三野
えー、今日は転校生が───
市川彰
市川彰 よろしくお願いします
俺は適当に御辞儀をした
三野
取り敢えず彼処座れー
教室の真ん中を歩く 髪の毛が風で靡く
ガタン と席に座ると隣の女子が此方を見てきた
伊井野千鶴
…あ、あなたが転校生ね!
伊井野千鶴
よ、よろしく …い、市川くん?
千鶴は目をぐるぐるさせつつも必死に俺に話しかける
汗をだらだら流してるがハキハキと喋り
伊井野千鶴
ああっ、あ、わたしは伊井野千鶴───!
三野
おーい煩いぞ
伊井野千鶴
はっ、あ、す、すみませんっ
市川彰
伊井野千鶴
…っべ、別に無視しなくたっていいじゃない!
市川彰
…ん、あ、ああ すみませ───
伊井野千鶴
…ん、んん!
…伊井野は何故か泣いてた
市川彰
……
市川彰
(結局ひとり、か)
学校案内は伊井野の役目だったが男性恐怖症の為 ガイドブックのみ持ち 一人で回ることになった
三輪みつる
あーっ、千鶴泣かせた人だっ!
夢野蛍
ちょ、ちょっと みつる───
市川彰
……
三輪みつる
っむ、無視かっ!
三輪みつる
男の子のくせに生意気だぞっ
市川彰
………は、はいなんですか
夢野蛍
あっ、あの…ご、ごめんね
夢野蛍
みつる───ずっとこうで
三輪みつる
ちょ、ちょっとっ!
市川彰
ん…あ、いいんすよ
三輪みつる
何様だー君は!
三輪は此方に勢い良く指を指し
三輪みつる
…ふっ、でも君、チビだよね
市川彰
…なっ!
市川彰
っ、これでも167だぞ
三輪みつる
いやいやぁ〜、高校生だよ?
三輪みつる
男の子だよっ!?
市川彰
〜〜〜っ
市川彰
…っで、でも!お前だって…ひゃ、155…くらいだし
三輪みつる
ぶっ、ぶー!
三輪みつる
159!
市川彰
そんな変わんねえだろ!
三輪みつる
いやいやっ、クラスでは高い方だから!
市川彰
クラスでは、な?
三輪みつる
せ、先輩なのに…っ!
市川彰
せ、先輩って…一歳違いだろ 学年同じだし…
市川彰
……ってか 俺急いでるんで
夢野蛍
み、みつるぅ〜…
夢野蛍
はやく行こうよ〜私達もそう暇じゃないし…
三輪みつる
っあ、そだね!
三輪みつる
残念っ君に構ってられる程 私ら暇じゃないんだ!
市川彰
……そうかよ
市川彰
んじゃ、
三輪みつる
…なっ、ななんか…
三輪みつる
むかつく…