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キミは夜を照らす月。 -毎日キミに恋してます-

第10話 - キミは夜を照らす月。 -毎日キミに恋してます- 第10話

21,423

2020年11月25日

#青春恋愛

#学園

#年の差

#キス

春野せり

大島恭夜

もっと汗かいたら…熱も下がるかも？

藤堂瑠菜

…っ！？

大島恭夜

あれ？意味分かんない？

藤堂瑠菜

（いくら私でも、もうそれくらいの意味は分かるんだから！）

藤堂瑠菜

分かります！！

大島恭夜

ははっ…瑠菜、真っ赤

恭夜くんは腕を離してくれた

大島恭夜

（照れると敬語になるのもまだ変わんねぇな…）

藤堂瑠菜

あ～もう！知らないっ！

藤堂瑠菜

ほら、薬飲んだんだから、ゆっくり寝ててよね！？

藤堂瑠菜

治んないよ！？

強制的に、恭夜くんをベッドに寝かせる

大島恭夜

最近、そういうことしてねぇしなぁ…

藤堂瑠菜

そ、そういうのは…ちゃんと意識があるときにしたいから…っ

大島恭夜

（…意識ありますけど？）

大島恭夜

はぁ…瑠菜には勝てねぇなぁ

藤堂瑠菜

…？

大島恭夜

瑠菜にうつしてもダメだしな…おとなしくしてる…

藤堂瑠菜

…うん

藤堂瑠菜

（あれ？シュンとなっちゃった？）

藤堂瑠菜

（マスク越しなら…いいよね？）

藤堂瑠菜

恭夜くん…っ…

横たわっている彼に近づき、マスク越しにキスしてみた

藤堂瑠菜

今はこれで我慢して…

大島恭夜

…はい

大島恭夜

（なんかマスク越しって逆にヤバイかも…）

数日後

この日は、帰りにすみれちゃんと米原くんとカフェに寄った

藤堂瑠菜

（そうだ！相談するの忘れてた！）

藤堂瑠菜

ねぇ、すみれちゃん…

宮下すみれ

ん？なに？

藤堂瑠菜

3人でどこか出かけない？

宮下すみれ

えっ！？

米原康生

…………

米原康生

（やっと、その話出たか…忘れられてるかと思った）

宮下すみれ

いいけど…どこ行く？

米原康生

藤堂さんは行きたいとことかある？

藤堂瑠菜

そうだなぁ…初めて3人で出かけるし遊園地とかは？

宮下すみれ

いいね！私は賛成

米原康生

別にいいけど。あっ、そうだ…

米原康生

3人ってなんかバランス悪いし、もうひとり男友達誘っていい？

藤堂瑠菜

私はいいけど…

宮下すみれ

私もいいよ

米原康生

高校は違ったんだけど、中学からの友達でさ

米原康生

神無達樹って奴なんだけど、誰とでもすぐに仲良くなれるタイプだから笑

宮下すみれ

なんか、チャラそう…

藤堂瑠菜

…同感

米原康生

まぁ…見る人によっては少しチャラいかも？笑

米原康生

でも、全然いいやつだからさ！それは僕が保証する

米原康生

高校の時、病気の友達のために色々してたらしいんだ

藤堂瑠菜

（内容がよく分かんないけど）

藤堂瑠菜

（米原くんの友達だし…きっといい人なんだろうね）

宮下すみれ

じゃあ、米原くんはその人を連れてきて～

米原康生

あぁ。来るって言ったらな

宮下すみれ

うん

藤堂瑠菜

今週の日曜にする？

宮下すみれ

いいよ～

米原康生

了解～

藤堂瑠菜

朝の10時くらいに△×遊園地に現地集合でどうかな？

米原康生

そうしようか

宮下すみれ

うん！

日曜日の朝

天気も良く、遊園地で遊ぶにはもってこいの日となった

大島恭夜

もう行くのか？

藤堂瑠菜

うん！10時に現地集合なんだ～♪

大島恭夜

…………

大島恭夜

楽しそうだな…

藤堂瑠菜

…？あれ？寂しい？笑

大島恭夜

バカ言うな。そんなんじゃない…

大島恭夜

さっさと行ってこい

大島恭夜

（そして早く帰ってこい…）

大島恭夜

（遊園地くらいで、なに妬いてんだ…俺は…）

藤堂瑠菜

恭夜くん、こっち来て？

大島恭夜

はぁ？なに…んっ！

藤堂瑠菜

…っ

藤堂瑠菜

へへっ…いってきますのキス…笑

藤堂瑠菜

じゃあね！

私は足早に玄関へと向かい、そそくさと家を出た

大島恭夜

…ったく、やることがいちいち可愛すぎんだろ…

午前10時ごろ

藤堂瑠菜

（一番先に着いちゃった…。皆、もうすぐ来るかな？）

10分後

宮下すみれ

おはよ～瑠菜

藤堂瑠菜

おはよう！

宮下すみれ

あれ？米原くんたちはまだ？

藤堂瑠菜

うん、まだ来てないよ～

宮下すみれ

あっ！来た来た！

米原康生

おはよう

藤堂瑠菜

おはよう！

藤堂瑠菜

あっ、もしかして神無くん？

神無達樹

どうも。初めまして、神無達樹です

藤堂瑠菜

初めまして、藤堂瑠菜です

宮下すみれ

瑠菜の友達の宮下すみれです…

宮下すみれ

思いの外、チャラくないね？

藤堂瑠菜

うん、私も思った…

神無達樹

えっ？

神無達樹

おい、康生…どういうことだ？

神無達樹

なんか変なこと言った？

米原康生

あっ、いや…達樹は気にしなくていい

神無達樹

…？

宮下すみれ

早く中入ろう～

米原康生

うん

神無達樹

なにから行く～？

宮下すみれ

私は何でもいいよ～

米原康生

僕も

藤堂瑠菜

じゃあ、あのジェットコースターはどう？

神無達樹

マジか…

米原康生

あれ？達樹、絶叫系無理なタイプ？

宮下すみれ

…見かけによらないわね

藤堂瑠菜

だね

神無達樹

…………

神無達樹

（俺は一体、どんな風に思われてんだよ…）

神無達樹

無理っていうか…まぁ…そうかも笑

藤堂瑠菜

あっ、じゃあ…私ここで神無くんと待ってる！

藤堂瑠菜

米原くんとすみれちゃん行ってきていいよ～！

宮下すみれ

えっ、瑠菜が言い出したんだし、乗りたいんじゃないの？

藤堂瑠菜

ううん、適当に見えた乗り物言ってみただけ笑

米原康生

何だよそれ笑

神無達樹

藤堂さん、俺ひとりで待ってるから行ってきていいよ？

神無達樹

せっかく来たんだし

藤堂瑠菜

ううん、神無くんには…こっちから誘って来てもらったわけだし

藤堂瑠菜

いきなり放置ってのも…さ？笑

藤堂瑠菜

それに、私もどっちかというと苦手だし笑

宮下すみれ

そう？…じゃあ米原くん、行こう？

米原康生

あ、うん…

米原康生

（友達とふたりきりにして…大丈夫だよな？）

米原康生

（達樹には藤堂さんに彼氏がいること、言ってないんだけど…）

すみれちゃんたちは、ジェットコースターの列に並びに行った

神無達樹

藤堂さんって…康生の彼女？

藤堂瑠菜

えっ！？

藤堂瑠菜

とんでもない…っ！違いますよ

神無達樹

なんだ…そっか笑

神無達樹

てっきりそうなのかと…

藤堂瑠菜

（そんな風に見られてたんだ）

神無達樹

ってことは、宮下さんが…アイツの彼女とか？

藤堂瑠菜

…！いや…違うと思います…

神無達樹

あれ？どっちかが彼女なのかと思ってたけど…それも違ったか笑

神無達樹

藤堂さんは彼氏いんの？

藤堂瑠菜

…はい

藤堂瑠菜

（詳しくは話せないけど、いるってことくらいは言っといてもいいよね？）

神無達樹

そっか～。俺も作んねぇとなぁ…

藤堂瑠菜

神無くんこそ、いるかと思ってました笑

神無達樹

高校ん時もさ…友達にばかり手を焼いてて

神無達樹

自分の恋愛どころじゃなかったっつーか…

神無達樹

（まぁあれは…特殊な体験だったけど）

藤堂瑠菜

優しいんですね…

藤堂瑠菜

きっと、神無くんにも素敵な人が現れますよ！

神無達樹

ははっ。藤堂さんにそう言われると現れそうな気がするよ笑

神無達樹

藤堂さんの彼氏くんは幸せだろうね～

藤堂瑠菜

…っ

神無達樹

（具体的になにも言ってねぇのに…照れるとか）

神無達樹

（どんだけ純粋なんだよ…この子）

約30分後

宮下すみれ

楽しかった～！！

米原康生

すみれは叫びすぎ…

宮下すみれ

そんなに叫んでないよ！？

藤堂瑠菜

（すみれちゃんって…意外と叫ぶタイプなんだ）

神無達樹

他の乗り物行こうぜ～

こうして、4人でたくさん遊んで楽しく過ごすことができた──

数日後の夜

藤堂瑠菜

（恭夜くんに話そうか迷ったけど、なにかあってからじゃ遅いもんね）

藤堂瑠菜

（とりあえず、耳に入れておくだけでも…）

藤堂瑠菜

私の勘違いかもしれないけど…

藤堂瑠菜

学校の帰りに誰かに後つけられてる気がして…

大島恭夜

えっ…いつから？

藤堂瑠菜

正式には分かんないけど、気づいたのは昨日かな

大島恭夜

行き帰りの送り迎えしてあげたいけど、俺も学校があるから難しいんだよな…

大島恭夜

瑠菜…極力、人通りが多い道を通れよ？

藤堂瑠菜

うん…

大島恭夜

俺も、なにかいい方法がないか考えてみる

翌日の放課後

藤堂瑠菜

…………

藤堂瑠菜

（駅から何となく思ってたけど…やっぱり、後をつけられてる！？）

今日は帰りが少し遅くなり、周りも薄暗い

藤堂瑠菜

（ちょっと早足で歩いてみようかな？）

すると、後をついてきているであろう『誰か』も、早足になった

藤堂瑠菜

…！

藤堂瑠菜

（やっぱり、後をつけられてる！）

藤堂瑠菜

（近くにどこか避難できるような店とかあったらいいけど…）

藤堂瑠菜

（もうさっき、コンビニ通り過ぎちゃったし！）

もうすぐマンションに着く…そう思った瞬間──

ガシッ

藤堂瑠菜

…！！！

背後から腕を掴まれ、口を手で塞がれてしまった

藤堂瑠菜

…！？

ストーカー

騒ぐなよ…

藤堂瑠菜

…っ

キミは夜を照らす月。 -毎日キミに恋してます-

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