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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

くろと

コニカルビーカー様の「コニカルコンクール」に参加させていただきます!

くろと

サムネはコニカルビーカー様のを使わせてもらってます

くろと

赤→桃←青
三人は幼馴染の設定です
諸事情によりR18にできませんでした(泣)

※注意※ 微BL(健全) 切ない…感じにしたつもりです 僅かに怪我表現あり 年齢変更(高校生) 屋台での行事に対する解釈違いあり 長いです 赤くんと青くんから桃くんが愛されます 地雷様・純オタ様は見ないことをお勧めします ご本人様とは一切関係ありません

くろと

くろとお得意()の急展開があります
ご注意ください

-hotoke-

ねーねー!来週夏祭りがあるんだって!

りうら

あー、らしいねー

初兎

場所どこやったっけ?やっぱ いつものとこ?

-hotoke-

そう!近くの神社!

わいわいと騒ぐ3人と、それを見て思わず笑みが浮かぶ俺とまろとアニキ。

終業式の前日。ようやく、持って帰る物を整理し終えたところだった。

-hotoke-

みんなで行こうよ~

初兎

俺も行きたーい

悠佑

俺は別にどっちでもいいけど…ないこは?

ないこ

んー、俺もどっちでもいいかな

あらかじめ考えていた言葉を発する。

いむしょーほど行きたいわけでもない。人混み多いし。 まあ、もう高校生だからってのもあるけど。

行ったら行ったで楽しむし。

悠佑

まろは?

If

まろは、ないこたんと行くー!

急に幼児退行したまろが俺に抱き着いた。

りうら

え、ずるい!じゃありうらも、ないくんと一緒に行く!

If

はあ?俺の方が先に言ったし

りうら

まろだけずるい

If

早いもん勝ちだ 諦めろ~

りうらを煽るように手を振るまろ。 りうらの拳がわなわなと震える。

ないこ

おいっ!喧嘩すんな二人とも!

悠佑

もうお前ら三人で行けばええやん。俺保護者役でこいつらと行くし

いむしょー

は!?

さっきまで二人の喧嘩を笑ってたいむしょーが声をそろえて反抗する。

初兎

誰が子供や!

-hotoke-

そーだそーだ!

ないこ

そういうところだろw

りうら

んで、さっきの話だけど、結局りうらとないくんで行くってこと?

If

何でそうなんねんwアニキの話聞いてたか?

悠佑

だから、ないことりうらとまろ。俺といむしょーで行動するってこと。

りうら

えー。…まあいっか、ないくん来週楽しみだねー!

If

ないこ浴衣持ってたっけ。従兄の人からもらったやつ。あれ今ぴったりなんちゃう?

ないこ

持ってるけど…、俺に着ろと?

If

当たり前やん!俺とりうらも着てくるし

りうら

うん!だから絶対着てきてよ?

ないこ

えー……

__って言ってたのが先週のこと。

橙色から紺色に変わる空の下、桜の小花柄の浴衣を着ている俺は、絶賛遅刻中の二人を待っていた。

遅い。マジでアイツら何してんだ。

りうら

あ、ないくーん!

If

ないこー!

ふと横から聞こえてくる聞きなれた声。

顔を上げると、自身の髪色と同じ色の浴衣を着た二人。

二人のイメージに合った柄で、いつもよりかっこよく見える。

ないこ

おせーよお前ら!

If

ごめんごめんwりうらから「浴衣が着れない」ってメール来てさw

りうら

やっぱ俺に浴衣の着付けはムズかったw

ないこ

俺にもメールすればよかったのに。幼馴染なんだし?

そう言うと、りうらは僅かに笑みを浮かべた。

りうら

まあそうだけどさ、好きな子にはあんま頼りたくないじゃん?

急に意識するようなことを言われて顔が熱くなる。

ないこ

なッ…!///

If

だからって俺を頼んなw
俺だって好きな子と長く一緒にいたいのに

負けじとまろも続く。

こいつらマジで…!//

ないこ

~~ッ///お前ら!早く行くぞ!

If

あれ、ないこ乗り気やん

りうら

やっぱ今日楽しみにしてたの?

ニヤニヤする二人を殴りそうになる。 誰のせいだと思ってんだ。

りうら

あ!見て!

何か気になる物を見つけたようで、りうらが声を上げる。

If

「染花」…、へー、こんなんもあるんや

屋台に置かれた色とりどりの花たち。種類も豊富で、即席の屋台が綺麗に着飾られているように見える。

ないこ

色んな色あるんだねー、どれか買って家に飾ろうかな

りうら・If

俺も買う!

りうら

ないくんりうらに選んでよ

If

俺もー

ないこ

えー…。じゃあ、これとこれとこれ下さい

屋台の人

はーい

選んだのは、サクラソウような花びらの小さな花と、ボタンのような花びらの大きな花。

小さな花は青色の花と赤色の花。大きな花は青色と赤色の混色。

それを受け取り、青く小さな花は俺より背の高い彼の髪に。 赤く小さな花は俺より背の低い彼の髪に挿す。

さっきよりよっぽどかわいさが増した姿に思わず笑ってしまった。

ないこ

似合ってんじゃんw

If

煽ってる?💢

りうら

まあ純粋な感想ではないよね

ピク、と二人の眉が動くのですら面白い。

If

これはないこが付けてた方が似合ってるよ

りうら

だね

そう言って俺の髪に小さな花を挿した。

りうら

あとこれも

持っていた大きな花も取られて、俺の髪に挿される。

If

似合っとるやんw

ないこ

煽ってる?💢

If

べっつに~?w

ないこ

おいまろ。

りうら

wwまあまあ、早く遊ぼうよ。向こうにヨーヨー釣りあるし。ね?

ないこ

…まあ、今日は許しといてやる

If

言い方怖すぎやろw

なんだか 絆された気がしながらも、一歩前を歩くりうらについて行った。

りうら

すいませーん!ヨーヨー釣りしたいんですけど!

屋台の人

はーい!どうぞー!

渡された釣るための 針付きのこよりと器を持ち、早速ヨーヨーを釣る。

もちろん狙う色は桃色。しかし、真ん中に寄っていてなかなか取れない。

苦戦する数分間。

ないこ

ん゛~…

りうら

ないくん取れたー?

りうらは既にヨーヨーを取ることが出来たようで、赤色のヨーヨーを持っている。

ないこ

いや、あれ取りたいんだけど、ちょっとムズい…

りうら

あれね、おっけー

なにが「おっけー」なのか。 そう聞く前に 桃色のヨーヨーを針に引っ掛けるりうら。

そしてそれが俺の手に収まる。

りうら

はい、取れた。

にこ、と優しく微笑むりうらに顔が熱くなる。

ないこ

あ、ありがと…//

りうら

どういたしまして。っていうか、そのヨーヨーりうらとオソロじゃんw

ないこ

あ、ほんとだ。あんま考えてなかったな…w

きゃっきゃと二人で盛り上がっていたら、まろが不服そうな声を上げた。

If

え、俺のところに同じ柄のやつないねんけど

ないこ

別に俺と同じじゃなくてもいいだろw

まるで幼児のような姿に笑ってしまう。

If

やだやだやだやだ、ないこと同じがいい!

りうら

幼児退行するなw

屋台の人

あの、移動してもいいですよ?

屋台の人が遠慮がちに口を挟むのがまた面白い。

ないこ

いいってーw

If

じゃあ移動するー!

その後は特に何もなく俺と同じ柄の青いヨーヨーを釣れたようで、まろがすごく嬉しそうにしてたけど。

たくさん遊んで、空も真っ黒に染まる頃。

休憩、と言って神社の階段の端によって三人座っていた。 もちろん俺は真ん中。

にぎわう少し先の道を眺めながら息を吐く。

ないこ

懐かしいなー…幼稚園の時もここ座んなかったっけ、

りうら

座ってたねー

If

めっちゃ覚えてる

ないこ

ここの神社の人と親が仲良くてよくその人の家に行ってたなーw

If

あー、あったなw

りうら

今思えばすごい経験だよねw

ないこ

お前らが入れてたのも幼馴染だったからだけどな?w

茶化し程度に言った言葉がりうらとまろの心に引っかかったようで。

りうら

……ま、今は”幼馴染”なんかじゃないけど

ないこ

…え、

りうらが俺の腕を掴む。

ないこ

ちょ、まろっ…

まろに助けを求めようと左を向いたが、彼は俺を助ける気なんかないようで。

If

…そういえば、まだ決めてなかったよな?

”どっちと付き合うか。”

今度はその言葉が俺の心を引っかいた。

さっきとは全く違う空気。

幼馴染二人から言い寄られるなんて展開、少女漫画ではときめくようなものだと思うが、俺からしたら恐怖でしかなかった。

なんだか嫌な予感がして、手が震える。

りうら

…ないくん?

ないこ

……ごめんッ…

りうらの手を振り払って駆けだした。

If

ないこッ!?

行く当てもなく走る。

人混みを避けて、さっきの出来事から逃げるように ただ数分間。

でも慣れない下駄で走るのは無理があったようで、右足の親指と人差し指の間が擦り切れてしまった。

ないこ

い゛ッ……!

痛みが邪魔して立てなくなり、その場に座り込む。

浴衣がはだけてだらしない。 感じる周囲からの視線。 涙で視界がぼやける。

このまま泣き崩れてしまおうか。そう思ったとき、

If

ないこ、立てる?

聞きなれた優しい声がすぐそばで聞こえた。

”まろ、神主さん家入れてくれるって!”

続いて聞こえる機械ごしの声。

If

ん、ありがと。あー、ないこ足の指切れてるな

顔をのぞかれてまた俯く。 少し見えたまろの表情は 悲しそうで優しかった。

If

ほら、おぶったるから乗って?

高校生にもなっておぶられるなんて恥ずかしいが、”嫌だ”と断れるわけもなく、大人しくまろの背に身を委ねた。

身体に伝わる畳の冷たさ。

すっかりはだけた浴衣を着付け直すのも面倒で、だらしなく肌を見せたままぼーっとする。

まろとりうらはここにはいない。 絆創膏を買うと言って先程部屋を出ていった。

擦り切れたままの傷は痛むが、今はそこまで気にならなかった。

ないこ

……迷惑、かけちゃったな……

小さく呟いた言葉が空っぽの心に沁み込む。

風に乗って、どこかから桃色の花びらが部屋に入って来た。

そして俺の手元に落ちる。

続いて 風の波に乗って再び俺の手元に落ちる二枚の花びら。 次は青色のものと赤色のものだった。

二人から預かったヨーヨーを自分のそばに置く。

まるで二人がそばにいるように感じて、

”好きな子にはあんま頼りたくないじゃん?”  ”俺だって好きな子と長く一緒にいたい”

数時間前の言葉を思い出して、顔を紅く染める。

そんな自分に嫌気が差して、腕で目元を隠した。

ないこ

…もう、戻れないんだよ

”幼馴染”だったあの頃には。

どっちも好きなのに、”どっちか選べ”なんて。

ヨーヨーはいずれ割れる。 染花はいずれ彩をなくす。 この楽しい祭りはいずれ終わる。 __そして、この関係も。

だから、だから、

ないこ

   、     。

呟いた願いは、夏の湿った空気に溶けていった。

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コメント

4

ユーザー

切なくてステキなストーリーだと思いました(*´ `*)

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