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語彙力ない奴が小説風に書いてみたPart2

クソクロスオーバー

性別については触れんなよ

死ネタ

病気パロ

参考 「君の膵臓をたべたい」

空っぽな日々が過ぎていった。

あの子が、

彼女が居なくなってから、

全て、なんの価値もないように思えた。

あんなに暑かったあの日とは裏腹に、凍えるくらいに寒い大雨の日。

彼女の葬式は開かれたものの、おれはそこには行かなかった。

行きたくなかったわけじゃない。

俺は基本的に誰かに連れ出してもらわないと外に出ない、という奴だっただけ。

今日は誰からも誘われていなかったから、外に出なかっただけだ。

生憎、彼女が長期休み期間に死んでくれたため、どちらにしろ外に出なくて十分だった。

部屋で1人、ベッドに寝っ転がり、人形を抱いて目を閉じる。

クレーンゲームで彼女が頑張って取ってくれた猫のぬいぐるみ。

これを抱いていると、まるで彼女がその場に居るかのような感覚になり、余計虚しくなる。

瞼がだんだん熱くなっていき、どうしようもない後悔が溢れ出た。

もっと、

ちゃんと、

一緒に、居ればよかった。

そこで、やっと気付いた。

おれは、

彼女が、好きなんだって。

すち

あっつ〜、

8月。

まだ蒸し暑い真夏日。

おれは図書館でらんらんの手伝いをしていた。

LAN

暑すぎなんだけど!!

LAN

なんでこんな時に限ってクーラー着いてないわけ!?

隣かららんらんの荒らげた声が聞こえる。

おれは額に伝った汗を拭って、図書室のクーラーのリモコンを取る

すち

......図書委員は勝手に着けていいんじゃなかったっけ。

そう一言呟いて、らんらんにリモコンを差し出す。

LAN

あー、そうだっけ?

さっきまで荒らげていたのが嘘のように落ち着いた声色になる。

らんらんは、少し口角を上げてリモコンを受け取り、クーラーの電源を着けた。

蒸し暑かった図書室が、一気にクーラーによって冷やされる。

LAN

ひー!

LAN

やっぱ涼しいのが1番だよなー!

横からご機嫌な様子のらんらんがおれに話しかける。

すち

そうだねぇ、

おれは涼んでいて全く話を聞いてなかったけど、大体は聞き取れたので適当に返事をする。

その直後、図書室のドアが大きな音を立てて開いた。

おれはその音にびびって、らんらんは嬉しそうに振り返った。

この時点で、何か嫌な予感を感じていた。

こむぎ

やっほー!!

こむぎ

抹茶くん!

独特、

いやド直球すぎるあだ名。

そのあだ名を付けるのは彼しかいない。

LAN

こむぎくん!どしたの?

こむぎ

いやぁ、ちょっと抹茶くんにお話があってですね?

彼がおれの方をちらちらと見ながら質問に答える。

おれは彼の方をちらっと見て、その後すぐに視線を戻す。

すち

らんらん、あっちの本棚はもう終わったよぉ...

そう言って、山のようなプリントをらんらんの前に差し出した。

LAN

あ、ありがとー!

らんらんがそれを受け取ると、1回確認してからプリントを直し、自分の作業に戻る。

熱心だな、と思いながら眺めていると、横から彼が顔を覗いてきた。

こむぎ

で!抹茶くん!!

すち

その名前で呼ばないでよ...

おれは少しだけびっくりしながらも、冷静に彼にそう告げる。

それでも彼は、何も気にしていないような笑顔でこう言った。

こむぎ

いいじゃんいいじゃん!

こむぎ

ぼくが好きでそう呼んでるだけだから!!

そう言うと彼はカウンターで頬杖をつく。

まるで悪戯っ子のような、無邪気な笑顔でこちらを見つめてくる。

すち

そんなに見ても何も出ないよ、

おれはカウンターに両腕を置き、まるで軽蔑するような目で彼を見る。

彼は参ったかのような顔をしてくるりと1周回った。

そしておれの方を向き直し、両手を後ろで組み、少し微笑んでこう言った。

こむぎ

ねぇ!

こむぎ

ちょっと付き合って?

高い石塀の上を楽しそうに歩く彼。

すち

転けても知らないよぉ...?

こむぎ

いーのいーの!

おれの注意にも耳を傾けず、上機嫌に自分のグループのオリジナル曲を口ずさむ。

その後、彼はバランスを崩しかけてたから、少しだけびびった。

すち

危なっかしいなぁ...

おれはそう思いながらも、仕方なく彼の後を追う。

すち

それで、何でおれを呼んだの?

おれは慎重に彼に聞いた。

こむぎ

んー?

すると彼は、石塀を軽々と飛び降り、こちらに視線を合わせた。

まるで何も聞いていなかったかのような、純粋な顔。

まるで、これから先いつ死ぬか分からない人がする顔では無い表情。

こむぎ

彼は数秒おれを見つめると、少し前を歩き、喋り出した。

こむぎ

いやねー?

こむぎ

明日の土曜日空いてるかなーって!

すち

空いてる...けど......

答えたは答えたでいいものの、嫌な予感しかしなかった。

おれは質問に答えた後、ゆっくりと彼の方を向いた。

彼は、少し前を歩きながら、おれの回答を喜んだ。

こむぎ

うははっ!w

こむぎ

ほんとに?w

こむぎ

じゃあ付き合ってね?

まるでおれをからかっているかのような、そんな表情。

俺は少し嫌な予感を感じながらも、少しだけ頷いた。

おれは彼の秘密を知っている。

彼も、おれの秘密を知っている。

家族にも、

友達にも、

クラスの誰にも言っていない、おれらだけの秘密。

......そう。

あの日、おれは彼の秘密を知ってしまったんだ。

止まった君と波打つ僕

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