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俺は23歳の男で 実家暮らしの介護士です
家族は父（52）、母（44）、 弟（18）の4人家族で 弟はこの春から就職のため 一人暮らしを始める予定。
その日も夕食後 居間で父、母、俺でTVを見ながら
母
父
など話しており 弟は自室（弟と自分は同じ部屋）で 就職に関する支度をしていた。
TVは確か『なんでも鑑定団』を 見ていたと思う。
TV
不意にTVにノイズが入った。
俺(A)
すぐに収まったので 俺は気にせずTVを見続けながら
俺(A)
と、話しを進めていたんだが･･･ 両親に目線を移すと ある異変に気付いた。
両親が口を半開きにして、何かに驚いたように 目を全開に見開きTVを見ていた
俺(A)
俺は、今まで見たことのない両親の顔に動揺しながら聞いた。
母
父
しかし、両親は俺を無視し TVを見続けた。
突然、二人の見開いた目だけが俺を見た。
俺(A)
次の瞬間、まるで今まで何もなかったように
母
父
と話し出した。
俺(A)
うちの両親は二人とも、 普段からあまり冗談とかは言わない方で昔から堅い性格だった。
だから冗談でもあんなことをするとは 到底思えなかった。
母
父
二人してキョトンとした顔をしている。
両親の性格を知っている俺は、 それが誰かを騙すためのリアクションではなく、素のリアクションであることが分かり、同時に違和感を覚えた。
俺(A)
両親は覚えていない･･･ 自分達があんな顔をしていたことを･･･
俺(A)
俺は口ごもり、下向いた。
母
俺(A)
父
俺(A)
意味がわからなかった。 突然のことの連発に、かなり困惑している俺は
俺(A)
と、かなりシドロモドロだった。
しかし、両親はまるで当たり前のように 話を進めた。
父
母
両親は尚も淡々と話をしている。 首吊りは汚いとか、睡眠薬がいいとか。 飛び降りは途中で気絶すれば痛くないとか、まるで見たことがあるように･･･
会話の端々では、どこが面白いのか「アハハ」と笑い声も聞こえた･･･
俺(A)
明らかにいつもと違う両親に 不安と怖さを感じて、俺は大声で怒鳴った。 両親が俺の方に顔を向けた。
俺(A)
両親の目が左右逆を向いていた。
母
父
俺(A)
目は左右逆を向いていたが、顔はしっかり俺の方を向きながら、まるで壊れた人形のように繰り返し「死ね」を連呼していた。
俺は耐えられなくなり、 弟の居る部屋に逃げ込んだ。
バン!!
弟
弟は机に座って書類を書いていた。
俺(A)
弟
自分でも何を言っているのか分からなかった。今の自分に起こっていることが理解出来なかった。
俺(A)
訳が分からなくなり頭を抱え
俺(A)
弟が口を半開き、 目を目一杯に見開いていた。
俺(A)
徐々に弟の目が左右逆を向いていくのを見て、俺は玄関に走った。
俺(A)
玄関から外に出る前、 チラッと居間が目に入った。
両親がこちらを向いて立っていた。 やはり、目は左右逆を向いていた･･･
全速力で人の通りが多い場所まで走った。 その後、少し息を整え、 携帯で職場の一人暮らしの先輩に 事情を話し、先輩の家に行った。
先輩は霊やお化けが見える人で、 普通だったら理解不能な俺の話を 真剣に聞いてくれた。
先輩
その日は先輩の家に泊まった。 一睡も出来なかったのは言うまでもない。
次の日の朝6時、 先輩の家から車で30分くらいの 寺に連れて行ってもらい、 そこの住職に前夜のことを話した。
住職
自分の顔を見て、住職は心配そうに言って下さった。 その後、「そのままではいけない」と言われ、先輩と住職と俺の3人で、家に戻ることにした。
家の中は地獄だった。
俺(A)
父は両腕と両足から血をダラダラ流しながら、居間と廊下を歩いていた。
居間の隅には、血の付いた包丁が数本捨ててあった。
父
母は風呂場にいた。
満タンに水の張った浴槽に、自らの頭を突っ込んでは出してを繰り返していた。 自らの手で頭を押しながら･･･
母
弟は、机に向かって文字を書いていた。 ただ･･･手にはカッターを持ち、 机の上には鏡があった。
弟
自宅の住所を体に刻んでいた。
俺は恐ろしさで泣いた。 その後は3人共、住職さんと応援に呼んだ他の寺の方になんとか助けてもらいました。
今は、なんともないです。 ただ、今でも弟と父の体には傷が残っていて、温泉などに行くとかなり鬱になります。
後日、住職さんに話を聞くと
住職
まだ呪いは続いています。 呪いは多分、解けません。
