歓喜と嘆きが飛び交う中、私はワァワァ泣き喚く友人を見下ろしていた。
葵
ねぇ、あなたはここまで何をしてきたというの?

美咲
ねね、葵。

葵
ん?

美咲
あのね、ニュースなんだけどさ、

葵
うん。

美咲
今度ね、うちの学校で新しいシステムが導入されるだって。

葵
へぇ、どんな?

美咲
あのね...次のテストの結果次第でクラスが分けられるらしいよ。

葵
ふーん....

美咲
なにその興味なさそうな言い方~

葵
別に..将来とかにも関係ないでしょ。

葵
うーん..じゃあもっと詳細教えて

美咲
えっとね
A~Eクラスに分けられるみたいで、
Aが上位7位。
んで、Bは上位11~20位。こんな感じでA以外10位単位で分けられて、
卒業までずっとクラス変更はないっぽいよ。

美咲
これ全部私の努力。頑張って情報集めたんだぞ~

葵
パチパチ

美咲
えへへ~

美咲
あれかな?働き方改革みたいに学門改革とか?

葵
あー、ありそ。

美咲
みんなピリピリしてきたね。

葵
うん。私達も頑張ろ。

美咲
うん!!

美咲
私...大丈夫かな...

葵
大丈夫大丈夫。それより勉強勉強。

美咲
うん...

美咲
はわわわわ....

葵
大丈夫だよw

葵
私はちゃんと後で確認して90点代だったし..美咲は?

美咲

美咲
わかん..ない....調べたくない..し。

葵
.....最近美咲変だけどどうしたの?何かあった?

美咲
あのね...お母さんが..Aに絶対入れって..プレッシャーが凄いの...

葵
そっ....かぁ..

葵
大丈夫だよ。いつも通りやれば良いし、ダメでも面接受ければ良いじゃん。大丈夫。

美咲
そうかな...
分かった。ありがと葵。

葵
良いってことよ

葵

葵
あ、結果張り出されるよ!!!

美咲
う、うん。

掲示板 A
A クラス
伊藤 葵 越田 千佳
大島 尚 進藤 光晴
神埼 稔
久藤 竜
近藤 翔

美咲
あっ.....

葵
大丈夫。Bクラスがあるよ。

美咲
私..頑張った..頑張ったのにぃ!!!

美咲
葵!!裏切った!!裏切ったなぁ!
もういい!葵はもう友達じゃないから!

葵
そっか。じゃああなたはここまで何をしてきたのかしら?
.......さよなら。

美咲
....え?違うの、私は....

後ろで何かわめき声が聞こえるが、もともと利用する気しかなかったし、まぁいいだろう。いずれ切り捨てる存在だったし。
薄情?心がない?何とでも言えばいい。私はこの生き方をすると決めたのだ。
神埼 稔
やあ、葵..さん?でいいのかな?

葵
ええ。あなたは?

神埼 稔
僕は神埼 稔(かんざき みのる)気軽に何とでも呼べばいいさ。

葵
そう。私は伊藤 葵(いとう あおい)よ。確か..同じAクラスかしら?

神埼 稔
ああ、そうだよ。それにしても何かキャラ変わったね。さっきお友達と話しているの見かけたけど...

葵
ああ、あの子ね。もう友達ではないのよ。私は元々こんな性格だけど..あの子に合わせていたの。

神埼 稔
へぇ..あれを相手にしていたなんて、君は凄いよ。僕ならもっと前に切り捨ててた。

葵
あら、切り捨てるのは変わらないのね。意外と気が合うかもしれないわね。私達。

神埼 稔
多分Aクラスのみんなそんな感じだと思うよ。元にそう選ばれたらしいし。

葵
性格が悪い私達をわざわざ選んだって事?

神埼 稔
いや、言い換えればそうだけど、情なんて持たずに人を選んでいく、あれだよ。将来を背負って行く人材を集めたみたい。上に立つ人はそういうスキルも必要でしょ?

葵
なるほどね。じゃあBクラスは成績が良いだけの子が集められたわけか。

神埼 稔
かな。じゃあ僕はそろそろ行くよ。

葵
じゃあ、また教室で。

葵
......ふぅ

なるほど。そういうことか。
私の他に同じような人物がいるとなると...
あまり人を信用しちゃダメだな。
先生に貰った教室の場所と詳細が書かれた紙を広げ、教室の場所を確認してみた。
葵
うわ。

ここに理科室、PC室...どうやらAクラス専用校舎のようだ。
寮もあるし、全寮とかだろうか。意外と敷地も広い。一つ学校が丸々入るレベルだ。
専用の車に乗り、新校舎へ向かう。なんなんだろうか。専用の車って。
葵
ありがとうございました

大島 尚
あ、こんにちは~

大島 尚
同じAクラスの方ですか~?

葵
そうだけど..

大島 尚
私は大島 尚(おおしま 尚)よろしくね!!

葵
よろしく。私は伊藤 葵よ。

大島 尚
よろしく!葵ちゃん..でいいかな?

葵
どうぞお好きに。大島さん。

大島 尚
りょーかいっ!じゃ..私は校舎探検したいからまた後で!

葵
ええ、また。

....凄いハイテンションだな。これも私と同じなのか..
葵
広いな。

葵
ふぅ。着いたか。

教室に入るとさっきあった神埼 稔とその他に3人ほどいた。
神埼 稔
あ、改めてこんにちは、葵さん。

葵
ええ、こんにちは。神埼君

久藤 竜
なんだよ~二人とももうあっているのか?

葵
結果発表がされた後に。はじめまして、私は伊藤 葵よ。よろしく。

久藤 竜
伊藤 葵か。よろしくな。俺は久藤 竜(くどう りゅう)だ。

葵
よろしくお願いします。久藤さん。
では、そちらの方は?

越田 千佳
えっ...えっと、私は越田 千佳(こえだ ちか)です。よろしくお願いします。伊藤さん、久藤さん。

葵
ええ、よろしくお願いします

神埼 稔
じゃあ僕も自己紹介しとくね。僕は神埼 稔。よろしくね

神埼 稔
他の人は..学校探検に行っちゃったよ。君で最後かな。

葵
そうなのですか。
まぁ..余計な時間を少々取っていたので仕方がありませんね。

久藤 竜
な~な~、普通に話そうぜ。これからしばらく一緒なんだしよ~

葵
ええ、分かったわ。敬語はなしなのね。

越田 千佳
えっ...あの..その..私はこれが普通でして..

久藤 竜
うーん...じゃあ越田はいいや。敬語で。

葵
そうね。無理強いはしないわ。

久藤 竜
じゃあ..他の奴待つか~

葵
ええ。
