お兄ちゃんと僕。

2001年のある日。

幸せだったあの頃は

もう戻ってこないのかな。

幸せだったあのころは、

一瞬で砕け散った。

2006年、僕は6歳だった。

2006年、母親が死んだ。

朝、小さい頃の夢を見た。

起きると僕は泣いていて、

少しシーツが濡れていた。

母さんは、事故で死んだ。

それは全部、僕のせいで。

好奇心旺盛な僕は、道路に飛び出した

そこに車が来たんだ。

できることならもう一度母さんに会いたい

そして謝りたい。

この学校は早退することを家に報告するのか、自由に選べる。

だからいつもバレることなく、サボれるのだ。

いつもと違う道を通る。

不思議と足は神社の方へ向かっていった。

僕の前に小さな白い紙が落ちてきた。

コノカミ、 ハコ二 イレテ オネガイ

僕は賽銭箱の中に紙を入れた。

なんだ、声がする

ばちん！

確かにその人たちは着物を着ていた。

僕のお父さんは会ったことないから分からない。

だから、僕は思いっきり首を横に振った。

連れてこられたのは大きなお屋敷だった。

中は本当に大きくて、たくさんの人がいた。

ひとつの障子を開けると紫髪の男の人が座って何かをしていた。

なーくんという男の人は優しい笑みを浮かべた。

それから色んなとこを見られて服も見てもらった。

気になっていたことそれは、

外にはマンションなんてなく、学校もなかった。

あったのは田んぼや、森

屋敷みたいな古い家だった。

僕は急いで今日の日付を確認する。

言うべきか、言わないべきか、

新聞には1866年1月と書いてあった

僕は帰れないのかな、もう二度とお兄ちゃんたちに会えないのかな、

そう考えたら怖くて仕方なくて、

僕は話すことにした。

なぜか、この人たちには言っていい気がした。

それから、ご飯を食べた。

お風呂にもはいらせて貰えて

暖かい布団も貸してもらった

寝る時に少し怖いって声に出てたのかみんなで一緒に寝ようって言ってくれた。

時々、夜に目が覚めてしまうことがある。

今日はそういう日かなんて思って外に出る。

外に出ると夜景が綺麗で、

この景色が意外と好きだったりする。

寒い。この季節はやっぱり寒かった。

後ろで声がした。

さっきも思ったけど、なんか懐かしい声がするな笑

そう言って、着ていた羽織をころんにはおらせた。

いきなり手を差し伸べてきたころん。

こんな夜もあってもいいかもしれない。

元々人が嫌いな俺。

でも、幼なじみだけは小さい頃から好きだった。

あぁ、そっか。

ころんに似てんだ。

それから沢山遊んだ。

この時代の遊びは意外と楽しかった。

買い物もして楽しんでた。

けど、そんな楽しい中でも外は争いを起こしていた。

そう。

戊辰戦争。

たくさんの幕府の人が見回りに来たりして、

僕らは外に出れなくなった。

外では、子供の泣き声がよく聞こえた。

親の叫び声も聞こえた。

暖かくて、優しくて、

僕の傍にはいつも3人の誰かがいてくれた。

そういえば、僕はいつも誰かといた気がする。

タイムスリップした前に。

あぁ、そうだ。家族だ。

いつも心配そうに僕を見ててくれた。

そういうとまた、白い紙が落ちてきた。

僕は急いで賽銭箱に入れた。

目を覚ますと、辺り一面しろかった。

音のした方へ向いた。

さとにぃはそう言って抱きしめてくれた。

あぁ、そうだ。これだ。

感じたかったもの、

そう言ってさとにぃは兄弟に電話をした。

良かったぁ、

口々にそう言って僕を抱きしめてくれる。

ちょっぴり怒られたけど、

ゆっくり撫でてもらった。

これからはたくさん甘えてよ。