負けヒーロー(ヒロイン)は、振られることに慣れています

小学校の頃からだったかな。

それとももっと前からだったかな。

俺には恋は向いてないって自覚したのは。

仲良い女の子の事が好きで、俺のものにしたいって思った。

でも、その子には他に好きな男の子が居た。

この時の俺にはまだ恋のことは分からなくて、知らずに告白した。

頑張って告白した。

照れながら、顔を赤く染めながら、その子に告白した。

その時は辛かったんだと思う。

泣きたかったんだと思う。

苦しいなって。

その後ヒロインちゃんはその好きな男子と付き合っていた。

その時の俺は泣いてばっかだった。

分からなかった。なんで振られたのか。

俺の何がダメだったのか。

また、中学で恋をした。

初恋の人と同じ可愛い系の女の子。

行動も、声も性格も可愛い人だった。

この時に気付いた。

俺は、ずっと振られてばっかだって。

報われないんだって。

俺は女の子でも、男の子でもいけたから、男の子にも告白した。

キモがられて、最後には嘘だと言って笑って終わる。

女の子も男の子でも俺は報われない身体なんだって気付いた。

そしたら、なんだか恋愛に何も感じなくなった。

恋はするものの、振られても泣かなくなり、次の日にはどうでもいいようになっている。

だから今回も早く告白して、早くヒー・ローくんと付き合って欲しい。

早く振ってくれ。

ね？こうなるって分かってるんだよ。

だから俺は泣かないし、悲しくもない。

恋なんて...出来っこないのに。

なんでテツくんの前だと涙が出てくるんだろう。

慣れてるはずなのに。

大丈夫なはずなのに。

テツくんが優しくするから。

甘えていいって言うから。

大好きになりそう。

嫌だなぁ。テツくんだけには振られたくない。

次の日。

好きになってごめんね。