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ＳＡクラス

第27話 - 完璧な人間の閉じ込め方　其の三

2024年02月24日

#オリジナル

#二次創作を作ってください

#ＳＡクラス

アダバナ

渉

……
[窓の外を見ている]

友樹

や。機嫌はどう？

渉

兄ちゃん…。

友樹

兄貴って呼んでくれないの？

渉

めんど....。
必要以上に喋らせないでくれる？

友樹

そうだね。
あ、そうそうお土産

渉

何？

友樹

八ツ橋だよ。
美咲に、言ったでしょ？

渉

普通、そういうのは言った本人が持ってくるもんだろ

友樹

言うね〜

渉

…姉ちゃんは？

友樹

ヒンフー
（任務ー）

渉

なぁ、それ俺のだよな？
なんで、兄貴が先のに食ってんの？

友樹

毒見…うまいな。これ

渉

病人に八ツ橋…。怒られそー

友樹

嫌なら、食わなくて良い。
…検査結果何だって？

渉

ただの、発作…。
平気だよ

友樹

ほーん。
りんご食べるか？

渉

うん。ありがと

友樹

そういや…。千夏ちゃんも検査入院するってよ
[りんごを剥く]

渉

あっそ

友樹

…渉は、普通に過ごしたい？

渉

ううん。
俺は、姉ちゃんや兄貴みたいに強いメンバーになりたい！！

友樹

…！
そっか…

渉

うん！ｹﾎｯｹﾎｯ…ｹﾞﾎ…
だから、早く治さなきゃ

友樹

そうだな

友樹

んじゃ、またな

渉

玄関まで行けないけど…
またね

友樹

早く治せよ！
[頭を撫でる]

渉

さわんな

友樹

ふっ…
元気はあるみたいだね

渉

あー！もう！早く帰れ！！

友樹

ばいばーい

友樹

げっ…

ナツメ

うわ。ひっど

友樹

なんで、居るんすか？

ナツメ

入院手続きよ。渉君調子どう？

友樹

…だいぶ弱ってます。
能力が、体に合っていないから…もう後が

ナツメ

なるほどねー

友樹

千夏ちゃん、検査入院ですってね

ナツメ

うん。
あの子も長く持ってくれればいいのだけど

友樹

そいや、子供を保護したそうですね

ナツメ

あ、聞いた？

友樹

風の噂程度ですが…

ナツメ

実験体の子。
能力値も、力の量も桁違い

友樹

へー

ナツメ

興味ある？

友樹

いえ。
俺はそこまで腐っちゃいないですよ

ナツメ

そう？
早速、メンバーとしての片鱗見せてるけど…

友樹

処しますよ？

ナツメ

わー

友樹

…実験体って？

ナツメ

春夏冬家の事は、知ってるね？

友樹

御三家の一柱、秋原家の裏切り者の家系ですよね？

ナツメ

半分正解、半分不正解

友樹

…春夏冬関係ありました？

ナツメ

あるとも。
推理力を上げる為に、自力で頑張って

友樹

…春夏冬は、強い能力者を創り上げる事が目的。
……まさか…

ナツメ

そう、そのまさか。
世間って面白いわよねー

友樹

馬鹿なんですか？
腐っても、春夏冬の末端…寝首を切られますよ

ナツメ

私を誰だと、思ってるの？

友樹

ＳＡクラスが、幹部。
ナツメさんですね

ナツメ

それに、強い能力者は平和な世の為に必要よ

友樹

俺はそう思いませんね。
少なくとも、防衛力や他国からの抑止力にはなると考えていますが

ナツメ

が？

友樹

それは、今の総理だからです。
もし総理が変わるなんてことになったら…

ナツメ

十中八九戦争に使われるだろうね

友樹

…戦争だけは、ダメですよ

ナツメ

どの道、あそこの居ても悪く使われる
それなら、黒よりグレーの方が良いでしょ？

友樹

グレーって自覚あったんですね

ナツメ

なんのことかな？

ナツメ

千夏？

千夏

なに？ｹﾞﾎ

ナツメ

紹介したい子が居てね

千夏

…ｼﾞﾄｰ

ナツメ

そんな目で見ないでってば

千夏

浮気？隠し子？お見合い？

ナツメ

あ、根に持ってる…

千夏

勝手に、お見合いさせようしたのはお母さんでしょ

ナツメ

３つ共違います〜

千夏

…ｼﾞﾄｰ

ナツメ

百聞は一見にしかず！
あってみよ〜！！

千夏

なんで、お父さんはお母さんと結婚したんだろう…

冬希

はい、入っていいよ

？？

し…失礼します…

？？

…

千夏

え、隠し子？

ナツメ

違うってば

冬希

とある事件で、保護した子でね。
家で預かり事にしたんだよ

？？

お…お世話になります…

？？

…よろしくお願いします

千夏

月波千夏、長女だよ。
どっちが、上？

？？

あ…お兄ちゃんは…

？？

兄は俺です

千夏

じゃぁ、君が長男ね

？？

へ？

千夏

？？？
預かるって養子になるって事じゃないの？

ナツメ

ふっ…
そうきたかぁ〜

冬希

うん。合格

千夏

え？
何が？

冬希

ナツメと話して、千夏が優しくしたら
養子にするって決めたんだけど…

ナツメ

予想の斜め上を行くね〜

？？

す…凄いです…

？？

…お姉さんか…

千夏

ねぇ、名前無いの？
呼びづらいというか…なんというか…

？？

な…名前って？

冬希

その物を表す事。
例えば、ナスとか、みかんみたいな

？？

な…ないです…

千夏

そっか…。

ナツメ

どうせなら、千夏が考えてあげたら？

千夏

いいの？

？？

俺も、お姉さんがいいです

千夏

…んじゃぁ…

千夏

（名前つったて…好きなもの合わせる？）

千夏

（好きなもの…叶の事は好きだな。
　あとは、鳥とかの大きな羽…そうだ！）

千夏

翼と…！
[黒髪の少年を指差し]

千夏

夏叶！
[金髪の少年を指さす]

ナツメ

意味は？

千夏

私の好きなもの合わせた！
叶と季節の夏…それから、鳥の翼！！

？？

な…なつと…か…

？？

翼？俺の名前？

冬希

うん、そうだ

？？

い…良いんですか？

千夏

名前は、平等だよ？

翼

あ…ありがとう…ｸﾞｽ
[涙目になる]

夏叶

あ…ありがとうございます！

千夏

よろしね！
翼、夏叶！！

夏叶

お…お姉ちゃん！

翼

姉ちゃん！

千夏

可愛い…！

冬希

あ～ぁ…、可愛いが渋滞してる

ナツメ

ﾊﾟｼｬﾊﾟｼｬﾊﾟｼｬ
[カメラを連写する音]

ナツメ

今月の待ち受け決まった！

冬希

はいはい…

翼

んね、姉ちゃん。
お腹すいた

千夏

あ、もうそんな時間か…

夏叶

ぼ…僕も…！！

千夏

んじゃ、作ろっか！
手伝ってくれる？

夏叶

はい！

千夏

…それじゃ、行ってきます！

夏叶

い…いってっらしゃい

翼

気を付けてー

千夏

…ここか…

叶

今日は、体調も大丈夫！

千夏

行くよ！

光太

…広叶ってさ、千夏ちゃんの事嫌い？

広叶

え？
まぁ、はい

光太

なんで？

広叶

一言で言うなら子供らしくないからですよ。
後は、才能が多すぎる事によるただの、嫉妬です

光太

嫉妬か…

広叶

能力、補助能力、運動神経、頭脳、財産…
千夏は全てを持っている…嫉妬しないほうが可笑しいでしょ？

光太

違う。
広叶、君は嫉妬だけでは説明出来ない感情あるでしょ？

広叶

…知りません。
僕は、そういう感情が欠落しているので…

広叶

まぁ、それは彼女も同じですよ。
後天性の能力者の見分け方…君はしってますか？

光太

そんなんあるの？

広叶

えぇ。少なくとも、そこのお兄さんは知っているでしょう？

樹

んまぁ、知ってるな。
というか、見てたら何となく

光太

樹って頭いいよね。
なんか、先の事が、見えているみたい

樹

そうか？

千夏

…本日から、護衛させていただきます。
月波千夏です

叶

秋原叶です

護衛対象

あぁ、よろしく頼むよ

秘書

…信じられません。
こんな子供に、守れるというのですか？

叶

依頼したのは、旦那様でしょ？
秘書さんがとやかく言う筋合いないと思うけど？

秘書

…子供がわかったような口を！！

叶

貴方よりは、地獄を経験していると思いますよ

叶

骨が切れる音は？
人が目の前で、死ぬ景色は？血の色は？

叶

貴方こそ、私達の事を、知った気でいないでください

千夏

…叶、喧嘩はやめて。
私病み上がり…

護衛対象

秘書も、そこまでだ

護衛対象

もう、帰れ

秘書

…かしこまりました。

護衛対象

済まないね…
こんな所まで、護衛してもらっちゃって

叶

いえいえ

光太

今の所、怪しい所はなし

樹

道のりも普通…。
え、この人だよね？

広叶

そのはずですよ

少女

ｳｪｰﾝ…！
おかあさーん！！

ｶﾁｺﾁ… カチコチ

光太

…迷子？

樹

そうっぽいな…。広叶？

広叶

…がう…違う！！！
…えっ？ごめんさい…！
[涙目]

樹

大丈夫か！？

広叶

すみません…。少々取り乱しました…

光太

これ、ハンカチ…

千夏

…この匂い…

千夏

それに…。
まさか！？

護衛対象

お母さんと離れちゃったのかな？

少女

うん…でも。もう平気

少女

おじさんに会えたから！
[護衛対象に抱きつく]

護衛対象

えっ…？

千夏

叶！！

叶

“千年氷”！！
[地面が氷で覆われる]

少女

え…！なんで、こんな酷いことするの？
お姉ちゃん達

光太

どういう事…

千夏

あれ？
君、上着がなんかへんじゃない？
直してあげるよ！

少女

はい？
[上着を取られる]

千夏

なーんてね。
…やっぱり、爆弾かぁ

少女

[体中に爆弾が巻かれている]

叶

うわーぉ

護衛対象

んな！？

千夏

よくある手段だね。
子供や、動物に爆弾を持たせて、対象者に近付いたら起爆…

光太

残酷…

千夏

脅されたのかしら？
親が人質？それとも、自分の意志？

少女

…ううん。

叶

動かないで、爆弾取っちゃうから…

千夏

時限式じゃなくて、ボタン式だからね！

叶

分かってるってば！

光太

なんで…わかったの？

広叶

恐らく、匂いと音

樹

え、無くね？

広叶

千夏は、五感が優れているので…

千夏

…ねぇ、命令された？

少女

うん…。
『友達のいじめをやめてほしくば言う通りにしろ』て…

叶

う～んと…。
取り敢えず、解除は終わったよ？

護衛対象

お嬢ちゃん、家に来るかい？

少女

え？

護衛対象

そうすれば、多少は守れる

少女

いいの？

護衛対象

もちろん

叶

やめたほうがいいですよ…。
それで、身を滅ぼした人を見たことがあります

叶

救えない、人間を救い希望を与えても
いずれは壊れてしまう…

叶

救える人なんて、自分だけでいいんですよ

千夏

…そうかもね

護衛対象

それは、君の意志か？

叶

はい。
なにか問題が？

護衛対象

優しさは無いのか？

叶

救って、壊れないようにするために見捨てるのも、
優しさですよ

樹

…叶ちゃんってさ、なんか人生諦めてる感あるよね

広叶

まぁ、そうなってしまうのも分かりますけど…

千夏

兎に角、お嬢ちゃんも私達が守りますので…。
総理に連絡してきます

総理

もしもーし

千夏

『総理ですか？
　護衛対象がもう一人増えました。』

総理

ん。了解。
守るんだぞ？

千夏

『えぇ。お任せください』
[電話を切る]

千夏

…話はつきましたよ

護衛対象

うむ。

叶

…千夏、この気配…

千夏

…かすかだけど…
能力者が居る

光太

気配？

広叶

能力者同士はわかるんですが…僕はわかりませんね

樹

…居る…

光太

え…。
イツキ？

樹

多くて５人…。
いや、3人かな？

広叶

…驚きました…。
まさか貴方も能力持ちですか？

樹

いや…。人の気配がわかるぐらいだ。

広叶

そう…ですか。

光太

樹が能力持ってたら、嬉しいな。
理解者が増えてくれるし…

樹

…能力なんて無くたって、俺はお前の理解者だが？

光太

おぉ〜。イケメン。
今度女の子に言いな

樹

ナンパする暇があると思うか？

光太

うん

広叶

…仲がよろしいのですね

光太

うん！
樹は、保育園からの幼馴染だからね！

樹

小さい時から、此奴の相手してたんだぜ？

広叶

いいですね。そういうの

千夏

叶、装弾数は？

叶

ふぇ？よく銃持ってるってわかったね

千夏

メンバーは、全員持っているでしょ？

叶

装弾数は、６発かな？
あとは…詰替え用？が二本…でいいの？

光太

銃なんて持ってるんですね

広叶

基本的に持っているのは、政府の構成員だけですが…

広叶

中には、能力で操る人もいますし…

千夏

さて、対面しますか〜

叶

危険でしょ。
護衛対象は２人なのよ

千夏

うーん…。
そうだ！メンバー呼ぶのはどう？

叶

茉穂夏に変なこと言われても知らないよ？

千夏

ｸｩｰ…。それだけは、ダメだ…

叶

しょうがない…ここはあの人を呼ぶかぁ〜

千夏

へ？

叶

私達のつよーい味方兼上司…。
千夏！！！

千夏

！？
[足元が崩れる]

護衛対象

おい！？

千夏

叶！あと頼んだ！！
[下に落ちていく]

叶

…千夏…。ううん。此処でグズグズしてても仕方ない。
“氷の女王”

叶

一緒に居てくれる？女王

少女

お姉ちゃん…。もう一人のお姉ちゃんは…？

叶

大丈夫！きっと無事だよ

千夏

…地下の…図書室…？

加古

おや…。子供ですか

千夏

誰？

加古

加古とでも、名乗っておきます

千夏

かこ…？
あなた、人間？

加古

はい。
不老不死の人間ですよ〜

千夏

…不老不死か…。学校にも、似たような奴がいるわよ

加古

そうですかー

加古

…それでは、お命いただきますね？
[にっこりと、わらい短剣を袖からだし、千夏に斬りかかる]

千夏

…は？
[寸前で、避ける]

千夏

危ないわね…。そっちが、其の気なら…！！
[薙刀を、取り出す]

加古

ｸｽ…。
楽しくなりそうですね

光太

ど…どうしましょう！？

樹

千夏は、下だし…叶ちゃんは…

広叶

どちらでもよろしいですよ

叶

巫山戯んな！！！

ラミ

あらあら、怖いわねー

叶

父と、母を殺した上に、母の能力まで奪った人間なんかに…！
会いたくない！！！

ラミ

お手並み拝見と行こうかしら？

叶

ぐ…。
[顔を歪める]

樹

叶ちゃん勝てるの？

光太

特一級だよ？
負けるはず…

広叶

それは、どうでしょうか？
能力がいくら強くても、器が小さければ壊れて二度と
使えなくなってしまいます…

広叶

特一級というのは、能力単体での評価です。
だから、弱いもなにも無いんですよ

叶

やってやるわよ！！

ラミ

そうこなくちゃ！
“白虎”
［白虎を出す］

樹

式神…？

光太

同じ式神使いなら！

広叶

いえ…。まぁ、女王の方が、上ですけど…。
白虎の領域は日本です。そして、女王の領域は海外
…何が言いたいかわかりましたか

ラミ

君じゃ、私の力に勝てない。
貴方が一番わかっているでしょ？

叶

…そうだね。でも！

ラミ

…！？
[氷で創られた刀に後ろから、刺される]

ラミ

なっ…！？

叶

あんたの力を近くで見たのは私達双子だ！！
持ち主は変われど、力の使い方は変わらない！

光太

…そっか、叶ちゃんの力って…

樹

異能であると同時に超能力でもあるのか…。
そりゃ、当代最強の異能使いにもなるか…

叶

千夏を返して！！

ラミ

ふ…。無駄よ、加古の前では誰も生き残れない。
例え、あの子の娘であっても…！

樹

あの子....？

千夏

ハァァァァァァ…！！
[ため息]

加古

なんです？殺さないんですか？

千夏

無駄だってわかったからね。
それに、依頼されていない殺しはしたくない

加古

…わぁ。意外とすごいですね、貴方

千夏

…言ったでしょ？
うちにも、似たようなのが居るって

加古

大方、その人間も検討がつき始めましたよ

千夏

呪いって、色んな種類があるのね

加古

うーん…。応えられませんねぇー。それは。
…お友達の助けにいかなくても、宜しいのですか？

千夏

叶はそこまで、弱くない。
それに、あの人叶達の親を殺したでしょ

加古

…

千夏

現に、血の匂いがすごかったし…。
あ。あんたからも、似たような匂いがするわね

千夏

血で染まりきっていない、中途半端な存在

加古

…ﾁｯ

千夏

あ。そっか〜
貴方自身が人間か、どうかも分からない存在だからかぁ〜

加古

随分と、余裕ですね

千夏

うん。
だってー

面白い玩具を見つけたから

千夏

…ね？

加古

おもちゃ…ですか

千夏

うん！
うちに居る奴は、怪我したら治らないけど…貴方は違う

千夏

『とある能力者に殺されない限り生き続ける呪い』…でしょ？

千夏

お陰で、私が攻撃しても貴方は傷一つつかない。
それは、呪いの条件に該当しないから

加古

正解です。

千夏

叶に差し出したら、喜びそうだなー

加古

…“式神加護第四条玄武”

千夏

へぇー。ご加護か…。いいね始めて見た。
楽しめそうだよ、久しぶりに

千夏

“雷電操術　空中無法　落雷”
[薙刀を大きく降る]

叶

はぁ…。力使いすぎた…。
ご無事ですか？

護衛対象

あ…あぁ。

少女

うん

光太

樹、ラミ逃げちゃったよ！
追わないの？

樹

俺らがここを離れるわけには…

千夏

ダァァァァァァ！！
[地面を突き破る]

光太

え…！？

広叶

わぁ。ダイナミック…

叶

千夏！？
…無事だったんだね…。すっごい登場のしかた…

千夏

護衛対象は…無事ね。よかった…

叶

私…もう力使えない…指に力いれるので精一杯…

千夏

ん。おつかれ。
［叶の頭を撫でる］

少女

…お腹が…痛い…？
いや、気持ち悪い…

千夏

ん？大丈夫？

護衛対象

平気か？

少女

うん…。

千夏

（…見るからに弱っているわね…。あ…？お腹…なんか聞こえる…）

千夏

…まさか！？

叶

うん？千夏？

千夏

ねぇ。君！なんか食べさせられた！？

少女

ううん。…でも少し気を失っていたから…わからない

千夏

そう…。だとしたら、最悪ね。解除のしようがない

叶

え…

光太

？

樹

お腹…。解除？…まさか…な？

千夏

ごめん、叶ちょっとついてきて

叶

うん

千夏

多分、あの子のお腹の中には…

叶

うん。分かってるよ…。
問題は、どうするか

千夏

…解剖できる？

叶

専門道具が無いとなんも言えない

千夏

だよね…。戻ろう？

叶

うん…。取り敢えずどうにか解除できるかどうか探るわ

千夏

お願い…。出来るだけ、血は流したくない

少女

うｯ…ｳｸﾞ…

護衛対象

大丈夫だ…！
持ちこたえろ！

叶

…さっきより弱ってる…。
急がなきゃ！

千夏

（…どうすれば）

加古

こんにちは？

叶

誰！？

加古

助けに来たのに…。
爆弾。解除したいでしょ？

千夏

やっぱり…。
あんたらの仕業ね

光太

え。ほんとにだれ？

加古

ｸｽ....。本当に滑稽だこと…。
嘘をついてまで、そこにいたいのかしら？

樹

…どういう事だ…

千夏

方法知っているのなら、吐きなさい

叶

千夏、信じる気！？

千夏

そうでもしないと依頼人が…

加古

良いですよ。今楽にしてあげます

護衛対象

良かったな…

樹

…なんか、おかしくねーか？

光太

え。そう？

樹

淡々と進みすぎてるというか…。
そいや、俺が昔読んだ本に似てるのあったな…

樹

たしか…結末は。
…ｯ！？

光太

樹？

樹

いや。だとしたら最悪だな

加古

ｸｽ…。
[ボタンを押す]

少女

へ…？
[お腹の中の爆弾が破裂する]

千夏

え…！？

叶

ｲｯﾀ…！！
[破片が目に入る]

護衛対象

ｳｯ…
[お腹に破片が突き刺さる]

光太

う…そ…でしょ？

樹

たしか、結末は！！
『少女が２人死んだ』…！

千夏

…ﾊｯ…！
叶！？

叶

うぅー…。
私は平気…！

護衛対象

ｺﾞｯ…。ｶﾊｯ！
[もがき苦しむ]

加古

さて、どうしますか？
月波千夏

千夏

へ…

加古

もうすでに、少女は死んでいます。
…依頼主を楽にさせてあげてはどうです？

千夏

つまり…殺せと？

加古

さすが、お話が早くて助かります

千夏

ざけんじゃないわよ！！
…依頼主を殺すことは…ムリ！

加古

そうですかー
…なら。これでも同じ事が言えますか？

叶

へ！？
[加古に捕まる]

千夏

叶をどうする気！？

加古

どうするかは、貴方次第ですよ？
…お友達を助けたいのなら、依頼人を。
依頼人を助けたいのなら、お友達を。

加古

ご自身の手で殺してください？

千夏

…できるわけ…！

叶

千夏、私の事はいいから！！
早く、私を殺して！！

護衛対象

ｸﾞｯ…ダメだ…。
それだけはいかん！

護衛対象

友を守れ。
私なんて、1日過ごしただけだ…！

千夏

…しかし…。依頼人を殺すのは規定違反で…！

叶

いいから！早く私を！！

護衛対象

友を殺すと、一生後悔するぞ！
…ましてや、友を守るためにやったことで処罰されるのなら、
そんな所辞めてしまえ！！

加古

さぁ？
ご決断をどうぞ

千夏

…むり。絶対にできるはず無いでしょ！？

加古

そうですか…。残念。ここはあの手を使わねば…
[銃で依頼人を撃つ]

護衛対象

ｶﾞﾊｯ…！？
ﾋｭｰﾋｭー…ｹﾞﾎ

千夏

大丈夫ですか！？

加古

貴方の銃で撃ちました〜。
これで、貴方が処罰されることは確定…ですね！

千夏

ぁ…ごめんなさい…！

叶

千夏！！
…あんた！離しなさいよ！
[加古の拘束をとく]

千夏

あっ…あぁ…ごめんなさい！
ごめんなさい…！守れなくて…！

叶

千夏…。あんたは悪くないでしょ！？
悪いのは…

加古

[ニッコリと微笑む]

叶

悪いのは！彼奴だよ！？
[千夏を抱きしめる]

千夏

ごめんなさい…。
[泣きながら謝り続ける]

加古

さて…。私のすべき事は終わりました。
それでは、お二方。…良い人生を

叶

待ちなさい！

ﾀｯﾀﾀﾀ

友樹

千夏ちゃん！叶ちゃん！
…無事？

叶

友樹さん…。

千夏

ごめんなさい…！

総理

…君が謝ることじゃない。
邪魔が入った。ただそれだけだ

ナツメ

兎に角、今は休んで。ね？

千夏

ﾋｭｰ…ﾋｭｰ
[過呼吸になりかける]

ナツメ

…どうしたものかな〜

蝶野

叶ちゃん。何があったか話せる？

叶

うん…

光太

…でも、千夏ちゃんは悪くないでしょ？

広叶

そうですね。
…ですが、例えそれが真実でも『依頼人を殺した』という
事実が残ります

樹

…これ、どちらかと言ったら叶ちゃんの方が病むでしょ？

広叶

…だったら、良かったですね

樹

…広叶。お前等2人はどうしてあの双子に仕える

広叶

…命の恩人に託されたんですよ。
それも、最後に僕の頭をなでて…。

樹

ほーん…

光太

にしても、蝶野さんてこの頃から政府にいるんだね

広叶

現代でも居るんですか…

広叶

さて。もう知りたいことは知れましたよね？
そろそろお帰りになられたほうが…

光太

あの…喉乾いたのでお茶買ってきても…

広叶

良いですよー

光太

あ〜…お茶おいしー

美咲

総理。千夏の処罰はどうするおつもりですか？

総理

…しばらく、休みをあげようと思っているが…

美咲

降格はないのですか？

総理

今のところわな

美咲

そうですか…。なら、降格はおすすめしません

総理

なぜじゃ？

美咲

千夏が死なせてしまったことを後悔しているのなら、
今後誰も、殺さない強い操り人形になります

総理

なるほどな…。
それなら、こうするか…

美咲

…私が…。月波千夏を幹部へ推薦します

総理

…君は、それでいいのか？

美咲

はい

総理

良かろう。
手配しておく

光太

…！
[口元を押さえて話を聞いている]

光太

(じゃぁ…美咲さんは…)

千夏

私が…幹部に…？

美咲

うん。

千夏

なにかの間違いでしょ？

美咲

いいや。間違いじゃない

千夏

…私は依頼人を…！

美咲

後悔しているのなら、今後命をかけて守りなさい

美咲

…それが罪滅ぼしになるかは、わからないけど

千夏

…幹部になる事を望んでも…あの人は怒りませんか？

美咲

寧ろ応援すると思うよ。
憶測だけどね

千夏

…なら。私は！

美咲

承諾…してくれるのね？

千夏

それで、あの人が喜ぶのなら

光太

ﾊｯ！
[勢いよく起きる]

広叶

あ。おかえりなさい
…どうでした？

光太

広叶…。
樹は？

広叶

少し前に目が覚めて出ていきましたよ

光太

そ…か

広叶

…仲良くなれそうですか？

光太

無理かも…

広叶

ｱﾊﾊﾊﾊﾊ
ですよねー

光太

でも、千夏ちゃんに少し近づけた。
それだけでも、大収穫じゃない？

千夏

そう…なら、よかったわ

光太

千夏ちゃん！

千夏

迂闊に近づくと頭が飛ぶわよ

光太

殺意が…

広叶

これでも、付きっきりで看病？していたんですよ〜

千夏

広叶？

広叶

…さて、お夕飯の支度を手伝わねば…

千夏

逃げたな

光太

千夏ちゃん。
生きていてくれてありがとうございます

千夏

…なんでお礼を言うの？

光太

…知らない事がたくさん知れました

光太

本当に感謝していますよ

千夏

あっそ

光太

(そう言えば、千夏ちゃんは自身を推薦した人を
知ってるのかな？)

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第27話 - 完璧な人間の閉じ込め方　其の三

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