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白久
圭
白久
時は遡って
……うーん……そう、大体一年前!
一年前に遡って、初登校日!
その時の僕は新入生だ。
桜舞う通学路を緊張しつつ歩いてる時だった。
圭
どこからともなく歌声が、それも綺麗な音色の歌声が耳をつきぬけた。
白久
有名なグループの、それまた有名なJ-POPの歌。
僕はその歌に導かれるように歩みを進める。
桜の木を縫うようにして、通学路から逸れると、一人の女性が目を閉じ、桜の木々に語りかけるように笑顔で歌っていた。
その姿は可憐で美しく、まるで絵画を見てるかの如くだった。それに春のそよ風で肩まで伸びた髪が、ふわっと踊りさらに美しさが増していた。
そんな彼女に見とれていると、いつしか歌が終わり、何事も無かったようにその場を後にしようとしていた。
白久
圭
白久
僕の声で彼女は振り返るけど、歌ってる時とは雰囲気が違った。
どことなくクールな雰囲気。先程の笑顔なんて面影すらない程だ。
圭
たった一言、その一言で彼女は……いや先輩はその場を後にしてしまった。
白久
だけど、僕は追わな……って僕も行かないとダメなんだよね!入学式あるんだから!
ーーーー数時間後
僕は無事に入学式を終えた。でもどうも先輩の事が気になって仕方ない。
さらに数時間後、説明だけで今日は終わる。
白久
はぁ……と溜息をつきつつ、帰宅するため下駄箱を見ると一通の手紙が入っていた。
まさか入学初日にラブレター!?なんてある訳もなく。でも何か重要なことだろうと、その場で手紙を開く。
白久
手紙にはその文字しか書いてなかった。
そして翌日。桜の木々に語りかけるように歌っていた先輩は、今日はいなかった。だからこそ、まだ先輩が気になって仕方なかったけど、勉強に支障はなく、そのまま放課後を迎える。
早速僕は三階建ての校舎を登り、屋上へと足を踏み入れる
刹那、聞き覚えのある歌声が僕の胸を高鳴らさせた。
白久
圭
白久
圭
白久
圭
白久
圭
白久
圭
白久
圭
急に先輩は小さな紙を渡してくる。
開けばLimeのiDが書いてあった。ってどういうこと?
圭
白久
圭
白久
今僕は何を言ったんだろうか。とても恥ずかしい言葉をいった気が……ってほら、笑顔のえの字もない顔が真っ赤になってる!
圭
流石の先輩でも恥ずかしいのか、すぐに帰ってしまった。
白久
先輩が見えなくなるのと同時に、緊張を解す溜息をつきつつ、先輩のLimeをスマホに登録してメッセージを送る。
白久
圭
圭
圭
圭
白久
圭
白久
圭
白久
圭
白久
圭
白久
圭
白久
圭
Limeでは全く口調が違う先輩だけど、アプリだからこそだと、僕は驚くことは無い。でもまさか、僕が一番大好きな曲の作詞をしてたなんて……そこに一番驚いた。
圭
白久
その後も、先輩と話す楽しい時は流れていきーー
半年
半年が経った。
圭
白久
先輩と話すにつれて、先輩が気になる気持ちがどんどん高くなって行った。一緒にいる時なんて楽しくて仕方ないほどだ。
それはもう、自覚できるほど恋に落ちた証拠でもあった。
だけど先輩は高嶺の花。どれだけ手を伸ばしても彼女の手に触れることなどできない。
そんな先輩から、最近こうしてCDを貰い受ける。
中身は先輩が作詞作曲したもので、NOTE.の曲では無く、個人用の曲だそう。
それを家に帰って聴くのも、最近の楽しみでもあった。
で、こんな関係だからか周りから結構勘違いされることも多くて、いつしか僕のクラスでは、僕と先輩は付き合ってる事になっていた。
それが半年……いや、先輩が卒業するまで続いて……今に至る
白久
圭
白久
圭
桜舞う木々の下で、僕は勇気を振り絞った。だけど答えはあやふやにされーー
白久
嬉しさのあまりか先輩は笑顔を浮かべていた。今まで先輩の笑顔なんて一度も見た事がなかったけど、すごく可愛い笑顔だ。
圭
その言葉を残して先輩は、僕の目の前から離れていった。
後書き
ちょっと無理くり感あったけど、今週のお題「卒業」に因んだ作品でした。
それにしても久々にテラーで、かつ一人称で書いたからかすっごく描写が多くなった気がします。
話繋がってるかちょっと心配です……
っと後書きはこの辺で。ではまたどこかで