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寧々

白石さんを止めるって……どういうこと……?

こはね

……ごめんね、急にこんなこと言って

寧々

ううん、それは...大丈夫

こはね

...草薙さんは、杏ちゃんの様子がおかしいことに気がついてた?

寧々

えっ……?

寧々

(白石さんの様子がおかしい……?)

寧々

(そんなこと、分からなかっ───)

思考を巡らせていたところで、あることに気がつく。

寧々

……うん

ゲーム終了ミッションの説明をされた後の食堂で、確かに違和感を覚えた。

あんなに他人の決断を止めようとするのは、確かにおかしい。

こはね

杏ちゃんは……きっと精神汚染のせいでああなってる

こはね

私はそんな杏ちゃんを救いたい

こはね

だから───力を貸してほしいの!!!

そう言う小豆沢さんは、真っ直ぐな目をしていた。

これは覚悟を決めた目だと、理解した。

寧々

───うん、もちろん。

寧々

一緒に白石さんを...皆を助けよう!!

こはね

!!

こはね

ありがとう、草薙さん

数分後

こはね

……じゃあ、あとはよろしくね。草薙さん

寧々

うん、任せて。

私は草薙さんと別れた。

こはね

(……杏ちゃん、待ってて)

こはね

(私が助けるから。)

もう、戻れないんだよ?

こはね

……わかってる

杏ちゃんのために、あなたは死ぬの?

こはね

死なないよ

???

ううん、あなたは死ぬよ

こはね

───うるさいッ!!!

これも精神汚染の影響……なのかな。

昨日からずっと、誰かの声が聞こえる。

こはね

……大丈夫、行こう

こはね

(ゲーム終了ミッションの挑戦場所は...ここ)

説明の後に届いていたメールを頼りに、たどり着いた場所。

そこはエレベーターの中だった。

こはね

...ゲーム終了ミッションに挑戦します

エレベーターを開けるのに必要なパスワードは、これだけだった。

初音ミク ?

───早速挑戦に来てくれたんだね!

スピーカーからミクちゃんの声が聞こえる。

初音ミク ?

最初の挑戦者はこはねだね!来てくれてありがとう♪

その声は、ミクちゃんだった。

セカイのミクちゃんと、何も変わらない声。

初音ミク ?

じゃあ、ゲーム終了ミッションについて説明するね♪

こはね

うん、お願いします

初音ミク ?

ゲーム終了ミッションの内容は_______________だよ♪

こはね

───えっ?

一方その頃

小豆沢さんと別れた私は、白石さんの部屋に向かっていた。

寧々

(……静かだな……)

自分以外の音が何もしない廊下。

まるで、ひとりぼっちになってしまったみたい。

寧々

(そんな訳、ないんだけどさ)

寧々

……セカイから帰れたら、私たちはどうなるんだろ

ふと浮かんだ疑問。

答えなんて、見つかる訳もなく。

寧々

(あとでゲームマスターにでも聞こう)

そんな事を考えていた。

寧々

───っ!?

その瞬間、後ろから聞こえた音に身体を震わせる。

寧々

(誰か来たッ……?)

考える暇も確かめる暇もなく、答えは出された。

───草薙さん?

寧々

えっ...し、白石さん……!?

こんな所で何してるの?

その声も、見た目も。 確かに白石さんだった。

……こはねは、どこにいったの?

寧々

(さっきの会話、聞かれてた……!?)

ごめんね、さっき話してたの聞こえちゃって!

でも……悪いのは草薙さんだよね?

寧々

(聞かれてたってことは、白石さんはモニタールームにいたんだ)

寧々

(何のために……?)

そこから導き出される答えに、血の気が引いた。

寧々

……監視?

……やっぱ草薙さんにはバレちゃうかー

そうだよ。私はこはねを監視してた。
どうしても、こはねに死んで欲しくなかったから。

寧々

ッ、そんなの、おかしいんじゃないの……、?

草薙さんに何が分かるの!!?

このゲームは、死ぬ可能性があるの!!!
もしチームの仲間が死んじゃったらとか、考えないの!?

私は声を荒らげた。

寧々

……考えるよ!!!

寧々

眠る度に考えた!!!もし司が死んだら、えむが死んだら、類が死んだらって!!!

寧々

でも、だからってその人の行動を制限していい理由にはならない!!!
そうでしょ!?

寧々

……だから、ダメだよ

寧々

小豆沢さんの選択を、否定するようなことをしたら

でも……私はこはねに死んで欲しくない……

寧々

……じゃあそれが、人を傷つける理由になると思ってるの?

寧々

思ってるか。だから東雲くんを刺そうとしたんだもんね。

……なんで、草薙さんがそのこと

寧々

小豆沢さんから聞いた。
ゲーム2日目に、小豆沢さんに近づいた東雲くんにナイフを向けたって。

寧々

そうやって、人を傷つけて守られる小豆沢さんの気持ち、考えないの?

震える声を必死に絞り出す。

もしかしたら私は、ここで死ぬのかもしれない。

白石さんは精神汚染のせいで、ブレーキが外れてしまったみたいに見えるから。

小豆沢さんを守るためなら、私くらい殺せるはず。

それでも私が、この作戦に乗った意味。 それは、たった一つだけ。

このクソゲーを終わらせるため。

寧々

(……ちょっと言いすぎたかな)

寧々

(まあでも、止めるためならこれくらい───)

寧々

……え

その瞬間、痛みが身体中に走る。

バチッ!!

寧々

〜〜〜っ!?

寧々

(なに、これ、、、、?いたい、、、しびれ、いや、、、、)

寧々

(めのまえ、みえな、……)

寧々

……スタンガン……?

白石さんが持っていた武器の形状から、導き出された答え。

そこに勝機は無かった。

寧々

(!!!しらいしさんが...逃げ、)

寧々

……待って……!!!!

何、まだ起きてたの?電圧上げたのに

必死に出した声。 それが届いたのが、唯一の幸運。

そこにいる白石さんは、もう白石さんではないように思う。

もう1回やれば、流石に……

寧々

……っ!!

寧々

(小豆沢、さん、、、、、、おねがい、はや、く)

???

……杏ちゃん?

えっ……

寧々

(もしかして、、、、、!)

こはね

何、してるの?

寧々

あずさわ、さん……!!

NEXT→♡500

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709

コメント

5

ユーザー
ユーザー

面白かったー!!!

ユーザー

ミクちゃんがそんな簡単にゲーム終わらせるかぁ…?本物のこはねじゃない可能性も…

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