告白しても、いいですか？

大丈夫。大丈夫。

そう胸に言いつけてばくばくしている気持ちをぎゅっと抑える。

伝えなきゃ。

私が本当に好きな人に向けてー…。

あれから体調が良くなった私は、桐生さんの部屋を後に学校に向かった。

ちゃんと置き手紙を残して。

不意にそう思った。

あの日ー…つーくんを突き放したまま私たちは終わってしまった。

今日、何か言われるのかな。

そう思うと、緊張してきた。

言葉って、不思議だ。

人を傷つける言葉もあれば。

さっきみたいに、私を救い出してくれる言葉もある。

私はもう、迷わない。

自分の気持ちを全身全霊で伝えてやる。

教室の本館と旧校舎につながる渡り廊下を通る。

その時

ｶﾞｼ

恋は

関係を崩したり

狂ってるかもしれない。

それでも私は、信じていたいんだ。

全速力でスピードを上げ

大好きな人の元へ走る。

だって、今なら

あのふた文字を言えるチャンスなんだから。

目の前に、彼の顔が見える。

私は、全身の酸素を集めて

元気な声で

ﾎﾟｽ

大好きな人の温もり

全身から伝わる。

勇気を出して。

そんな声が聞こえた。

私が言う言葉は

「好き」

ではない。

好きの予行練習だ。

今までありがとうございました。

これで最終回です！