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ブラック

…!?一体何が!?!?

言葉を発するブラックだが、相当遅い

さっきの事があまりに唐突で、不意をついた出来事だったから

ドンッ!!!という鈍い音が聞こえたと思ったら、この風圧に動じず、赤ちゃんがブラックに突進してきたのだから

ミサイル並の速さで、己の体に激突したものだから、赤ちゃんに恐怖すら覚えた

____本人も、訳が分からない顔をしていたが。

赤ちゃんは慌ててブラックの上から飛び降り、早口でまくしたてた

赤ちゃん

お…おい!!何が起こったんだ!

ブラック

何が起こった、じゃありませんよ…

ブラック

貴方が私の腹部に痣ができる程突進してきたじゃないですか…

赤ちゃん

それはすまねぇ!けど俺の意思じゃねぇんだ!

ブラック

え…?という事は?

赤ちゃん

誰かに「押された」んだよ!!

「押された」ブラックは身に覚えがなかった

激突されたのは彼なのだから、その位置で彼が赤ちゃんを押せる訳が無い

それに____ブラックの力で、あの赤ちゃんをそれほど強く押せるのだろうか?

押せたとしても、可能なのは被害者赤ちゃんだけだ。

……何か、道具を使ったとしか思えない

もう一つ、不可解な事があった

ブラック

…そういえばブラックホールが止まりましたね

赤ちゃん

確かに、何で止まったんだ?いきなりすぎんだろ……

赤ちゃんはブラックホールの元、コアへ目線を向ける

その瞬間、石のように固まってしまった

ブラック

……?どうしたんで───

ブラック

っ!!!

ブラックも言葉を失う

____だって、そこには

コアが地に落ち、転がっている中に───銀さんが半身、吸い込まれていた

赤ちゃん

……銀さん!!

ブラック

大丈夫ですか!?!?

二人は足に火がついたような速さで走り出した

ブラック

一体何が!?

ブラック

____まさか、貴方……

銀さん

俺には…時間がねぇ…さっさと話すから、聞いてくれないか?

二人は銀さんの柔らかい瞳の光を見て、力強く頷く

───彼は完全に下半身がコアに吸い込まれ、コアから銀さんの上半身が出ているような状態だった

銀さん

まず…謝らないといけないな

銀さん

…赤ちゃん、ブラック、本当に……ごめんな

銀さんはまるで地面に頭を擦り付けるように土下座した

でも、二人は銀さんが謝るような事は何一つないと思っていた

____彼が、事実を口にするまでは

銀さん

赤ちゃんを押したのは…俺なんだ

銀さん

絶対このブラックホールは止まらないから…俺の前にいた赤ちゃんを、ハンマーで無理にぶっ飛ばしたんだ

赤ちゃん

は…っ…?何で…だよ…銀さん……

銀さん

その先にブラックも居たから、一石二鳥だったぜ

銀さん

二人を…救えたからな

銀さんはそっと微笑む

彼が話した現実と、押されたという事実

ピタリと、パズルのピースのように繋がって、次の行動の予想が付く

この予想は、見る「現実」からだ。

───逃げたい。 二人の鳥肌が、そう訴えかける

銀さん

その後、俺は…ブラックホールに吸い込まれちまったんだよな

銀さん

…二人共、本当に……ごめん

ブラック

……貴方が謝る理由がありませんよ…

ブラック

何も、悪いことしてないじゃないですか…

赤ちゃん

…でも、コアと銀さんって別だろ?

赤ちゃん

…身体は消えちまうかもだけど、きっと……!

銀さん

赤ちゃん、それは…無理だぜ、絶対

赤ちゃん

は…?そりゃあ…何でだ?

覚悟を決めた意志を声を通して外に出す

銀さんは微笑んだ。

悲しそうな、コテンと壊れてしまいそうな、安心するような…抱え切れない想いの殻を映した笑いだった

銀さん

…吸い込まれた時、途端に足…下半身が無くなるのを感じたんだ

銀さん

その変な感触は…すぐに分かったぜ

銀さん

俺の下半身が、コアに吸収されたんだ、ってな

ブラック

……それは……つまり………

銀さん

俺は…半分コアと合体した状態なんだ…

銀さん

このままだと…俺は完全にコアに吸収されて、コアが復活すると思う

銀さん

───俺のシールド能力を手に入れてな…

二人の顔に、生気はなかった

絶望に、呑まれる寸前の……「負の表情」

銀さん

だから…

血で汚れた銀髪を揺らし、顔を上げる

彼らと同じく「負」に堕ちる寸前だったが……爪の先にある「希望」を最期まで燃やす。 これだけは、言えた

銀さん

コアを、壊してくれ、俺が居なくなっちまう前にな…

答えられない。

あまりにも、取り返しのつかないリスクが暗い場所に置かれているからだ

『───怖い、嫌だ、やりたくない…………』

己の無力さに、反吐が出る

空回りだけの力に、反吐が出る

____二人は、数少ない時の中、大粒の涙を流した

服に顔を埋める背中に、どれだけ大きいものが乗っていたのだろうか。

何百発と鞭を売った身体は、人生のキズ【傷、疵】を述べる。

銀さんは…今にも嗚咽を響かせて泣いてしまいそうだった。

ブラックが口を開く

その頃には、銀さんはさっきよりもコアに吸い込まれているように感じた

ブラック

……分かりました

ブラック

本当に…ありがとうごさいました

赤ちゃん

銀さん…本当に…ありがとうな……

銀さん

ごめん………ありがとう……

二人が、武器を手にかける

目は、固く瞑って。

赤ちゃん

「赤ちゃんパンチ」

ブラック

「ブラックレーザー」

パリィィィィン!!!

コアが、割れた

SPの本体以外───分裂体を全て倒した。 残すは、真の「コア」を持つ、本体のSPのみ。

遠くに、黒いモヤがかかっている所があるが、恐らくあそこに「居る」のだろう。 二人はただ、地面が割れるんじゃないか、そう思う程踏みつけて駆けていた

その途中、同じ志を持つすまない先生と合流した

一瞬、目が合う

言葉は交わさなくとも、伝う───……

───それぞれ倒す時、何が起こったかは。

無言で走る彼らの瞳には、何にも属さないが、何よりも強い感情が渦巻いていた

彼らは跳ぶ

討つべき敵を討つために、追うことを決して諦めない。

すまない先生は血管が浮き出る程強い力で草薙の剣を握り、青々と光る瞳は、滲み出る輝きが残像になって糸を引いている。

「真のコア」を目の当たりにした三人は、まるで別人だった

____【覚醒】と具現化すべきか。

トッ

何本もの触手が伸びる中、三人は思い切り跳んだ

それからは、永遠に戦いの音が轟き、血や肉体が、衝撃に消されるように散っていた…………

ドオオオオオン!!!!

パリィィィィィン!!!

まるで、断末魔のような、砕ける音

SPは、消滅した。

彼らが、奴の息の根を止めた。

運命【サダメ】の裏表

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コメント

4

ユーザー

うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!悲しすぎる!今回ちょっとグロくて悲しい!銀さぁぁぁぁぁん!上半身だけで出て、下半身が吸収されているとか悲しすぎる…絶対痛かったよね…ブラックも赤ちゃんもよくやった!銀さんに罪を重ねることなくやるべきことをやってくれた!本当にそれは勇気あることだと思う! すまない先生にも伝わっちゃったか…もう後戻りできんもんね、生徒…仲間を♡♡♡た相手『元凶』を倒すしかないもんね… 最後の叫んだもん!もう本当凄かった!すまない先生、ブラック、赤ちゃん、そして皆のために命を尽くした生徒達!よくやった!SP撃破!おめでとう!

ユーザー

え、嘘だろ 初期面しかいないじゃん むしろこれ全員死ぬか生き返るかしかハッピーエンドにならなくない? sp許さないよくも推しを悲しませたな

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