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鈴木
鈴木
そう書かれた字幕の様な物が視界の中央に入り込む。
露
芬
露
芬
露
露
芬
そして俺達はこの世界から脱出する方法を探るべく、街へと向かった。
いつも見ていた街には不思議な門のようなものがあり、それが少し変わった雰囲気を醸し出し、 街を得体の知れないものへと変化させていた。
...時計を見ると、タイムリミットはあと1時間になっていた。 ...あと1時間でこのゲームの世界は破滅してしまう。 このゲームの世界から脱出するには、あの門を通る必要があるらしい。
こういう時程生き物としての汚い本能は垣間見えるもので。 街には沢山の人が集まり、「ゲートを先に潜るのは自分だ」と言わんばかりに、 街の人々は押し合い、ぶつかり合っていた。
...そんなことをしている時間は無い。
露
さっきからずっと人の波に押され、流されている。 それ故に、門から離されていくばかり。
...人の波に強く押されている為、フィンランドと離れ離れになってしまった。 ...先程まで隣に居たはずのフィンランドは、もう隣には居なかった。
フィンランドside
逸れない様に繋いでいた手は離れてしまい、俺は迷子の状態に。 人より身長の高い彼も、大勢の人混みの中では目立たなくなってしまい、完全に逸れてしまった。
芬
人混みの中で精一杯彼の名を叫ぶ。 でも混乱した人混みの中で1人が叫ぶ声など聞こえる訳もなく、 俺の声は人混みの中に消えて行った。
芬
芬
...手元の端末で時間を確認すると、残り時間はあと20分になっていた。 人混みに流され、門から遠いところに居た俺は、ロシアと合流することも出来ない。
...嗚呼、俺は此処で終わるのだろうか。
ロシアside
必死にフィンランドを探す。 何処を見ても、あの白い肌に浮かぶ青い十字は見えない。
露
...居ない。 此方にも居ない。
何処だ
フィンランド
聞こえててくれ
...そんな俺の虚しい祈りは届かないのだ。 俺はただフィンランドを探して辺りを見渡し、名前を呼ぶ事しかできない。
露
...残り時間はあと10分。 そろそろ門を潜らないと俺は此処で終わってしまう。
...フィンランドを探し出し、この世界を脱出しなければ。
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