紅赤の髪の少女
紅赤の髪の少女
紅赤の髪の少女
紅赤の髪の少女
紅赤の髪の少女
私は真っ白な光に包まれたあと、この紅赤の髪をした少女に、延々と質問されていた。
……一方的に失礼なことを言われているだけな気もするけど。
見た目がじ、地味って……初対面の人に……。
少し傷ついたからね、私!
今もまだ、少女はブツブツと何かを喋っている。
……言われっぱなしじゃ、なんかモヤモヤする!
文句の一つや二つ言っても問題ないだろうと、私は目の前の少女に声を掛けてみることにした。
麗美
紅赤の髪の少女
麗美
紅赤の髪の少女
麗美
紅赤の髪の少女
麗美
紅赤の髪の少女
紅赤の髪の少女
いやいや、嘘ついてるでしょ。
今の今までガン無視してたのはどこのどいつですか?
自分の頭の中で少女に突っ込み、再び私は口を開く。
麗美
麗美
麗美
少女はクスクスと笑った。
紅赤の髪の少女
紅赤の髪の少女
紅赤の髪の少女
紅赤の髪の少女
紅赤の髪の少女
紅赤の髪の少女
紅赤の髪の少女
紅赤の髪の少女
……この子、ディテフさんと繋がりがあるの?
って、緩い目の試練って。
麗美
紅赤の髪の少女
紅赤の髪の少女
紅赤の髪の少女
紅赤の髪の少女
えええええ。
今、地球がないってそんな!
私が体験したのは何だったのか。
麗美
紅赤の髪の少女
紅赤の髪の少女
紅赤の髪の少女
紅赤の髪の少女
紅赤の髪の少女
紅赤の髪の少女
紅赤の髪の少女
えっと……何? 急に中二病っぽい発言……。
本当に神様なんですか?
フヘラナミオン
フヘラナミオン
フヘラナミオン
麗美
麗美
フヘラナミオン
フヘラナミオン
麗美
いやいや、神様に証拠ってあるわけないでしょ。
自分で自分に突っ込んでしまう程、私は混乱していた。
そんな私をよそに、自称神様はごそごそと懐から何かを取り出した。
フヘラナミオン
え……証拠、あるんだ……。
フヘラナミオンさんが手に持ち、私に見せたのは証明書だった。
……神に証明書なんてあるんだ。
よく見ると、所々に不思議な模様があり、少しずつだけど動いている。
おお~。凄い凄い。
フヘラナミオン
いえ、証明書に感心しただけですけど。
フヘラナミオンさんはペラペラと話を続ける。
話というより、大きな独り言の方が近い。
口調が崩れてる……。
フヘラナミオン
フヘラナミオン
フヘラナミオン
フヘラナミオン
フヘラナミオン
フヘラナミオン
フヘラナミオン
麗美
フヘラナミオン
麗美
フヘラナミオン
フヘラナミオンさんは口を押さえた。「あっ」じゃないですよ……。
今まで気付かなかったんですか⁇
もしかしてちょっと抜けていらっしゃる?
神様って(フヘラナミオンさんが神様と仮定して)以外と親しみやすいのかも。
フヘラナミオン
フヘラナミオンさんは咳払い。もう威厳も何もありませんよ。
フヘラナミオン
フヘラナミオン
フヘラナミオン
麗美
麗美
口に出したと同時に、私はあることを思い出していた。
ディテフ
ディテフ
麗美
ディテフ
──そうだ。
私が異世界ランドールを発つその前日。
私は一人、ディテフさんから秘密裏に呼び出され、説明を受けていた。
彼は棚から分厚い書類の束を取り出し机の上に置き、パンパンと叩く。
ディテフ
意味は分かるけど、組み合わせると全く意味が分からなくなってしまう単語を聞いて、私は首を傾げた。それから復唱する。
麗美
ディテフ
聞き間違いかと思ったけれど、そうではなかったようだ。
そのせいで私は更に混乱する。
うん? どういうこと?
ディテフ
ディテフ
ディテフ
ディテフ
うんうんと頷くディテフさん。……若い頃って具体的にはいつのことだろう?
デティフさんがその個人体質のおかげで歳を取りにくいらしいのは事前にクロトから聞いているけど。
何のためにこの研究をしているのかな。
彼は不思議そうにしている私に微笑みかけた。
……なるほど、今回の件に関すること以外の探りを入れるな、と。
それならば、何も言えない。こちらが依頼する立場なのだから。
ディテフ
麗美
右手を挙げて元気よく。ディテフさんはノリノリで「よぉし」と言った。
それどういうキャラ設定なんですかディテフさん……。
あと、いつまでこの小芝居続ければいいんですか?
ディテフ
ディテフ
麗美
麗美
ディテフ
麗美
ディテフさんはゴホンと咳払いをし、一言。
ディテフ
分かってないですし見事に私の質問スルーしましたね……。
ディテフ
再生させるのに爆発阻止?
まさか……。
ディテフさんの頭のネジがとうとうぶっ飛んじゃったのかなぁ。
ディテフ
麗美
ディテフ
麗美
私は満面の笑みで否定。
ディテフさんはまだ少し、私の事を疑っていたようだったが、話を続けることにしたらしい。
その調子ですよ、先生。
この後話された作戦に私はビックリしたっけ。
地球には、フヘラナミオンという名の神がいること。
その神に時間を逆算してもらい、地球を爆発するのを止めてもらうこと。
作戦内容を、私は全部、全部思い出した。
フヘラナミオンさんは顎に手を当てて唸る。
フヘラナミオン
フヘラナミオン
フヘラナミオン
麗美
ディテフさんに“このこと”は可能性として聞かされていた。
地球は神の手により壊されたのかも知れない、と。
たまたまその方法が爆発だっただけかもしれない、と。
ただ……聞かされていたとはいえ、そうだったと分かったときの衝撃は大きかった。
麗美
麗美
フヘラナミオン
フヘラナミオンさんはふぅとため息をついた。
フヘラナミオン
フヘラナミオン
麗美
どういうこと……? 人間が知恵をつけすぎたって……人間はそういう生き物なのに。
私は彼女に、その言葉の真意を訊こうと思ったけれど無理だった。
──フヘラナミオンさんがあまりにも悲しそうな、辛そうな表情をしていたから。
訊けなかった。
フヘラナミオン
フヘラナミオン
フヘラナミオン
フヘラナミオン
フヘラナミオン
麗美
私はディテフさんから貰った指輪を取り出した。
神に願いを叶えて貰うには“試練”の突破と“代償”が必要である。
だからディテフさんはこの骨董品……願いを叶えるという逸話の残る指輪を渡してくれた。
フヘラナミオン
フヘラナミオン
麗美
フヘラナミオン
麗美
フヘラナミオン
嘘……。
これだけじゃダメ、なの?
この指輪の力だけじゃ。
麗美
麗美
麗美
麗美
そう言って私は頭を下げた。
自分はどうなってもいい。これからの人生を生きられなくてもいい。
あの日、ランドールに迷い込み、本来ならあり得なかった時間を生きていたのだ。
だからもう、それだけでいい。もう何も、自分自身のことは望まない。
だから……!
必死に懇願する私に、フヘラナミオンさんはこう提案した。
フヘラナミオン
──この後私が払った“代償”により、地球は再生された。
それは……誰にとっての、幸いだったのだろうか。
コメント
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証明書で一回笑ってしまいましたw 人間が知恵をつけすぎたための滅亡…… 聖書にあるバベルの塔に限らず、核兵器、クローン技術、人体改造など、現時点でも昔なら神の領域に触れる禁忌と言われているものがたくさんあるので、納得できてしまうのが辛いところです…… しかし記憶が代償とは! 地球での記憶なのか、それともランドールでの記憶なのか 次回も楽しみにしています!