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屋上のフェンス越しに呆然と水平線を見つめる少年がいた
女A
女B
女A
少年は笑ってやった
ならもう少しここにいてやろうと思った
チャイムが鳴った
放送
倉持 健
倉持 健
少年はフェンスに触れた
倉持 健
母
少年は慌てて口の中にある米を噛み
母親の質問に答えた
倉持 健
倉持 健
母
少年はスマホを開き
ある電話番号を打った
少年は番号を見つめたま寝落ちした
朝起きて、少年は酷い吐き気に襲われた
朝だから何も出てこない
余計に辛い
朝食
食欲がない
無理やり口の中に詰め込む
喉へ流し込む
吐きそうになる
家を出る
無理やり足を前に出す
学校へと向かわせる
涙が出そうになるのを堪えている
溢れてきた
赤信号だ
急に足が軽くなる
必死に止める
青になる
足が重くなる
無理矢理動かす
学校に着く
朝練の準備をする
男A
倉持 健
男A
倉持 健
先生
倉持 健
先生
先生
倉持 健
朝練が終わった
教室に入る
先生に挨拶する
荷物をまとめてロッカーの中へ入れる
本を読む
授業が始まる
知りたくもない知識を頭に叩き込まれる
僕は逃げる
ノートに絵を描く
思ったことを言葉にしてみる
先生にバレそうになる
慌てて隠す
急に息が出来なくなる
踠いている
苦しくなる
治った
放課後
部活の時間だ
吐き気に襲われる
体と心が行くなと訴えている
それでも行く
苦しい
足が重い
男B
男B
倉持 健
男B
倉持 健
男B
倉持 健
倉持 健
部活が終わった
男B
倉持 健
男B
倉持 健
男B
倉持 健
急に胸が苦しくなる
下を向く
言葉に出来るはずの感情が言葉に出来なくなる
口をつむぐ
涙が溢れてくる
涙の理由もわからない
もう知らない
家に着いた
親に心配されないように
精一杯の元気な声で
倉持 健
母
自分の部屋に着く
生きている気がしない
もしや霊になっていて、誰にも見えていないのではないか?
机に目を向ける
カッターがあった
息が上がる
皮膚に付ける
切ってみる
痛い
痛みを感じる
生きている
僕は生きている
血が出てきた
生きている
僕は生きている
夕食
最近何を食べても味がしない
母
不意に聞かれた
言い訳を考える
わざと飲み込むのを遅くする
倉持 健
倉持 健
母
風呂に入る
倉持 健
もっと切りたいと思った
倉持 健
倉持 健
一週間とたたないうちに足は傷だらけになった
たまに深く切ってしまうことがあった
その時のために絆創膏を持ち歩くようになった
そろそろ高い場所も怖くなくなってきた
母
倉持 健
今、少年は危ない
間違った言葉を掛ければ
少年はすぐに死を選ぶだろう
男B
倉持 健
男B
息が出来なくなる
倉持 健
休み時間、部活の先生に会った
先生
倉持 健
先生
倉持 健
先生と僕がすれ違った瞬間、屋上に向かった
どうやら先客が居たようだ
少女は戸惑った
少年はフェンスを乗り越えて少女の隣に来た
倉持 健
水平線を見つめて少年が言った
少女は何も答えなかった
倉持 健
長い沈黙の末、少女が答えた
倉持 健
倉持 健
倉持 健
倉持 健
倉持 健
倉持 健
倉持 健
少年は頷いた
倉持 健
倉持 健
倉持 健
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