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保健室

コンコン

莉犬

失礼します。

莉犬

って、誰もいない。

莉犬

まぁいっか。

莉犬

みかさくん、そこ座って。

莉犬

手当てするから。

みかさ

うん。

莉犬くんは勉強もスポーツもできて、学校では人気者でたくさんの人から尊敬されてる人だ。

そんな人と関わることなんて一生ないと思ってたから、莉犬くんが助けてくれた時はすごくびっくりした。

みかさ

あの....

莉犬

まったく、

莉犬

先生ってひどいよね。

みかさ

えっ?

莉犬

生徒が溺れてるっていうのに慌ててばっかで全く頼りがいのない。

みかさ

....。

莉犬

はい!

莉犬

できた。

みかさ

ありがとうございます(ペコ)

莉犬

いえいえ、

莉犬

どういたしまして。(ニコッ)

莉犬

それより大丈夫?

みかさ

はい。

みかさ

痛くもありませんし....。

ガラガラガラ

みかさ

っ!

クラスメートA

よっ!みかさw

クラスメートB

おまえ、溺れてカッコ悪かったぞww

みかさ

....。

莉犬

....。

莉犬

ねぇ、君たち。

莉犬

君たちはみかさくんの友達?

クラスメートA

そうですよw

クラスメートB

スポーツが苦手なみかさくんと友達でいてあげるなんて、優しすぎますよね僕たちw

莉犬

....。

クラスメートA

それに...知ってます?

クラスメートA

こいつ、小学校の頃、料理が好きで毎日、作ったクッキーとかを持ってきてたんですよw

クラスメートB

女子かよってwww

みかさ

....。

クラスメートA

まじでキモイww

莉犬

....別にいいじゃん。

莉犬

男が料理しても。

みかさ

っ!

クラスメートA

は、はっ!お前こいつの肩を持つのかよ。

莉犬

別にどっちの肩を持つとかじゃないけど、俺は男が料理が好きでもいいと思うよ。(ニコッ)

クラスメートB

なんだよ、コイツ!

クラスメートA

勉強もスポーツもできるからって調子に乗るなよ!

莉犬

別に調子になんか乗ってないし、そっちからからんできたんじゃん。

クラスメートA

ッ....ダル。

クラスメートB

戻ろ戻ろ。

みかさ

....。

はじめて、俺の趣味を肯定してくれた。

莉犬

あっ!

莉犬

ごめんね、かってに....。

莉犬

迷惑だったよね....。

みかさ

あっ、いえ!

みかさ

....嬉しかったです。

みかさ

ああ言ってくれて。

莉犬

....。

莉犬

みかさくんは、今でも料理作ってるの?

みかさ

....いえ。

莉犬

そっか。

みかさ

....。

莉犬

でも、食べてみたいなぁ。

莉犬

みかさくんの料理。

みかさ

え?

莉犬

気がむいたらでいいから、作ったら俺にもちょうだいよ。

みかさ

(コク)

莉犬

うん(ニコッ)

莉犬

じゃあ、俺はもう行くね!

莉犬

ねぇ!

莉犬くんは保健室のドアの前で足を止めた。

莉犬

俺、かっこいいと思う!

莉犬

料理なんて誰でもできるものじゃない。

莉犬

やろうと思っても上手くできないことの方が多い。

莉犬

何より、料理は人を笑顔にすることができる!

莉犬

そんな趣味を持ってるみかさくんは、かっこいいと思う!

莉犬

だから、

莉犬

だから自信を持って!!

みかさ

っ!

そう言った莉犬くんは保健室を出ていった。

みかさ

(かっこいいなんてはじめて言われた。)

みかさ

(俺の趣味)

みかさ

自信を持って....か。

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