この作品はいかがでしたか?
16
この作品はいかがでしたか?
16
語彙力ない奴が小説風に書いてみたPart2
クソクロスオーバー
性別については触れんなよ
死ネタ
病気パロ
参考 「君の膵臓をたべたい」
空っぽな日々が過ぎていった。
あの子が、
彼女が居なくなってから、
全て、なんの価値もないように思えた。
あんなに暑かったあの日とは裏腹に、凍えるくらいに寒い大雨の日。
彼女の葬式は開かれたものの、おれはそこには行かなかった。
行きたくなかったわけじゃない。
俺は基本的に誰かに連れ出してもらわないと外に出ない、という奴だっただけ。
今日は誰からも誘われていなかったから、外に出なかっただけだ。
生憎、彼女が長期休み期間に死んでくれたため、どちらにしろ外に出なくて十分だった。
部屋で1人、ベッドに寝っ転がり、人形を抱いて目を閉じる。
クレーンゲームで彼女が頑張って取ってくれた猫のぬいぐるみ。
これを抱いていると、まるで彼女がその場に居るかのような感覚になり、余計虚しくなる。
瞼がだんだん熱くなっていき、どうしようもない後悔が溢れ出た。
もっと、
ちゃんと、
一緒に、居ればよかった。
そこで、やっと気付いた。
おれは、
彼女が、好きなんだって。
すち
8月。
まだ蒸し暑い真夏日。
おれは図書館でらんらんの手伝いをしていた。
LAN
LAN
隣かららんらんの荒らげた声が聞こえる。
おれは額に伝った汗を拭って、図書室のクーラーのリモコンを取る
すち
そう一言呟いて、らんらんにリモコンを差し出す。
LAN
さっきまで荒らげていたのが嘘のように落ち着いた声色になる。
らんらんは、少し口角を上げてリモコンを受け取り、クーラーの電源を着けた。
蒸し暑かった図書室が、一気にクーラーによって冷やされる。
LAN
LAN
横からご機嫌な様子のらんらんがおれに話しかける。
すち
おれは涼んでいて全く話を聞いてなかったけど、大体は聞き取れたので適当に返事をする。
その直後、図書室のドアが大きな音を立てて開いた。
おれはその音にびびって、らんらんは嬉しそうに振り返った。
この時点で、何か嫌な予感を感じていた。
こむぎ
こむぎ
独特、
いやド直球すぎるあだ名。
そのあだ名を付けるのは彼しかいない。
LAN
こむぎ
彼がおれの方をちらちらと見ながら質問に答える。
おれは彼の方をちらっと見て、その後すぐに視線を戻す。
すち
そう言って、山のようなプリントをらんらんの前に差し出した。
LAN
らんらんがそれを受け取ると、1回確認してからプリントを直し、自分の作業に戻る。
熱心だな、と思いながら眺めていると、横から彼が顔を覗いてきた。
こむぎ
すち
おれは少しだけびっくりしながらも、冷静に彼にそう告げる。
それでも彼は、何も気にしていないような笑顔でこう言った。
こむぎ
こむぎ
そう言うと彼はカウンターで頬杖をつく。
まるで悪戯っ子のような、無邪気な笑顔でこちらを見つめてくる。
すち
おれはカウンターに両腕を置き、まるで軽蔑するような目で彼を見る。
彼は参ったかのような顔をしてくるりと1周回った。
そしておれの方を向き直し、両手を後ろで組み、少し微笑んでこう言った。
こむぎ
こむぎ
高い石塀の上を楽しそうに歩く彼。
すち
こむぎ
おれの注意にも耳を傾けず、上機嫌に自分のグループのオリジナル曲を口ずさむ。
その後、彼はバランスを崩しかけてたから、少しだけびびった。
すち
おれはそう思いながらも、仕方なく彼の後を追う。
すち
おれは慎重に彼に聞いた。
こむぎ
すると彼は、石塀を軽々と飛び降り、こちらに視線を合わせた。
まるで何も聞いていなかったかのような、純粋な顔。
まるで、これから先いつ死ぬか分からない人がする顔では無い表情。
こむぎ
彼は数秒おれを見つめると、少し前を歩き、喋り出した。
こむぎ
こむぎ
すち
答えたは答えたでいいものの、嫌な予感しかしなかった。
おれは質問に答えた後、ゆっくりと彼の方を向いた。
彼は、少し前を歩きながら、おれの回答を喜んだ。
こむぎ
こむぎ
こむぎ
まるでおれをからかっているかのような、そんな表情。
俺は少し嫌な予感を感じながらも、少しだけ頷いた。
おれは彼の秘密を知っている。
彼も、おれの秘密を知っている。
家族にも、
友達にも、
クラスの誰にも言っていない、おれらだけの秘密。
......そう。
あの日、おれは彼の秘密を知ってしまったんだ。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!