繁華街
英二
すごい賑やかだね。
シン
英二、日本の繁華街は初めてか?
英二
うん、初めて
シン
ここら辺、変な勧誘とかあるから掴んどけ
シンは自分の裾を差し出す
英二
男らしいじゃん
シン
え?
英二
女口説く時もこうやってんの?
シン
いや
シン
英二
???
英二
ごめん変な事聞いた。
シン
いや大丈夫なんだ。
シン
笑わないで聞いて欲しいんだが
シン
実は俺は全く経験がない。
英二
Even a lettle?
シン
あぁ、少しも、だ。
英二
ぷぷっ...
英二は頬を膨らませる
シン
おい?!笑うなって言っただろ?!!
英二
ふはははは
英二は堪えきれずに吹き出してしまう
シン
童貞なめてっと痛い目見るぞ?!!
シン
あと英二はどうなんだよ!
英二
俺?
英二
教えなーい
シン
こんにゃろ〜!
英二
はは、懐かしいねこうやって遊ぶの。
シン
そんなに覚えてないんじゃなかったっけ
英二
いや、最初はビックリしたから反動で思い出せなかっただけ。
英二
シン、覚えてる?
英二
チャイナレストランでご飯食ってたら
英二
警察の人がいきなり入ってきてさ、
英二
銃構えてたけど
英二
俺ら見た途端
英二
「あぁ、子供か...」ってすっ転んで
英二
馬鹿みたいっ
シン
ああ、覚えてるよ
英二とシンは顔を見合わせて爆笑した
英二
そういえば「アッシュ」はどうしてる?
シン
シンの様子が途端に豹変した
英二
シン?
シン
英二、覚悟して聞いてくれ。
英二
おう
シン
アッシュは
シン
死んだ。
英二
英二
は
英二
はぁ?
英二
そういう冗談よせよ
英二は目を細めて笑ってみせる
しかしシンの顔はビクとも変わらない
シン
英二
ほんと?
シン
あぁ。
英二
そっか。
二人の間に沈黙が流れる。
英二
アッシュは何で死んだんだ?
シン
俺の兄が殺した。
シン
ごめん
英二
シンがそう落ち込む必要はないよ。
英二
君のお兄さんは何でアッシュを
殺したんだ?
殺したんだ?
シン
アッシュは沢山の人を殺してきた。
シン
きっとそんなアッシュが俺の傍に居ることに嫌気が差したんだろう。
シン
アッシュが君に会いに行くって言って
アメリカへ向かう当日に襲われた。
アメリカへ向かう当日に襲われた。
英二
うそだ
英二
アッシュは弱くない!
英二
負けるはずがないんだよ。
シン
いいやほんとだ。
シン
アッシュが亡くなった時、手には英二。
君の贈った手紙が握りしめられていた。
君の贈った手紙が握りしめられていた。
シン
きっとアッシュは君のことで頭がいっぱいになって隙を見せてしまったんだろう。
英二
そんな
英二
それって俺が書いた手紙のせいで...
シン
違う!
シン
英二は何も悪くない!!
シン
アッシュが亡くなった時俺は驚いたよ。
シン
アイツは凄く幸せそうな顔をしていた。
英二
なんで、
シン
きっとアイツは君と本当の意味で友達に
シン
いや、「それ以上」になれたことに幸せを感じたんだろう。
シン
死ぬなら幸せのまま死にたい。
シン
アッシュが零した言葉だ。
英二
おれ...
シン
俺も凄く悔しかった。
シン
アイツが何で死んだのか。
シン
悔しくて悔しくて堪らなかった
シン
けどアッシュが死んだのは事実だ。
シン
それ以上も以下もない。
英二
アッシュ...
英二
シンごめん、
英二
ありがとう
英二は口角をつり上げたが
明らかに元気を無くした様子だ。
シン
英二。
英二
ん?
シン
いや、なんでもない。
英二
どうしたんだよ
ここで言ってしまったら英二は 更に色んな事を抱えて、悩んでしまう。
シン
なんでもねぇよ
シン
英二!
シン
何が食べたい!!
英二
んー、やっぱ日本に来たんなら
ラーメンかなあ
ラーメンかなあ
シン
おし!いくぞー!
シン
付いてこい!食いしん坊!!