主
主
主
主
主
主
主
主
りうらside
俺はりうら
普通の高校生だ
目立ちたくないので 前髪は目にかかるほど伸ばし、 瓶底眼鏡を掛けている
当たり前だがシャツのボタンも 第一ボタンまで閉め、 ネクタイもキッチリ締めている
先生
りうら
今日もつまらない授業が 早く終わることを願う
これが終われば昼休みになる
さっきからお腹が空いて 仕方がないのだ
キーンコーンカーンコーン
先生
やっと授業が終わった
一気に肩の力が抜ける
りうら
体を伸ばすとポキポキと 関節が音を立てる
長時間同じ姿勢だったからだろう
教科書類を机に突っ込み、 鞄から弁当と水筒を取り出す
りうら
そして俺はいつもの場所へ向かった
ここは旧校舎の校舎裏
旧校舎にはほとんど 人が来ないし、 特に校舎裏なんて 余程の物好き以外来ない
りうら
りうら
誰にも邪魔されずに ゆっくり食事できる
この時間が学校生活の中で 一番の幸せだ
りうら
今日も母が作ってくれた 弁当を頬張る
愛情がこもっていて安心する味だ
ダッダッダッ
りうら
突然誰かが走っている音が聞こえた
しかもどんどん近づいてきている気がする
いふ
いふ
いきなり走ってきた青髪の人は 壁に手をつきながら息を切らしている
どうやらこの人が さっきの足音の元凶らしい
いふ
いふ
りうら
至福の時間を 邪魔されるのは不服だが、 困っていそうなので 追い返すことはできない
そもそもそんな勇気は到底ない
いふ
いふ
りうら
隣に座ってきた彼は どうやら先輩らしい
俺は部活にも入っていないので 先輩とまともに話す機会なんて ないため緊張する
いふ
りうら
いふ
メロンパンを頬張る先輩は チャラそうな見た目だが 意外と優しい
何より先輩だからと言って 威張ったりせず 対等に接してくれている
不思議な感覚だ
りうら
いふ
りうら
いふ
もしかしなくても 先輩はとてもモテる様だ
確かにさっきまで緊張して 顔をしっかり見れていなかったが かなりのイケメンだ
パッチリとした目にスッと通った鼻筋
おまけに高身長でスタイル抜群
こんな地味な俺にも 優しく接してくれる
そりゃあモテて当然だ
いふ
りうら
いふ
いふ
りうら
一人が良かったはずなのに 気がついたら俺は承諾していた
先輩ともっと話していたいと思った
こんな感覚初めてだった
あれから二人で昼休みを 過ごすことが日常となった
すっかり打ち解けて 今ではタメ口だ
お互いのこともあだ名と 呼び捨てで呼ぶようになった
ねぇ、どういうことなの?
どこで食べようと俺の自由やん?
そういうこと言ってるんじゃなくてッ!!
りうら
なんだか嫌な予感がした
いつもまろとご飯を 食べている場所から聞こえた 複数の女子の怒る声と 困っていそうなまろの声
りうら
りうら
気がついたら俺は 走り出していた
息を整えながら 柱の影に隠れて 様子をうかがう
女子の先輩1
女子の先輩2
いふ
まろは女子二人に詰め寄られて 困っていそうだ
リボンの色を見るに まろと同学年のようだ
女子の先輩1
女子の先輩2
あ、逢引きって…()
とっくに絶滅した 言葉かと思っていた
女子の先輩1
いふ
先輩に怒鳴られるように 言われても何も答えないまろ
唇を噛み締めて悔しそうだ
きっと俺のことを 庇ってくれているんだろう
俺が巻き込まれないように…
りうら
なんだか許せなかった
自分だけ犠牲になろうとするまろも 何もできない自分に対しても
女子の先輩2
いふ
りうら
まろを庇う様に間に入る
女子の先輩2
女子の先輩1
クスクスと俺を 嘲笑う先輩たち
何も言い返す言葉が 見つからない
いふ
いふ
りうら
まろが俺のために怒っている
こんなに怒っているところを 見るのは初めてだ
女子の先輩1
女子の先輩2
いふ
いふ
女子の先輩2
いふ
いふ
いふ
女子の先輩1
女子の先輩2
先輩たち
先輩たちはまろに論破され 走っていった
一瞬で起きた怒涛の展開に 頭が追いつかない
りうら
いふ
いふ
りうら
いふ
まろは笑って言うが 結構大問題な気がする
一部の女子の反感を 買ったと言うことは クラス全員が敵になった様なものだ
戻っていった先輩たちが まろが一方的に酷いことを言ったと 仕立て上げるかもしれない
そうでなくてもあっという間に 噂が回って気まずくなるだろう
りうら
いふ
りうら
いふ
いふ
りうら
いふ
りうら
偶然出会っただけの俺を それだけ特別に思って くれていることに嬉しくなる
最初はなんの接点も無かった俺たちが 今では毎日一緒にいる仲になっている
まるで奇跡のようだ
いふ
りうら
俺たちはまたいつものように 昼食を食べ始めた────
あれから午後の授業も終わり、 今は放課後だ
特に部活にも入っていない俺は いつも通り帰路に着こうとしていた
りうら
女子の先輩1
りうら
いきなり声をかけられて 吃ってしまう
顔を上げるとそこには 昼の先輩たちがいた
女子の先輩2
りうら
理不尽がすぎる
強く言われた腹いせか知らないが 当たられても困るだけだ
いふ
りうら
いふ
女子の先輩1
女子の先輩2
いふ
どうやら先輩たちの話を 誰も信じず、みんな まろの肩を持ったようだ
そんなのりうらに 言われたところで、だ
女子の先輩1
女子の先輩2
女子の先輩1
女子の先輩1
女子の先輩2
いふ
まろがわかりやすくブチギレている
確かにこれだけ顔が見えないと そう思われても不思議じゃない
女子の先輩1
りうら
先輩に眼鏡を奪われ、 前髪を上げられてしまった
周りがざわつく
女子の先輩2
女子の先輩1
りうら
こうなるから嫌だったんだ
高校は目立たずに平穏な生活を 送りたかったのに、、、
りうら
りうら
女子の先輩1
いふ
女子の先輩2
女子の先輩1
先輩たち
先輩たちは反論もせずに 去っていった
どちらかと言うとできなかったが 正しいかもしれない
いふ
りうら
褒められるとなんだか照れくさい
りうら
りうら
いふ
二人で笑顔を浮かべ合う
やっと平和な時間が訪れた
いふ
りうら
いふ
りうら
いふ
ガッツポーズをするまろ
かわいいな、なんて思う
表情がコロコロ変わるから ずっと見ていられる
いふ
りうら
りうら
いふ
りうら
本当に色々なことが あった1日だった
とても疲れたが 最後にしっかり言い返せたから 気持ちはスッキリしている
いふ
りうら
疑問に思うのも当然だろう
言いづらいがこの際 答えた方がいいだろう
いふ
りうら
りうら
りうら
いふ
いふ
あの頃は本当に大変だった
陰湿な嫌がらせのせいで 学校に行くのが苦痛だった
いふ
りうら
確かによく考えたら よくないかもしれない
でもそれをどうにか できる作戦を思いついた
これならきっと なんとかなるだろう
りうら
いふ
いふ
りうら
りうら
いふ
りうら
いふside
今は昼休み
昨日りうらに言われた通り りうらの教室へと向かっとる
今日は案の定学校中が りうらの話題で持ちきりやった
密かにりうらに恋心を抱いとる 俺としては困った事態や
りうらの良さを知っとるんは 今まで俺一人やったのに、 今回の出来事で他の奴らに 知れ渡ってしまった
早くしなければ取られてしまう
やけど告白する勇気もないのが現状や
もし断られて親友では おられへんくなってしまったら…?
それだけは絶対に避けたい
りうら
そんなことを考えているうちに りうらの教室の前についてしまった
手を大きく振って 俺に笑顔を向けている
いふ
りうら
声色がいつもより明るいりうら
見た目も昨日までとは全く違う
眼鏡はかけてへんくて前髪は ピンで止めてポンパにしとる
ネクタイも緩めでシャツも 第二ボタンまで空いとる
いふ
りうら
いふ
確かに目立たへん為の 見た目やったんやから もうする必要はない
イケメンオーラに溢れとって 変な感じや
りうら
いふ
全くと言っていいほど 見当がつかへん
りうら
りうら
いふ
予想外の言葉に 空いた口が塞がらない
好き…?
りうらが俺のことを…?
いふ
りうら
りうら
りうら
いふ
いふ
やっと言えたこの気持ち
気がついたらりうらに 特別な感情を抱いとった
まさか叶うなんて 思ってもみんかった
両思いなんて夢見たいや
りうら
いふ
りうらに思いっきり抱きつかれる
りうら
りうらの体温を感じる
付き合えたことを実感して 体が熱くなる
周りからは祝福の歓声が沸いとる
いふ
りうら
りうら
いふ
いふ
りうら
いふ
りうら
とぼけた顔をしとるけど、 多分これは確信犯や
俺はずっとりうらには敵わなそうや
それもそれで悪くないかもしれへん
いふ
りうらの手をそっと握る
りうら
いふ
りうら
いふ
俺は恥ずかしくなって 顔を伏せた───
コメント
4件
最高です♡(> ਊ <)♡ 赤青いいですねぇ、、 学パロなのが更にいい!
わぁあああ!!!赤青やぁ😇😇😇 イケメン同士の恋愛はもう最高なの👍🏻💗 心が綺麗ってこういう方達のこというんですね ほのぼのもやっぱええなぁ…😊 神作ありがとう🫵🏻💗