頭を強く打ち出血したが命に別状はなかった───
が───
来栖 璃央
璃乃!大丈夫か?
水波 璃乃
……誰?
来栖 璃央
え…?
水波 璃乃
誰…ですか?
嘘…だろ
来栖 璃央
璃乃…
水波 璃乃
りの?
記憶喪失だった…
医師
記憶喪失ですね
璃乃の母
どうして…どうして璃乃が…
来栖 璃央
お母さん…すいません
璃乃の母
なんで璃央くんが謝るの?
来栖 璃央
ちゃんと守れなくてすいませんでした
璃乃の母
その時の状況がわからないから何とも言えないわ…
璃乃の母
先生!記憶は戻らないんですか?
医師
調べたところ学習面では問題なかったんですが
医師
自分自身、廻りの人のことはわからないみたいです
言葉が出なかった───
璃乃の母
璃央くん…
来栖 璃央
はい…
璃乃の母
ごめんなさいね…
来栖 璃央
いえ…
それから俺は毎日通った───
水波 璃乃
こんちにわ
来栖 璃央
こんにちわ
思い出せよ…
来栖 璃央
天気いいから外に散歩行かない?
水波 璃乃
うん
碧井 蓮士
璃乃!
水波 璃乃
蓮士くん!
来栖 璃央
え…
碧井 蓮士
散歩?
水波 璃乃
うん!来栖くんが行こうって
来栖くん…か
また璃央くんって呼ばれる日は来るのかな?
碧井 蓮士
璃央ちょっといい?
病室の外に出た
碧井 蓮士
璃乃に俺ら付き合ってたって言ったから
来栖 璃央
え…?
来栖 璃央
でも璃乃は…
碧井 蓮士
覚えてなかったよ…
碧井 蓮士
けど付き合ってたことは事実だから
来栖 璃央
なんで…
碧井 蓮士
ん?
来栖 璃央
なんでそう勝手なんだよ…
碧井 蓮士
は?
あの日LINEで別れ話が済めば蓮士さんと会わずに済んだ───
柊花さんに突き飛ばされずに済んだ───
来栖 璃央
なんでいっつも勝手なんだよ!
来栖 璃央
返せよ…
来栖 璃央
俺の事を好きだった璃乃を…
碧井 蓮士
俺も璃乃が好きだから
碧井 蓮士
お前には渡さないって言ったろ
来栖 璃央
ふざけんなよ!
碧井 蓮士
どんな手を使ってでも璃乃は俺のものにする
来栖 璃央
あんたの記憶がなくなれば良かったのに…
そう言い放ち俺は病院を後にする
翌日───
市川 栞莉
来栖くん!
来栖 璃央
市川ちゃん…
市川 栞莉
璃乃の様子どう?
来栖 璃央
……
黙って首を横に振った───
市川 栞莉
今日お見舞いに行こうと思ってるんだけど、一緒に行かない?
来栖 璃央
……うん。いいよ
市川 栞莉
会うの辛いとかだったら全然いいんだよ?私一人で行くから
来栖 璃央
ううん!
来栖 璃央
記憶がなくても璃乃の顔毎日見たいから
市川 栞莉
来栖くん…辛いよね
市川 栞莉
泣いてもいいんだよ?
来栖 璃央
市川ちゃん…何言ってんの?笑
来栖 璃央
俺が…泣くわけ…
ツーーー
頬に涙が蔦るのを感じた───
ギュッ───
市川 栞莉
無理しないで?
市川 栞莉
泣きたい時は泣きなよ
璃乃の記憶が無くなってから1週間
泣かずにずっと耐えていた…
が、市川ちゃんの一言で涙腺が緩み泣いてしまった───
来栖 璃央
情けな…







