壊れた幸せ〖完結〗

生きるか死ぬかの分岐点

ℍ𝕒𝕡𝕡𝕪𝕖𝕟𝕕

𝚂𝚃𝙰𝚁𝚃

そう言った途端

大先生の目から涙がこぼれた

なんでだろうね

あいつらにさ

裏切られても

いつかまた、話せるんじゃないかって

希望持っちゃうんだよ

こいつらとなら、自分のままでいられるって

辛いことなんて、苦しいことなんて

忘れられるって

思えるんだよ

キライなのは建前

みんなのことは、忘れたくても忘れられない

大切だから

どうか

俺からもう、幸せを奪わないでほしい

大切を壊さないでほしい

前までは、幸せが壊れたら

直せないって思い込んでた

でも、幸せが壊れても

それをきっかけに絆が深まる

そう思えたから

今はもう、

死にたくない

そこで俺は思いついた

そういえばまだ言ってなかったな

そう思いながら

騙そうかなとも心の隅で思った

この幸せがまた

壊れるのは

きっと死ぬまでないんだろう

そうみんなに行ってから

俺はドアの前に立ってドアノブに手をかけた

じわじわと近づいてくる母から

逃げるように後ろに下がる

ドアがあってこれ以上下がれなくなった

何されるんだろ

そう言われた瞬間

母が首を絞めてきた

抵抗しようにもできない

酸素が無くなって、息が荒くなってきた

急に喉を通った空気にむせた

実の母親に、"死ね"って言われるのは

どんなに嫌いでも、やっぱり辛い

俺はドアを開けて外に出た

外に出ても母はおってこなかった

首を絞められてたからか

体に上手く力が入らず

思わず座り込んだ

しばらく休憩してから

少し散歩しようと思ったら

塀のところからみんなが出てきた

通報するのは嫌だ

あんなでも、俺を育ててくれたから

やっぱり

みんながいる場所は

俺にとっての唯一の居場所

唯一、明るくなれて

温かみを感じられる

ハッピーエンド