テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
アナウンス1
その一言で、 リビングの空気が凍りつく。
誰も喋らない。 誰も、動けない。
端末を握る手に、 じっとり汗がにじむ。
——結果は、もう出ている。
アナウンス1
一拍。
ほんの、 一拍の間。
心臓が、 その隙間で跳ねる。
ななもり。
一瞬、 音が消えた。
莉犬
えと
ジェル
さとみは、 何も言わず、 ななもり。を見る。
ななもり。
乾いた笑い。
ななもり。
……否定、しない。
ななもり。
ななもり。
顔を上げる。
ななもり。
ななもり。
その言葉に、 背中が冷たくなる。
アナウンス2
処理は、 淡々と進む。
床の光が、 ななもり。の足元に集まる。
ななもり。
最後に、 意味ありげな視線を、 ころんに向けて。
次の瞬間。
光が弾け、 ななもり。の姿は、 完全に消えた。
沈黙。
誰も、 すぐに言葉を出せなかった。
えと
ジェル
ジェル
端末が、 同時に震える。
【夜の時間に移行します】
扉が、 ゆっくりと閉まり始める。
ギ……ッ
ガチャ……
各自、 自分の部屋へ。
——その途中。
ころんは、 廊下の端で、 ふと足を止めた。
……誰か、いる?
壁際。
影が、 一つ—— いや、二つ。
重なって、 揺れている。
声は、 聞こえない。
でも。
“視線”だけが、 確かにこちらを向いた。
端末が、 ごく微かに振動する。
表示は、 アナウンスじゃない。
【観測ログ:接続中】
【——見えてないだけ】
……っ。
画面を見上げた瞬間。
影は、 もう、なかった。
廊下には、 誰もいない。
さっきの影。
……二つ、だった。
重なってた。
——まるで、 最初から 「一人じゃない」みたいに。
扉が、 完全に閉まる。
夜が、 始まる。
そして。
この村に、 “参加者として認識されていない存在”が 静かに—— 動き始めていた。