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夜を告げる表示が、 端末に浮かぶ。
【夜の時間です】 【行動を開始してください】
扉の向こうで、 鍵がかかる音。
カチ……ッ
完全な孤立。
ころんは、 ベッドに腰を下ろしたまま、 動けずにいた。
——ななもり。は、消えた。
でも。
「本物は、まだ残る」
その言葉が、 頭から離れない。
端末が、 不規則に震える。
……通知?
画面を確認する。
【観測ログ:接続中】 【観測者以外、閲覧不可】
ころん
じゃぱぱが言ってた。 「見てた側」。
誰かが、 “見ている”。
その瞬間。
画面が、 一瞬だけ歪んだ。
【——二重観測】
……二重?
次の瞬間、 別の文字が割り込む。
【ログ改変:発生】 【攪乱値、上昇】
ころん
誰かが、 “観測”を邪魔してる。
じゃあ、 観測者は一人じゃない?
それとも——
コツ……
廊下から、 微かな足音。
一人分。 でも、 どこか軽い。
……さっきの影。
二つ、重なってた。
ころん
名前が、 無意識に浮かぶ。
その直後。
端末が、 一度だけ強く震えた。
【観測ログ:断絶】
画面が、 真っ暗になる。
……切られた。
同時に。
どこか遠くで、 扉が、開く音。
低い、 息を詰めたような声。
そして——
???
???
二つの声。 重なって、 すぐに離れる。
足音が、 別々の方向へ散っていく。
ころんは、 布団を握りしめた。
——二人いる。
観測してる“何か”と、 それを掻き乱す“何か”。
夜は、 静かなまま。
でも確実に、 歯車が狂い始めていた。