⚠︎nmmn注意⚠︎ ⚠︎キャラ崩壊注意⚠︎ ⚠︎誤字脱字注意⚠︎ ⚠︎神様パロ⚠︎
主
主
主
小さなお願いごと
朝の食卓が終わり、皿を片付けたあと。
六奏神社にはいつもの穏やかな時間が流れていた。
風の神・すちは、巫女装束に身を包み、境内を竹箒で掃いていた。
白と緑色の巫女装束。
本来なら白と緋色の組み合わせのそれは、女性が着るものだが、人々に気づかれないためには“もっとも神社らしい姿”がいちばんよかった。
本人も、もう慣れてしまっている。
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すちが箒を動かすたび、落ち葉がさらさらと音を立てる。
風の神である彼が軽く意識するだけで、風は柔らかく舞い、葉は自然と集まっていく。
そんなとき――階段のほうから、ぱたぱた、と小さな足音が聞こえてきた。
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顔を上げると、小学三、四年生くらいの男の子が、息を弾ませながら階段を駆け上がってくる。
その後ろには、少し困ったような表情のお母さんらしき女性が続いていた。
男の子はすちを見ると、キラキラした目で駆け寄ってきた。
すちは思わず優しい笑顔でしゃがみこむ。
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すちは微笑んで答える。
その“すっごい神様”って俺たちのことなんだけどね……
お母さんが息を整えながら言う。
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すちがそう言うと、男の子はぱっと母の方へ向き直り、
お母さんは困ったように笑いながらも、財布から五円玉を取り出して渡した。
男の子はそれを受け取ると、賽銭箱に向かって一直線に走っていく。
そして、ぺこっ、と丁寧にお辞儀をしてから、
五円玉を投入し、胸を張って声を上げた。
2礼、2拍手、1礼。
小さな体で精一杯の祈りだった。
なるほど……“テストかぁ”
なら、らんらんの力が適任かな
男の子は満足げに大きく頷くと、かけ足ですちのほうへ戻ってきた。
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男の子は元気いっぱいに手を振って、また階段へ駆けていく。
お母さんもすちに頭を下げ、急ぎ足でその後を追った。
姿が見えなくなるまで見送ったあと、すちはふぅ、と一息つく。
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境内の空を見上げると、陽光に照らされた屋根の上で――白い兎が、丸くなって日向ぼっこしていた。
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すちが手を口元に添えて呼ぶと、屋根の上の兎がぴょこ、と耳を動かした。
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気だるげな声が、兎の姿のまま聞こえてくる。
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らんは前足で顔をこすりながら、ぷるぷるっと身震いした。
その瞬間、白い光がふっと舞い――
ぽん、と軽い音と共に、兎から人の姿へ変わった。
――正確には、耳と尻尾は兎のままの人の姿。
黒に桃色の前髪が陽光を受けて柔らかく光り、桃色の瞳にはかすかな眠気が残っている。
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らんは屋根の上で正座をし、手を合わせて祈る。
指先に小さな星屑のような光が集まり、静かに揺れ始めた。
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目を開けると、らんは満足げに頷き、そのままごろりと寝転んだ。
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すちが笑いながら手を振ると、らんは再び白い光に包まれ――ぽん、と音を立てて兎の姿に戻り、ぽすんと屋根の上で丸くなった。
すちは苦笑しながら、境内の掃除に戻る。
けれど、胸の奥はほんのり温かかった。
……あの男の子、帰り道で転ばないといいな
らんらんなら、そこもちゃんと守ってくれそうだけど
ふと、風がひゅう、と通り抜ける。
境内の桜の葉を揺らし、竹箒の先にも触れていった。
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すちは軽く風を操り、落ち葉をさらさらと一箇所に集める。
主
コメント
2件
最高でした✨️ らんくんがのんびりキャラなのめっちゃかわいい💕 続き楽しみにしてます!!!
神ですね、、お気に入りの作品です!!