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それからどのくらいこうしているのだろう。 これで終わりだと思ったのに、若井を解放してあげれると思ったのに、なぜか若井は後ろからぼくを抱きしめたままで、背中を伝って聞こえる鼓動は1週間と同じで早かった。

ねえ、若井。 ぼくとパートナーを組んだ事を間違いだと言ってるんでしょ? それなら、お願いだから早くぼくから離れてよ。

そうじゃないと、この鼓動の速さに何か意味があるのではと思ってしまいそうになるから。

大森

あの...若井、

若井

嫌だ。

何も言わない若井にぼくが話し掛けると、まだ最後まで言ってないのに、嫌だと言葉を遮られ、僕を抱きしめる腕に力が入った。 それは、まるで絶対に離したくないと言われているようで、ぼくの心を締め付ける。 本当は今にでも涙のダムが決壊してしまいそうなのだから、お願いだから離して欲しい。 ちゃんとまた普通の友達に戻れるように、これ以上若井の前で泣きたくないのに。

それでも、やっぱり自ら若井から離れるなんて事出来なくて、またしばらそうして居たが、若井の温もりを感じれば感じる程、辛くなり、もう限界だと、若井の腕の中から逃げようと身を捩った時、若井がやっと重い口を開きゆっくりと話しはじめた。

若井

最初から...

若井

やり直す事なんて無理な事は分かってるけど...

きっと、このまま最終的な終わりを告げられるのだと思い、ぼくは身構える。 聞きたくない...本当は聞きたくないけどはっきり言って貰えた方が、きっと気持ちに区切りを付ける事が出来ると思うから、逃げずに若井の言葉に耳を傾けた。

若井

今の関係を終わりにしよう。

ぼくは下唇を噛んで、涙をグッと堪えた。

ありがとう、はっきり言ってくれて。 大丈夫、心の準備は出来ていたから。

でも、やっぱり辛いな。

若井

それで...

若井

やり直すのは無理だけど...

若井

間違いを正させて欲しい...

間違いを正すってなに? この関係は終わるんだから、間違いは正されたんじゃないの...?

若井

ずっと...ずっと前から元貴の事が好きだった。

うそだ。

若井

パートナーに誘った時にちゃんと言うべきだったのに、怖くて言えなかった...

ほんとに?

若井

本当は、恋愛抜きなんかじゃなくて、元貴の本当のパートナーになりたかった。

冗談じゃなくて?

今まで必死に堰き止めていたのに、涙が次々と溢れ出てくる。 だって、更に早くなった若井の鼓動が、これが本当の気持ちなんだって事を物語っていたから。

大森

ばか。

ねえ、パートナーに誘ってくれた時に言うべきだったって事は、ぼくがSubだと知る前からぼくの事を想ってくれてたって事だよね...? Subとか関係なく、ぼくの事を...

大森

ほんと...ばか。

若井

そうだね。

大森

それは、強がり?

大森

ぼくは、強がりだったよ。

若井

...元貴の口は素直じゃないもんね。

大森

若井だって。

若井

ごめん。

若井

元貴、もう泣かないで。

若井はそう言ってぼくの目から流れる涙を指で拭った。

大森

...キスしてくれたら止まるかも。

若井

え。

大森

ぼくのは冗談じゃないよ。

大森

あの時、すごく傷付いた。

若井

ごめん。

大森

若井、謝ってばっか。

大森

...これからいっぱいしてくれるなら許してあげるかもよ?

ほんと...ばか。 あれは若井にではなく、本当はぼく自身に言った言葉だ。 ダイナミクスなんてものに縛られて大事なものをちゃんと見ていなかったぼくに対して言った言葉。 ぼくは、Subとか関係なく求めて欲しいなんて思っていたのに、若井の言動を全てDomだからだと思い込んでいたぼくは、ぼくの方こそ、若井の事をちゃんと見ようとしていなかったんだから...

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最高じゃねーかよ

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