TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

都内某所 午後18時07分

五十嵐 庸一

予言者なら、ここに。
ああどうも、五十嵐です

淵後 竜吾

予言者?

淵後は首を傾げる。

杉谷 理沙

誰かひとりの事を選んで、
その人が村人側か人狼側か分かるやつ

杉谷は、ぶっきらぼうに答える。

淵後 竜吾

詳しいな

杉谷 理沙

さっきルール説明で言ってたから

淵後 竜吾

ここで名乗るメリットは?

杉谷 理沙

投票されない

そんな2人のやりとりを見て、 女子高生の帆乃佳ちゃんは下を向く。

彼女は震えた手を、ゆっくりと動かす。

安藤 帆乃佳

わ……私……よげ

齊藤 千史

私、予言者なんだけど

帆乃佳ちゃんは今、明らかに 予言者として出ようとしていた。

同時にと言って良いだろうか

帆乃佳ちゃんより先に声をあげたのは 千史さんだった。

齊藤 千史

なによ

女性は全員の視線へ向けられた。

田中 遊星

制服の君、

田中 遊星

君も今、予言者を名乗ろうとしたよね

安藤 帆乃佳

……!

淵後 竜吾

なに、どういう事だ?

淵後はまだ、状況を理解していないようだ

五十嵐さんに千史さん、 帆乃佳ちゃんの3人が予言者を名乗り出た。

田中 遊星

何、違うの?

田中 遊星

『よげ』まで言って違うとか無いよね?

安藤 帆乃佳

……

安藤 帆乃佳

予言者、です

帆乃佳ちゃんは目を見開き、 汗が滴り落ちていた。

手は震えていて、 まるでまずい事でもした後のような……

加藤 心美

……霊媒師は?

淵後 竜吾

霊媒師も出るのか?

加藤 心美

確実に村人側と言える人が欲しい。

加藤 心美

実際、この3人の2人は
嘘をついているわけだから

そう言われ、ひとりが ゆっくりと手を挙げる。

山端 昴

俺が、霊媒師を引きました……

数分経っても、 他に霊媒師を名乗る人は居なかった。

霊媒師は、確定だ。

予言者の議論になった。

齊藤 千史

嘘つき!!

五十嵐さんは相変わらず、ずっとヘラヘラしていて、千史さんの様子を眺めている。

凄いメンタルの人だ。

齊藤 千史

あんた、あんたも!

安藤 帆乃佳

……!

齊藤 千史

とにかく、嘘つく理由知らないけど、

齊藤 千史

私達には命掛かってるの!

齊藤 千史

ふざけてる場合じゃないでしょう?!

五十嵐 庸一

ふざけてる嘘つきはあんたじゃん……へへ

五十嵐さんは煽るような表情で呟く。

ぱちんっ!

頬を打つ音が響いた。

あまりの大きな音と 突然の出来事に全員が黙り込む。

加藤 心美

……千史さん、落ち着いて下さい

齊藤 千史

はぁ……はぁ……

心美ちゃんは、千史さんの元に駆け寄った。

杉谷 理沙

はあ……

彼女はため息をつくと、 ひとりで去って行く。

田中 遊星

ねえちょっと、何処へ行くんですか?

杉谷 理沙

別に

彼女は広間から去って行き、 続いて遊星くんも去って行く。

安藤 帆乃佳

……

帆乃佳ちゃんも、息を整えながら、 ひとりで去って行った。

五十嵐 庸一

み〜んな行っちゃうね

ビンタされたにも関わらず、 気楽な態度を見せる五十嵐さん。

淵後 竜吾

……俺らは出る方法を探す、湯野田、来い

湯野田 留衣斗

はい

齊藤 千史

……

齊藤 千史

私も行く

3人は去って行き、 ここには4人だけになった。

山端 昴

……みんな、行っちゃいましたね

山端くんは寂しそうに呟く。

五十嵐 庸一

あの女、こえ〜

五十嵐 庸一

ちょ〜っと突いたくらいで笑

加藤 心美

……五十嵐さん、本当に予言者なんですか?

五十嵐 庸一

ん?そうだよ?

謎の余裕というか、 全然焦っているように見えない。

最初に淵後さんの首輪が作動しているのも見ているはずなのに……

彼は一切動じて居なかった。

葉村 笠奈

なんで、そんなに余裕ぶってるんですか?

思わず聞いてしまった。

五十嵐 庸一

あはは、だってもう、人生諦めてるもん

葉村 笠奈

??

五十嵐 庸一

嫁にも大金持って逃げられ、

五十嵐 庸一

家も無くして路上生活、

五十嵐 庸一

そんな時に女神に会ったんだよね。

五十嵐 庸一

女神が俺を誘ってくれたんだ

葉村 笠奈

なにに?

五十嵐 庸一

これ

山端 昴

……へ?

山端くんは、 気の抜けた返事を返す

五十嵐 庸一

誘われるがまま、俺はその話に乗ったんよ

五十嵐 庸一

路上生活も楽じゃないし、

五十嵐 庸一

もう死んだようなもんよ、あははは!

五十嵐 庸一

今まで通りの生活を送るなら、
俺は勝負に出ても良いかな〜って

この人も、 私とは違う意味で人生を諦めていた。

そう、私と同じ。

広間の上は、吹き抜けになっていた。

上から杉谷は、4人の姿を見下ろしていた。

田中 遊星

ここに居たんだ

杉谷 理沙

……なに

田中 遊星

いや別に?

彼も吹き抜けの手すりに肘を置き、 下の4人の姿を見下ろしていた。

杉谷 理沙

ほんと、哀れなやりとりだったわ

田中 遊星

あはは、君もそう思う?

杉谷 理沙

汚い女と汚い男、絶対学が無いわ

田中 遊星

へえ?貴女……

杉谷 理沙

杉谷。杉谷理沙

田中 遊星

ああ、杉谷さんはどこの大学出たんですか?

杉谷 理沙

○○大学の院卒

田中 遊星

へえ、エリートじゃないっすか!

田中 遊星

僕、現役医大生です

遊星は、杉谷に握手を求めた。

杉谷 理沙

なに

田中 遊星

学が無い人に負けないように、

田中 遊星

日本の未来を背負える
僕たちが生き残れるように、

田中 遊星

頑張りましょう?

人狼ゲーム Depravity -堕落-

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

101

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚