬
鬼神の部屋
鬼神
福
鬼神は福の袖を引っ張った
鬼神
福
福
鬼神
鬼神様は顔をそらした
福
福は鬼神の頬を 掴んで自分の方へ向けた
福
無様にも耳まで赤くなった鬼神が上目遣いでこちらを見ていた
鬼神
福
福は鬼神の頭を撫でて笑いかけた
紬
福
紬
紬
鬼神
福
鬼神
別の日
福
福
紬
紬
紬
福
福
紬は難しい顔をして頷いた
福
紬
紬
福
福
紬
福
福
福
すでにお福の吐く息は白く
赤くなった手に吹きかけた
福
そのとき、 後ろから温かく大きな体が 自分に覆い被さった
福
鬼神
福
鬼神は福の手を握った
鬼神
福
鬼神
福
鬼神
鬼神はクックックと笑った
福
鬼神は福の顔を弄んだ
鬼神
鬼神は意地悪気な笑みを浮かべる
福
福
福
ある夜
福
鬼神
福
鬼神
福
鬼神
福
鬼神は時々胸が締め付けられるような悲しい顔をした
福
福
鬼神の顔に手を添えた
鬼神
鬼神はその手を握って目を閉じた
鬼神
鬼神
鬼神
福
鬼神
鬼神
鬼神
鬼神は優しく福を抱き締めた
福
福
福
福
鬼神
二人はそのまま眠りに落ちた
鳥の囀る声
風が頬を掠める
日は暖かく森を見守った
福
紬
紬
紬
福
紬
福
福
福
福
福
福
福
福
福
福
福
そのとき
ビュオオオ
突風がお福を襲った
福
思わず目を瞑った
そして
ゆっくり目を開けると
福
見覚えのある顔が2つ
福
父
母
父
父
父は目に涙を浮かべた
福
福
福
父
福
母
父
父は福の腕を強く引っ張った
福
父
父
福
母
福
二人はぐんぐんお福を引っ張った
福
福は父の手を振り払った
福
その瞬間
バチンッ
福
父
福
福は何度も殴られ 無理やり連れて帰えられた
福
父
母
福
福
父
母
母
父
母
福
母
母
母
母
母
母
福
福
その瞬間
ビュオオオ
家中が風で揺れる
福
父
鬼神
鬼神は低い声で唸る
福
父はバンッと玄関口を開け
何かを投げつけた
父
父
父が持ち出したのは鰯の頭だった
福
鬼神
父
鬼神は父を睨みつけた
父
すると
鬼神は地面に手をついた
福
鬼神
父
鬼神は土下座をした
鬼神
福
握った拳からは血が滴る
福
父
父
父
鬼神
父は鬼神にある種を渡した
父
父
それは炒り豆だった
福
鬼神はすぐに豆持ち、去っていった
母
母
母
父と母は顔を見合わせて笑った
福
お福は崩れ落ちた
その夜二人の夫婦の笑い声と一人の娘のむせび泣く声が、 村に響き渡った
家に帰った鬼神は
庭に豆を蒔いて
周りが止めるのも聞かず
ずっと芽が出るのを待った
春が過ぎて
暑い夏になって
秋が過ぎた頃
鬼神はとうとう倒れてしまった
薄れる意識の中
たった一人の
愛する人の笑顔を思い出しながら
彼は深い眠りについた
終わり